顔が赤い原因は、皮膚や内臓、血管など体のさまざまな部位の病気によって引き起こされます。顔が赤いだけであれば特に問題はありませんが、痛みや熱感、倦怠感などを伴うこともあるため注意しなければなりません。この記事では、顔が赤くなる主な原因と日常生活の中でできる対処法、病院を受診する目安などについて解説します。
顔が赤い時は病気の可能性?
特に炎症や痛みはなく、顔の一部のみがいつも赤い場合は、肝臓疾患などの病気のサインかもしれません。また、顔全体が赤くなる場合はアレルギーの症状である可能性があります。ここでは、顔が赤い時に考えられる病気について解説します。
皮膚の病気皮膚はデリケートであり、ちょっとした刺激でも赤くなることがあります。一方で、顔が赤い原因が皮膚の病気である可能性も考えられます。ここではどのような病気の可能性があるのか解説します。
皮膚はとてもデリケートです。少しの物理的な刺激で顔の皮膚が赤くなることがありますが、場合によっては皮膚の病気で赤みが出ていることもあります。
酒さ様皮膚炎酒さ様皮膚炎とは、毛細血管が拡張することで、皮膚が赤くなる状態のことです。ステロイド軟膏を長期間に渡って使用しているとこのような症状が起こるとされています。酒さ様皮膚炎になると、顔の赤身のほか、皮膚が腫れたように盛り上がり、火照りやヒリヒリ感などを伴うこともあります。
主な原因である、ステロイド軟膏はアトピー性皮膚炎を治療する際によく使われるため、アトピー性皮膚炎の人に発症するケースが多くなっています。
乾癬乾癬とは、炎症によって皮膚が厚くて硬い状態になる病気のことです。乾癬になると、皮膚の変化に加え、表面に赤みを帯びることもあるため、顔が赤くなることもあります。顔だけでなく、頭や肘、お尻などさまざまな部位で発生する病気です。
原因は遺伝や環境、免疫などが考えられていますが、明確にはなっていません。
脂漏性皮膚炎脂漏性皮膚炎とは、顔や胸、背中、頭皮など、さまざまな部位に赤みが発生する湿疹のことです。赤みとあわせてかゆみが出ることもあるため、かきむしることで肌を傷つけてしまう恐れもあります。
脂漏性皮膚炎の原因としてあげられるのが、マラセチアと呼ばれる真菌です。ただし、マラセチアを持っているからといって全員が脂漏性皮膚炎となるわけではないため、医師による診察を受けたうえで判断する必要があります。
血管や体の病気皮膚だけでなく、血管や体の病気によって顔の赤みが発生することもあります。ここでは、具体的な病気をご紹介します。
毛細血管拡張症毛細血管拡張症とは、静脈の拡張によって皮膚から血液が透けて見える症状のことです。「赤ら顔」と呼ばれる人の中には、この毛細血管拡張症であるケースが一般的です。
血液が透けているだけであるため、軽症であれば特に問題ありませんが、場合によっては灼熱感や痛みを伴うことがあるほか、静脈瘤と併発する疼痛などもあるため、治療が必要となる可能性もあります。
全身性エリテマトーデス全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematous:SEL)とは、免疫システムが正常な細胞に対して攻撃してしまう病気のことで、鼻を中心とした赤い湿疹が見られます。また、紫外線を浴びると水ぶくれが生じるほか発疹や口内炎などが現れることもあります。
そのほかにも、倦怠感や関節痛、腎炎などを伴うケースもあるため、注意しなければなりません。
内蔵の病気顔が赤い原因は、肝臓などの内蔵の病気である可能性もあります。例えば、肝臓疾患を患っており、肝機能が低下していると、アルコールの分解に時間がかかるため、顔の赤みがなかなか抜けなくなります。
なお、肝臓疾患の場合、顔の赤み以外にも、倦怠感や腹部の右側の重み、黄疸、濃い茶色の尿、皮膚のかゆみといった症状が見られることもあります。
顔が赤くなる時の対処法
顔の赤みは、病気だけでなく、日常生活のちょっとした出来事が原因となって発生することもあります。例えば、精神的なストレスが続くと自律神経の乱れによる血管の拡張が起こり、顔が赤くなるため、普段からストレスを発散するように務めることが大切です。また、定期的な運動を行い、十分な睡眠をとることで、自律神経を整えることも重要です。
さらに、寒さや暑さによって血管の拡張が起こり、顔が赤くなることもあります。外出先での顔の赤みを避けたい場合は、温度調整ができる服装を心がけるようにしましょう。
そのほかにも、肝臓疾患が原因となって起こる顔の赤みに対しては、飲酒量を減らすなどして、肝臓に負担をかけないようにすることが大切です。
病院を受診する目安
顔の赤みだけでなく、皮膚の腫れや痛み、熱感などがある場合は、何かしらの病気である可能性が考えられるため、すぐに病院を受診しましょう。場合によっては救急車の利用も考えられます。また、皮膚の腫れや多少の痛み、発疹などが見られるものの、日常生活に大きな支障をきたすレベルでない場合、赤みが続いており気になっている場合などは、時間のあるときに一度病院を受診するといいでしょう。
一方で、赤みが出るものの、一時的なものですぐに消える場合は、特に受診しなくても問題ありません。なお診療科に関しては、消化器内科や内科、皮膚科などを受診してください。また、受診にあたっては、いつ頃から症状が現れているのか、顔の赤み以外にどういった症状があるのかといった点を医者に伝えられると、よりスムーズです。