突然の血尿や脇腹の痛みは、もしかすると尿路結石かもしれません。尿路結石は、放置していると重症化し、かなりつらい激痛に襲われることもあります。尿路結石の初期症状は無症状であることも多いため、症状を知り、些細な変化に気づくことができるようにすることが大切です。そこでここでは、尿路結石の症状について解説します。

尿路結石とは

尿は、腎臓で作られ、膀胱を経て尿道から排出されます。尿路結石とは、腎臓・膀胱・尿道など、尿の通り道となる、いわゆる「尿路」に結石が詰まる病気です。腎臓結石、尿路結石、膀胱結石、尿道結石と、結石の詰まる箇所によって呼び名が変わり、これらを総称して尿路結石と言います。

尿路結石の原因は

結石は、カルシウムやシュウ酸、尿酸が固まって石のようになったものです。本来ならこれらの成分は尿に溶け込んで排出されますが、これがうまくいかずに次第に固まり、結石となります。

結石ができる原因は、実はまだよくわかっていません。一説では体質遺伝や生活習慣がリスク要因であると言われ、実際に痛風や糖尿病など生活習慣病のある人によく起こっています。

一生のうちで結石になる日本人の割合はおよそ1割で、特に中年以降の男性や閉経後の女性に多く見られます。男女比では、男性の方が多く、女性のおよそ2倍の頻度で発症し、特に肥満の人に起こりやすいと言われています。

結石が詰まって起こる痛みは、人間が感じる最も強い痛みの一つであり、のたうち回ったり、失神してしまったりする人もいるほどです。尿路結石は繰り返しやすく、高い割合で再発すると言われます。そのため、早期に発見して治療し、再発防止に努めることが大切です。

尿路結石の症状

尿路結石になった場合の特徴的な症状について解説します。

尿路結石の特徴的症状は脇腹の痛み

尿路結石の代表的な症状が、脇腹の痛みです。痛みは「疝痛発作」と言われ、まるで波のように繰り返し激しい痛みが押し寄せてくることが特徴で、脇腹以外にも、背中、下腹部、鼠けい部、外陰部などに感じることがあります。痛みの感じ方は人それぞれですが、さまざまな病気の中でも尿路結石による痛みは最も強い部類であると言われているほどです。

この痛みは、結石が尿路を塞いでいるために起こるものです。結石が小さければ、痛みを伴いながらも、なんとか自然に尿と一緒に排石されることがありますが、大きなものになると完全に尿路を塞いでしまい、これがかなりの激痛となります。

一方で、痛みを感じなかったり鈍痛程度だったりすることもあり、このせいで病気に気が付かない人もいます。

血尿や吐き気・発熱が起こることも

尿路結石の症状には、血尿や吐き気、発熱もよくあります。血尿は、一見してわかるほど真っ赤な尿が出る場合と、ほんの少し鮮血が交じる場合があり、このケースでは尿検査で指摘されることも多いです。

吐き気や発熱も、よくある症状です。これらは、痛みとともに起こることもあります。

尿路結石の初期は無症状なことも多い

尿路結石の初期の場合、無症状であることも多いです。痛みを感じることがなく、感じたとしても鈍痛であるために見過ごしやすく、注意が必要です。

一般的に、腎臓内の結石の大きさが10mm未満であれば経過観察や薬物によって自然に排石するのを待つことでよいとされ、対症療法が行われます。

ただし、無症状であっても腎臓が腫れている場合には、早急に治療が必要です。腎臓機能が低下し、体にさまざまな悪影響を及ぼすようになります。

尿路結石の症状が疑われたら受診

尿路結石の症状は、放置することで重症化する可能性があります。激痛などのつらい症状や腎臓機能の低下を招くこともあるので、すぐに受診することが必要です。

尿路結石の症状を放置することの危険性

結石があるからといって、必ずしも激痛が起こるわけではありません。無症状だったり、鈍痛程度だったりするために「まぁ、大丈夫か」と放置してしまう人は結構います。しかし、長期間放置しているとどんどん大きくなり、尿路を通過したときや塞いだときに耐えられないほどの痛みに襲われる危険性があるため、甘く見てはいけません。

また、結石を放置することで尿が停滞した状態が続くと腎臓が腫れ、水腎症を起こすことがあります。腎臓機能が低下することで、尿の濃縮力が失われて、頻尿になったり尿量が少なくなったりすることに加え、むくみ、疲労感、吐き気、食欲不振などの不快な症状が現れるようになり、健康が損なわれます。

尿路結石の症状は何科を受診?

尿路結石の症状は、泌尿器科が専門です。尿路結石の治療では、結石のある場所や大きさ、尿や腎機能への影響などによって変わります。

まずは、きちんと検査して診断してもらい、その上で治療方法を決めることが先決です。医師と相談し、治療計画を立ててもらいましょう。

病院での尿路結石の治療

尿路結石の治療法には2パターン、「保存療法」と「外科的療法」があります。

保存療法とは

保存療法とは、尿と一緒に自然に排石されることを促す方法です。大きさが4mm以下のごく小さなものであれば、ほとんどの場合、経過観察により自力で排石されるのを待ちます。この方法では、水分をたくさんとることで尿管の動きを活発にし、石の下降を促すことが行われます。

4mmを越え10mmまでの比較的小さなものでは、薬の投与によって石を溶かし、自然排石を促します。尿酸結石やシスチン結石の場合に行われることが多く、尿をアルカリ性に変えることで石を小さくします。痛みがある場合には、鎮痛治療もあわせて行います。

外科的療法とは

外科的療法では、手術による治療が行われます。10mm以上の結石は自力で排出することが難しく、外科的療法が効果的です。これにおいては、体外衝撃波を用いた治療法(ESWL)や内視鏡を使用した治療法(TUL、PNL)が代表的です。

体外衝撃波を用いた治療法とは、正しくは「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」と呼ばれます。これは、体外から結石に衝撃波を当てることで結石だけを砕き、自然排出しやすくするものです。

ただし、結石が固くてうまく粉砕できなかったり、砕けた石が大きいために再び詰まってしまったりすることもあり、完全とは言えない方法です。日帰りで手術できますが、数日間の入院が必要になることもあります。

内視鏡を使用した治療法は、「経尿道的尿管結石破砕術(TUL)」といい、尿道から 入れた内視鏡で見ながら、レーザや空気衝撃波などの装置で石を砕きます。手術中に結石を取り出すことができるのがメリットで、効果の高い治療法としてよく行われています。

内視鏡治療にはもう一つ、「経皮的腎尿管砕石術(PNL)」があります。これは20mm以上の大きな結石に対して行われるもので、背中に開けた小さな穴から内視鏡を入れて治療を行います。この場合は、1週間から2週間の入院が必要になります。

まとめ:尿路結石の症状は放置しない

尿路結石は、無症状であることも多い病気ですが、症状が現れるとひどい痛みに襲われ、大変な思いをする病気です。特に、男性、肥満、生活習慣病のある人は発症するリスクが高いため、日頃から十分に予防することが大切です。症状に気づいた時点ですぐに受診し、治療を受けるようにしましょう。