梅毒は、感染すると全身に様々な症状を引き起こす、性感染症です。梅毒は、初期症状を早く見つけて治療を開始すれば治りますが、気付かないまま放置すると、そのうちどんどん症状が重くなり、重篤な症状を引き起こして命に関わる可能性もあります。そこでここでは、梅毒の初期症状について、その特徴や進行について解説します。

梅毒は初期から症状が進行していく病気

梅毒とは、性交渉など性的な接触がきっかけとなり、全身さまざまな症状が現れる病気です。一時期は感染者が減っていましたが、平成25年ころから徐々に増え始めて現在急増中であり、特に20代に多くの患者がいます。

原因は、「梅毒トレポネーマ」という病原菌によるもので、皮膚や粘膜の小さな傷から菌が侵入することで起こります。この菌は、皮膚や粘膜、体液、血液に潜んでおり、性交渉だけでなく、キスなどでふれあっただけでも感染することがあります。

梅毒は、感染すると時間の経過とともに症状が進行し、末期に近づくと、細胞や臓器にもダメージを与えるようになります。やがて心臓血管系や中枢神経系にも影響を及ぼすようになると、後遺症を残したり、命を落としたりすることもあります。

梅毒は、かつては不治の病として恐れられていましたが、現代では早期に発見して治療に取り掛かれば、後遺症を残さずに治すことができる病気です。そのため、初期症状に早く気づくことが重要であり、知識として梅毒の初期症状を知っておくことが大切です。

初期症状はいつから出る?梅毒の潜伏期間

梅毒は、感染したら症状がすぐに現れるのではなく、潜伏期間があります。梅毒の潜伏期間は、おおむね3週間から6週間で、この潜伏期間を経て徐々に初期症状が現れはじめます。

中には、梅毒にかかっているものの無症状である人もいます。本人には症状が現れないので気づくことができませんが、パートナーや何らかの性的な接触をした人が梅毒らしき症状を発症しているなら、自身も検査をしたほうがいいでしょう。

梅毒には先天性のものがあり、胎児が胎盤を通して感染するケースもあります。これを先天性梅毒といい、出生時、多くの場合は無症状で、一般的に生後3カ月以内に発症します。その他、乳幼児期には発症せず、学童期になってから発症する場合や、生涯にわたって無症状のままである場合もあります。

梅毒の初期症状(第1期)の特徴

梅毒は、症状によって1期から4期までに分けられます。第1期とは、感染後から3週間後〜3ヶ月の間のことを指し、この期間で初期症状が現れはじめます。

口や性器などにできるしこり

第1期では、陰部、口唇部など、感染がおきた部位にしこりができることがよくあります。女性では大陰唇・小陰唇周辺や膣の中、男性では亀頭や陰茎に起こりやすく、股の付け根の部分のリンパ節が腫れることもあります。

しこりやリンパ節の腫れた部分には、痛みやかゆみはほとんどなく、治療せずに放置していると、いつの間にか自然に消えてしまうことが多いです。

性器の皮膚などにできる潰瘍

梅毒の第1期の症状では、性器の皮膚のしこりのある部分に潰瘍ができることもあります。これも痛みやかゆみを伴うことはほとんどなく、時間とともに軽快します。第1期の症状はどれも気がつきにくく、症状が消えてしまうために放置してしまいがちなので、注意が必要です。

梅毒の初期症状からの進行

梅毒は、初期症状を治療せずに放置すると、そのうち次の段階に進んでいきます。第2期以降の症状について解説します。

梅毒の第2期症状

第2期とは、感染後から3ヶ月以上経った時期です。第2期になると、病原体が血液によって全身に運ばれるため、感染部位だけでなく、全身にその影響が及びます。

具体的には、体の中心を主に、顔、四肢、足底、手のひらなどに発疹が出たり、発熱、倦怠感、頭痛などの症状が現れたり、第1期よりも症状が明らかです。

しかし、第2期においても、時間の経過とともに症状が軽快するため、放置してしまう人は多いです。

第2期までに治療をはじめれば、後遺症を残さずに治る可能性が高いですが、この時期を過ぎると次のステップである第3期に移行し、皮膚、骨、筋肉などに影響するようになって、さらに重い症状に進行します。

梅毒の第3期症状

第3期は、感染後、3年から10年の状態を指します。この時期になると、皮膚だけでなく、骨や筋肉、肝臓などの臓器にも、硬いしこりやゴムのような腫瘍が発生します。このゴムのような潰瘍は周りの細胞を破壊し、鼻が欠損する(鞍鼻)こともあります。
ここまで症状が進むと治療の難易度が上がり、治療しても瘢痕や後遺症を残す可能性が高まります。

梅毒の第4期症状

梅毒の第4期とは、感染してから10年以上経過している状態を言います。第4期では、脳や脊髄、心臓、血管など、生きるために必要な器官にまで症状が現れるようになり、麻痺や痴呆などが起こることもあります。

日常生活が難しくなったり、場合によっては命を落とすこともあります。ただ、現代ではここまで症状が進行する例は稀であり、多くの場合は、第2期くらいまでの間に病気が発見され、治療が開始されます。

まとめ:梅毒は初期症状からの治療が大切

梅毒は、初期症状に早く気づいて治療を開始することが大切です。早く治療に取り掛かることで、自身の病期の進行を抑えることができ、まわりに移す心配もなくなります。

梅毒は、初期症状に気づきにくい病気であるため、日頃から自身の体調や体の変化をこまめにチェックしておくことが必要です。

また、性交渉のときにはコンドームを使うなど、日頃から予防に努めることも大切です。もしご紹介した中に当てはまる症状があるのなら、早いうちに性病科、泌尿器科、婦人科などの病院で診察を受けることをおすすめします。