血圧がいつも低くて、疲れやすい・だるい・朝が起きられないなどと悩んでいませんか。体質やその時の体調で低血圧になっている場合もありますが、実は低血圧は他の病気の症状の1つという可能性もあります。この記事では低血圧の原因や低血圧を引き起こす病気について紹介します。低血圧に当てはまる症状でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

低血圧が起こるしくみ

低血圧とは、収縮期(最高)血圧100mmHg以下の血圧が低い状態のことを指します。血圧が低すぎると、全身に十分な血液が供給されず細胞が酸素や栄養素を十分に受け取ることができなくなります。

主な症状は、めまい・たちくらみ・朝起きられないなどがあります。

原因による低血圧の分類

低血圧は原因によって3つに分類されます。それぞれの特徴を紹介します。

◇本態性低血圧

本態性低血圧とは、原因となる特別な病気がないにもかかわらず血圧が慢性的に低い状態です。一時性低血圧とも呼ばれます。低血圧の原因の大半を占め、遺伝が原因とも言われています。本態性低血圧の場合、自覚症状がなければ特に病気とは診断されません。

◇起立性低血圧

起立性低血圧とは、急に立ち上がったり体を動かしたりする時に血圧が下がる症状です。自律神経がうまく働かないことで、血圧が調整できず下半身にたまった血液が心臓に戻りにくくなることが原因です。健康な人でも疲れていたり栄養状態が悪かったりすると起こる症状ですが、頻繁に立ちくらみやめまいを起こすようであれば一度検査を受けてみることをおすすめします。

◇症候性低血圧

症候性低血圧とは、他の病気が原因で低血圧になっている状態です。主な病気は、心筋梗塞や不整脈などの心臓疾患、肺塞栓などの肺疾患、甲状腺機能低下症やアジソン病などのホルモン性疾患などが挙げられます。他にもがんによる低栄養状態やケガによる大出血が原因となることもあります。

日常の中での低血圧の原因

低血圧を引き起こす日常生活の行動や体調について3つ紹介します。

◇無理なダイエットや不規則な食生活

低血圧は栄養状態が悪いことによって引き起こされます。1食抜く、限られた食材しか食べないなど極端なダイエットをして、急激に体重が減っていると低血圧になります。そのほか、忙しくてインスタント食品やサプリメントなど偏った食事を続けて、栄養バランスが悪い食事も原因となります。

◇アルコールの摂りすぎ

アルコールを摂取すると、血管が拡張するため血圧は下がります。アルコールを摂取しすぎると、より血圧が下がり、低血圧状態になる場合があります。

◇生理は起立性低血圧の原因に

女性が生理になると自律神経が乱れやすくなることで、起立性低血圧になることがあります。さらに生理前や生理中にめまいを感じる場合はPMS(月経前症候群)や鉄欠乏性貧血である可能性もあります。しかし生理中のみ、めまいを感じる場合は生理によって子宮周辺に血液が集まり、脳に行く血液量が不足するために起こる虚血性貧血の症状かもしれません。

低血圧の原因となる病気

上記で紹介した症候性低血圧の原因となる主な病気について6つ紹介します。

◇起立性調節障害

起立性調整障害とは、自律神経系に異常が起こり、循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患です。特に小学校高学年〜中学生の思春期の子供に多い傾向です。生活に支障をきたすほどの立ちくらみやめまいが起こり、不登校の原因となってしまいます。鉄や亜鉛などのミネラル不足が関与している場合があります。

◇甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、体全体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが低下する病気です。甲状腺機能低下症には2種類あり、甲状腺そのものの働きが悪くなる「原発性甲状腺機能低下症」と、甲状腺をコントロールしている甲状腺刺激ホルモンが低下する「中枢性甲状腺機能低下症」があります。甲状腺ホルモンが低下するとエネルギー代謝が低下し、低血圧のほかに疲れやすさ・倦怠感・冷え・顔や手足のむくみ・月経不順などの症状が出ます。

◇心筋梗塞

心筋梗塞とは、心臓の筋肉に血液と酸素を送る冠動脈が突然詰まり、心筋に血液を送ることができない状態になる病気です。心筋梗塞の主な症状は脂汗が出るほどの胸の痛みです。胸の痛みが30分以上続くと心臓の細胞の壊死を起こしてしまう場合もあります。心臓の筋肉の壊死の範囲が広がると、ポンプ機能を失い血圧が低下して顔面が蒼白になるとともに、吐き気・冷や汗などがみられたり、意識を失って死に至ることもあります。

◇不整脈

不整脈とは、心拍数が正常値(1分間に60?100回程度)よりも多かったり少なかったりすることや、心拍のリズムが乱れることです。不整脈になると、心拍出量は減少し心臓の機能が落ちます。そのため、血圧も低くなります。

◇肺塞栓症

肺塞栓症とは、エコノミー症候群とも呼ばれる病気です。長時間座ったままなど動かない状態が続くと、足の血流が悪くなり血栓ができます。その血栓が血流に乗り肺に到着することで肺の血管が詰まります。大きな血栓がつまった場合には肺に流れる血液が減るため、肺でのガス交換ができなり、血圧も低下する恐れがあります。低血圧以外に息切れ・めまい・足のむくみなどの症状が現れます。

◇アジソン病

アジソン病とは、副腎機能の低下によって、副腎ホルモンが不足する病気です。副腎ホルモンが不足すると、体内の水分・ナトリウム・カリウムのバランスが悪くなり、血圧のコントロールやストレスへの反応に影響を及ぼします。皮膚に色素沈着が起きて顔や手の甲などが黒くなったり、口の粘膜に黒いしみができるのが特徴です。進行すると心臓の機能が低下し低血圧の症状が現れます。アジソン病は難病に指定されていて、発症した70%の方の原因が明らかになっていませんが、体の免疫システムが誤作動を起こし副腎皮質を攻撃し破壊する自己免疫反応の影響を受けていると言われています。

まとめ:低血圧の改善は原因を知ることから

低血圧には遺伝的な要因や起立性低血圧という立ちくらみのようなあまり心配する必要がない場合が多いですが、一部は病気が原因でなる場合もあります。心配であれば内科や循環器科を受診してみてくださいね。また、家庭に血圧計があれば自分の健康状態を把握することができるので、日常的に血圧に異常がないか確認してみましょう。