節々が痛いと、さまざまな病気の可能性が考えられます。微熱がある場合は風邪が原因である可能性もありますが、その他の重篤な病気も疑われます。節々の痛みが続く場合は、病院を受診した方がよいでしょう。この記事では、節々が痛い場合に、原因として考えられる病気を紹介します。

風邪による節々の痛み

微熱とともに節々が痛くなる場合は、風邪の可能性があります。ここでは、風邪で節々が痛くなる理由や対処法を解説します。

風邪で節々が痛くなる理由

風邪で節々が痛くなる理由は、プロスタグランジンが増加するからです。風邪にかかると免疫反応により、プロスタグランジンと呼ばれる物質が体内で分泌されます。

プロスタグランジンは体温を上げて、風邪ウイルスに対する免疫による攻撃をサポートする役割があります。それと同時に、痛みも引き起こすため節々が痛くなるのです。

風邪による関節痛の対処法

風邪になった場合は、安静にしてゆっくり休むことが基本です。薬を使用する場合は、総合感冒薬や解熱剤などの市販薬を利用するのもよいでしょう。

高熱が出る場合は風邪以外の疾患も疑われるため、病院を受診することをおすすめします。高齢者や子ども、疲れがたまっている人などは免疫低下による二次感染の恐れも。二次感染が疑われる場合は、病院で抗生剤が処方されることもあります。

更年期の節々の痛み

更年期を迎えた女性も、節々が痛くなる場合があります。ここでは、更年期に節々が痛くなる理由や対処法を紹介します。

更年期に節々が痛くなる理由

更年期に節々が痛くなる理由は、エストロゲンが減少するからです。50代になり更年期を迎えると、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が減少します。

エストロゲンには、筋肉や腱などの柔軟性を維持する働きがあります。そのため、エストロゲンが減少して、筋肉や腱の柔軟性が失われることで、節々が痛くなるのです。

更年期の関節痛への対処法

更年期における関節の痛みは、まずは病院を受診した方がよいでしょう。なぜなら、関節痛の原因が、自己免疫疾患の一つであるリウマチの可能性もあるからです。病院を受診して、リウマチの有無を確認してもらうことが大切です。

また更年期に関節痛になったら、生活習慣を改善して、ホルモンバランスや自律神経機能を整えることも大切です。ホルモンバランスを整える場合、病院のホルモン補充療法を受けて、不足した女性ホルモンを補ってもらうのもよいでしょう。

節々が痛いときに考えられる病気

節々が痛いときには、風邪や更年期以外にもさまざまな病気が考えられます。以下の病気は、病院で治療を受けた方がよい病気です。

・変形性関節
・関節リウマチ
・化膿性関節炎
・痛風・線維筋痛症

各疾患について詳しく解説します。

変形性関節症

変形性関節症は、関節内の軟骨がすり減って炎症が起き、関節が変形することで発症します。中年以降に発症しやすい病気です。肘や膝、股関節、指などのさまざまな部位で痛みが現れます。

【症状】

・関節周囲の痛み
・腫れ
・関節の引っかかり感・関節の違和感

関節リウマチ

関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起きた状態です。免疫が関節を攻撃して、徐々に関節が破壊されます。肘や肩、膝、足首などのさまざまな部位に現れる点が特徴です。

【症状】

・関節の痛み
・腫れ
・朝のこわばり
・左右対称に複数の関節に出ることが多い
・発熱などの全身症状

化膿性関節炎

可能性関節炎は関節に細菌が入り、炎症を起こす病気です。多くの場合、膝関節で発症しますが、股関節や肩関節、足関節などの他の部位でも起こり得ます。

【症状】

・関節の激しい痛み
・腫れ
・熱感
・悪寒や倦怠感などの全身症状
・食欲の低下

痛風

痛風になるとある日突然、激しい関節の痛みに襲われます。男性に多く、2〜3日ほど歩けないくらいの痛みが現れます。

痛風の原因は、体内の尿酸が増え過ぎたことで起こる「高尿酸結晶」です。尿酸は排出されるべき老廃物なのですが、痛風では体内に残された状態になります。尿酸が残されて、老廃物がたまることで、免疫が反応して炎症がおこります。

【症状】

・関節の激しい痛み
・腫れ
・重症化すると腎不全になることもある

線維筋痛症

線維筋痛症は全身に激しい痛みが起こる病気です。節々にも激しい痛みを感じます。線維筋痛症のメカニズムははっきりとわかっていませんが、ストレスが原因と言われています。

【症状】

・全身もしくは一部の痛み
・疲労感や倦怠感
・関節のこわばり
・睡眠障害
・しびれや微熱、不安感などのさまざな症状

節々の痛みが続く場合は病院を受診しよう

節々の痛みは、風邪や更年期、その他の病気の可能性が考えられます。風邪であれば、一時的な痛みで治まります。

しかし更年期に節々が痛む場合は、長く続く可能性があり、さらにリウマチとの鑑別も必要です。その他にも、症状が重篤化するような病気の可能性があるため注意してください。節々の痛みが続く場合は、病院を受診して適切な治療を受けた方がよいでしょう。