おりものは成熟した女性なら誰にでもあり、女性の体の健康状態が分かるバロメーターにもなります。生理前にはおりものの量や色、においが変化しますが、おりものの異常から病気の発見に繋がるケースも少なくありません。

今回は生理前のおりものの特徴や妊娠初期のおりものとの違い、異常なおりものの見分け方などを解説します。

おりものを見ると体調や体の変化が分かる

おりものとは子宮頸部や子宮内膜、腟から出てくる酸性の分泌液が混ざりあったもののことをいいます。子宮内部のさまざまな分泌液が腟から滑り落ちてくることから、女性の体から落ちてくる「おりもの」と呼ばれるようになったのが語源です。

おりものは女性の健康状態に応じて影響を受けやすいので、病気など体の異常を知らせる役割を果たしてくれます。

おりもののおもな働き

おりものは体の不調を知らせるバロメータとなるだけでなく、以下のような重要な働きも担っています。

●腟内を清潔に保つ

おりものには酸性の乳酸(腟の常在菌が分泌するのを助ける)が含まれていて、病原菌が腟内に侵入したり増殖するのを防いでいます。

●受精をサポートする

精子は弱アルカリ性のため酸性のおりものの中では死滅してしまいます。そのため、排卵期になるとおりものが弱酸性に変化し、精子を保護しながら卵子に辿り着くまでのサポートを行います。

生理前のおりものの特徴

おりものの量や色、においは個人差がありますが、一般的には生理前になると以下のように変化します。

量が増える


おりものの量は生理予定日から約2週間前の「排卵期」にピークを迎え、生理予定日約1週間前の「黄体期」に入ると徐々に減少しますが、生理直前になると再び増加します。

色は濁っていて白い(下着に着くと黄色く見える)


生理前のおりものの色は白く濁っていて粘り気が強いのが特徴ですが、下着について乾燥すると黄色っぽく見えることもあります。

茶色のおりものが出ることも


生理が本格的に始まる数日前にわずかに経血が出てくることがあるため、おりものに少量の血が混じり茶色やピンク色になることもあります。

においが強くなる


おりものは酸性のため通常時でも酸っぱいにおいがしますが、生理前になるとにおいが強くなります。

生理前におりものの変化が見られるのはいつから?

おりものの変化は生理3〜10日前の「黄体期」から現れ、生理直前(前日〜2日前)になるとにおいや色の変化がよりはっきり感じられるようになります。

生理前のおりものと妊娠初期のおりものの違い

生理前のおりものと妊娠初期のおりものは似ていますが、以下のように少し違いがあります。


特徴:量 
生理前のおりもの :増える 
妊娠初期のおりもの:増える 

特徴:色 
生理前のおりもの :白く濁っている 
妊娠初期のおりもの:透明〜乳白色 

特徴:におい 
生理前のおりもの :酸っぱいにおいが強くなる 
妊娠初期のおりもの:酸っぱいにおいが強くなる 

特徴:形状 
生理前のおりもの :粘り気が強くドロっとしている 
妊娠初期のおりもの:水っぽくてサラサラ 

おりものの量やにおいについては生理前も妊娠初期もほぼ同じですが、色や形状に違いがあることが分かります。

しかし、おりものの特徴は個人差があるだけでなく体調によっても変化するので、妊娠の可能性がある場合はおりもの以外の変化にも注目することが重要です。

おもな妊娠初期症状としては以下のような例が挙げられます。

【おもな妊娠初期症状】

・着床出血 
・生理の遅れ 
・身体の熱っぽさ 
・強い眠気 
・胸の張りや痛み 
・おなかの張りや腹痛 
・嗅覚の変化 
・胃のむかつき  
・食べ物の好みの変化

異常なおりものの特徴

おりものの特徴は生理周期によって変化しますが、以下のような異常なおりものが見られた場合は病気の疑いがあるので注意してください。

カッテージチーズのように白くポロポロした形状

カッテージチーズのように白くポロポロしたおりものが出ていて、外陰部や腟内に激しいかゆみを生じている場合は腟カンジダの疑いがあります。

腟カンジダは女性の5人に1人が経験するほどポピュラーな病気ですが、多くの場合は体調不良やストレスで体の抵抗力が低下することで発症します。

量が増える


おりものの量が増えるほか、生理痛のような下腹部の痛みや不正出血、性交痛などの症状がある場合はクラミジア感染症の疑いがあります。

クラミジア感染症は国内で最も多い性感染症ですが、女性の約80%が無症状のため自覚しにくいのが特徴です。感染に気づかず放置してしまうと流産や早産、不妊症、肝臓周囲炎などを引き起こすことがあるので注意が必要です。

黄色や緑色で生臭く、泡状


黄緑色で腐敗臭のように生臭く、泡立ったような形状のおりものが出るほか外陰部に強い痒みがある場合はトリコモナス腟炎の可能性があります。

トリコモナス腟炎は性感染症の一種ですが、原因となるトリコモナス原虫の感染力が強いため、まれに便座や銭湯の椅子などからも感染するケースもあります。

膿のような黄緑色で悪臭がある


おりものの色が膿のような黄緑色で悪臭がある場合は淋病(淋菌感染症)の可能性があります。淋病は「淋菌」により発症する性感染症で、セックスやオーラルセックス、アナルセックスなどの性行為で粘膜に感染します。淋病は感染力が高いため、1回の性行為で30〜50%の確率で感染するのが特徴です。

女性は症状が軽いため感染しても気づかないケースも多いですが、進行すると子宮頸管炎や卵管炎などを起こすほか不妊症の原因にもなります。

水っぽい、量が増える


水っぽいおりものが増えるほか、月経過多や不正出血の症状がある場合は子宮筋腫の可能性があります。子宮筋腫は子宮の壁にできる良性の腫瘍で、30〜40代から閉経後の女性まで幅広い世代に見られる疾患です。

現段階では子宮筋腫の原因ははっきり分かっていませんが、腫瘍がそれほど大きくなければ治療を必要としない症例も多くあります。

濃い茶色で悪臭があり、量が増える


おりものの色が濃い茶色で量が多いほか、いつもと違うにおいがする場合は子宮頸がんが疑われます。子宮頸がんは初期には自覚症状がほとんどなく、進行するとおりものの異常や性交時の出血、不正出血などの症状が見られます。

特に症状がなくても1年ごとに定期健診を受け、気になる症状があればすぐに産婦人科を受診しましょう。

おりものの異常を感じた場合は医療機関の受診を


おりものの色やにおい、量は個人差があるため、日頃から自分のおりものの状態を把握しておくことで小さな変化や病気のサインに気づきやすくなります。

生理前におりものの変化が見られるのは正常なことですが、いつもと違う異常なおりものに気づいた場合は病気の可能性があるため医療機関を受診しましょう。