頭皮にできものができ、かゆみや赤み、ヒリヒリとした痛みなどを感じている方は少なくありません。頭皮は頭髪によって通気性が悪くなりやすく、さまざまなトラブルが起こりやすい傾向がありますが、対処が早いほど症状が回復しやすくなります。そこで今回は頭皮にできものができる原因や症状、治療法、予防法を解説します。

頭皮のできものの種類と症状

一口に頭皮のできものといっても、種類や症状はさまざまです。そこで、ここでは頭皮のできものの5つの種類や症状について解説します。

丘疹(きゅうしん):小さく盛り上がっている

丘疹(きゅうしん)とは湿疹の一種で、皮膚の表面が小さく盛り上がった状態(1cm以内のブツブツ)を指します。アレルギーの原因となる物質などを排除するために白血球が集まり、その部分の体積が増加することで皮膚の表面が盛り上がります。

水疱(すいほう):水ぶくれができてかゆい

水疱(すいほう)とは表皮や表皮下に透明の液体(血液の液体成分や細胞成分)がたまって盛り上がった状態で、いわゆる水ぶくれのことをいいます。

頭皮に炎症が起こると血管と周りの組織との間で水分や栄養分などの移動が活発になり、その液体が皮膚の下にたまることで水ぶくれができます。

頭皮ニキビ:かさぶたができる・痛い・ぼこぼこする

頭皮に痛みを伴う炎症ができてぼこぼこしたり、かさぶたができる場合は頭皮ニキビができている可能性があります。

ニキビの正式名称は「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」ですが、頭皮の毛穴に皮脂などがたまることでアクネ菌が増床して炎症を引き起こします。

白いニキビは軽度ですが、悪化すると赤くなったり化膿することもあります。

毛のう炎(毛包炎):小さな赤いできものができる

毛のう炎(毛包炎)とは、毛根を包む「毛包」に炎症が起こり小さな赤いできものができる状態のことをいいます。頭皮を爪でかきむしったり、爪をたててゴシゴシ洗うことで小さな傷ができ、細菌が侵入することで発症します。

毛のう炎(毛包炎)は頭皮ニキビに似ていますが、化膿することで中央部が膨らんでいるのが特徴です。

せつ:毛穴から白い膿が出る

毛のう炎が悪化すると「せつ」という硬いしこりができ、膿が出るようになります。

せつは赤みが強く、はっきりした痛みや熱感を伴うのが特徴です。

粉瘤(ふんりゅう):柔らかいしこりができる

頭皮にブヨブヨとした柔らかいしこりができている場合、粉瘤(ふんりゅう)ができている可能性があります。

粉瘤(ふんりゅう)とは頭皮の毛穴の一部が皮下に落ちくぼみ、内部に皮脂やあかがたまってできものができる状態のことをいいます。

痛みやかゆみはありませんが、内部で細菌感染が起こると膿がたまり、できものが赤く腫れあがったり熱感を伴うことがあります。

頭皮にできものができる要因となる病気

頭皮のできものはよくみられる症状ですが、その要因はさまざまです。生活習慣が原因のでできものができることも多いですが、なかには以下のような病気が要因となっていることもあります。

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎は皮膚に化粧品や化学物質、衣類、植物、金属などが触れることでアレルギー反応が起こる病気です。原因物質に触れた場所の皮膚に腫れや湿疹、赤み、かゆみ、水ぶくれなどの症状があらわれます。

接触性皮膚炎になった際はまず原因物質を特定して遠ざけ、発生した炎症を鎮める処置を行います。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は皮脂の分泌が多い頭皮や髪の生え際にカサカサとした湿疹ができる病気です。脂漏性皮膚炎になるとフケが出て赤くなり、時にはしつこいかゆみを伴うこともあります。

原因はさまざまですが、入浴不足や洗顔不足、マラセチア菌というカビの増加、生活習慣の乱れなどが挙げられます。

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

尋常性乾癬とは慢性的な皮膚の病気で、おでこやうなじなど髪の生え際や耳回りなどに症状が出やすいのが特徴です。尋常性乾癬になると赤みや盛り上がり、銀白色のかさぶたなどができ、かゆみを伴うことがあります。

また、かさぶたが剥がれ落ちてフケのように見えるため、色の濃い服が着られないという患者の方もいます。

原因ははっきりとは分かっていませんが、体内の免疫バランスに異常が生じることで炎症を引き起こすといわれています。

皮脂欠乏性皮膚炎

皮脂欠乏性皮膚炎とは、皮脂の欠乏によって乾燥した頭皮に炎症が起こる病気です。

原因は以下のような例が挙げられます。

・生まれつき皮脂の分泌が少ない
・老化
・間違ったヘアケア
・不規則な生活

上記の要因によって皮脂の分泌が不足して皮脂欠乏性皮膚炎になると、かゆみやフケが発生します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、慢性的にかゆみを伴う湿疹ができる病気です。湿疹はおもにひじやひざの内側に出ることが多いですが、ひどくなると頭皮も含め全身に広がります。アトピー性皮膚炎になると皮膚が厚くカサカサになり、強いかゆみを伴います。

原因はまだはっきりと解明されていませんが、皮膚のバリア機能が低下したところにダニやほこりなどのアレルゲンが侵入することで炎症を引き起こすと考えられています。

膿痂湿疹(のうかしっしん)

膿痂湿疹(のうかしっしん)は「とびひ」とも呼ばれ、かさぶたや厚いフケが出るのが特徴です。爪を立てて洗髪したり爪で頭皮を引っかくことで皮膚が傷つき、バリア機能が低下した部位に細菌が繁殖することで発症するといわれています。

頭皮のできものを改善・予防させる方法

頭皮のできものができる原因は生活習慣が関係していることが少なくありません。

そのため、以下のポイントを意識することで頭皮のできものを改善・予防することが可能です。

使用しているシャンプーを見直す

刺激の強いシャンプーを使うことで頭皮に炎症が起き、できものができる原因となることがあります。

アレルギー源となる物質は人によって異なるため、新しいシャンプーを使う際は使用前に少量を皮膚に取り、炎症が起こらないことを確認してから使用しましょう。

また、頭皮をゴシゴシ洗いすぎると必要な皮脂や油分まで洗い流してしまうので、以下のポイントを意識することが大切です。

・シャンプーは1日1回にとどめる
・ 爪を立てずに指の腹で頭皮を洗う
・シャンプーはすすぎ残しがないようにしっかり洗い流す

頭皮の乾燥を避ける

頭皮の乾燥がひどくなると皮脂分泌が盛んになり、炎症やできものができやすくなります。頭皮はシャンプーのしすぎや紫外線、外気の影響などによって乾燥することがあるので、できものを予防するには以下のような対策が必要です。

・外出時は帽子を着用して紫外線から頭皮を守る
・加湿器を使用し、室内を乾燥させないようにする
・保湿効果のある頭皮用のスプレーを使用する

また、頭皮を掻きむしると炎症を起こしてできものができやすくなります。そのため、頭皮にかゆみがある際は掻きむしらずに保湿スプレーなどを使用しましょう。

枕カバーは常に清潔な状態に保つ

枕カバーは定期的に洗濯し、常に清潔な状態に保つことで頭皮のできものの予防につながります。シャンプーをしてきれいな状態で寝ても、就寝中に頭皮から皮脂が分泌されて枕カバーが汚れてしまいます。

そのまま汚れた枕カバーを使い続けると頭皮が不衛生な状態になり、細菌やカビが繁殖して炎症を起こしやすくなるので注意しましょう。

長時間の帽子の着用を控える

長時間の帽子の着用によって頭皮が蒸れると、頭皮にアクネ菌が繁殖しやすくなり炎症が起こりやすくなります。

そのため、帽子を被る際はこまめに脱いで頭皮を乾かすか、通気性のよいメッシュタイプのものを選ぶのがおすすめです。

生活習慣を改善する

睡眠不足や栄養の偏りなど生活習慣の乱れによって頭皮のターンオーバーのサイクルが乱れると、できものができやすくなります。

・1日3食バランスよく食べる
・脂質や糖質の過剰摂取に注意する
・ 十分かつ良質な睡眠をとる
・ストレスはうまく発散させる

頭皮の皮脂分泌が促進される油分が多いジャンクフードなどの食事を極力避け、新陳代謝を促すビタミンB2やビタミンB6を積極的に摂取することが大切です。

皮膚科で飲み薬や塗り薬を処方してもらう

生活習慣を改善しても頭皮のできものが改善しない場合は、自己判断せず皮膚科を受診して飲み薬や塗り薬を処方してもらうことが大切です。

頭皮のできものの症状や原因は人によってさまざまですが、なかには思わぬ病気が隠れている場合もあります。

特に強い痛みやかゆみを伴う場合は、悪化する前に早めに皮膚科で治療しましょう。

頭皮にできものができたら皮膚科で治療を

頭皮のできものは日常的によく起こるため、放置したり市販薬を使って様子をみる方も少なくありません。しかし、できものを放置すると悪化するだけでなく薄毛や抜け毛の原因になることもあります。 そのため、頭皮にできものができた場合はなるべく早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。