「しっかり睡眠は取れているのに、生理中は異常に眠い」「眠気だけでなく、だるさも感じてボーっとする」など、不調を感じる女性は少なくありません。仮眠を取りたくても、仕事中や授業中など状況的に眠れない場合も多いと思います。そこで今回は、生理中に眠い・だるい原因や対処法について解説します。
生理中に眠い時は寝た方がいい
生理中に強い眠気を感じた場合、眠れる状況なら寝た方がいいでしょう。15分程度の仮眠でも頭がスッキリし、仕事や勉強に集中できるようになります。
生理中に眠い・だるいと感じる原因生理中に眠い・だるいと感じるのは、「女性ホルモンの分泌量が変化すること」が原因です。女性は約1ヶ月間の生理周期のなかで、卵胞ホルモンの「エストロゲン」と黄体ホルモンの「プロゲステロン」の分泌量が大きく変化します。
排卵後〜生理中の約2週間は「高温期」と呼ばれ、プロゲステロンの分泌量が急激に増えます。プロゲステロンは体温を上昇させる作用があるため、普段より眠気が強くなるというわけです。
体温が高い状態が続くことで「日中に頭がボーっとする」「熱っぽくて体がだるい」と感じることもあります。
仕事や勉強ができない…生理中に眠い時の4つの対策法
生理中に眠い・だるいと感じるのは女性ホルモンの影響によるものなので仕方ないとはいえ、仕事や勉強ができずに困っている女性も多いのではないでしょうか。ここでは、生理中に眠い時の対策法を4つ紹介します。
大豆製品や鉄分を摂る納豆や豆腐、味噌などの大豆製品に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをするため、生理中でプロゲステロン過多になっている状態を改善してくれます。
また、出血量が多い生理中は貧血になりやすいため、意識して鉄分を摂取するのも効果的です。貧血になると脳への酸素供給量が低下し、日中に眠気を感じることがあります。赤血球を作る鉄分を摂取するのはもちろん、鉄分の吸収を助けるビタミンCや血球成分を構成するタンパク質もバランスよく摂取しましょう。
軽くストレッチをして体を動かす軽いストレッチは眠気を覚ますのに有効です。筋肉を動かすと交感神経が優位になって眠気が取れるだけでなく、脳の血行もよくなり頭がスッキリするでしょう。
【眠気覚ましストレッチ】
1.肩幅に足を開き、両足の爪先が平行になるように立つ。このとき、親指の付け根と小指の付け根、踵の3点に重心を置く。
2.あごを引き、背中を真っ直ぐに伸ばす。
3.両手を前にまっすぐ伸ばし、手の甲を自分に向ける形で両手を組む。
4.肘を伸ばし、そのまま両手をゆっくり頭上に持っていく。顔も一緒に上に向ける。
5.床と垂直になるまで手を上げたら顔を戻す。
6.踵を床につけたまま両手と両足で全身を上下に伸ばして5秒ほどキープ。その後ゆっくり手を下ろす。
生理中に意識が飛ぶほど眠いと感じたら、適度な仮眠をとりましょう。寝すぎると起きたあとも眠気が続いて逆効果になってしまうため、時間は15分前後が理想的です。仕事の休憩時間や授業の合間の休み時間などを利用し、ほんの10〜15分仮眠をとるだけでスッキリします。
眠気覚ましのコーヒーは控えめに生理中の眠気覚ましにコーヒーを飲む人も多いかもしれません。しかしコーヒーに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があるため、過剰摂取すると体を冷やして生理痛が悪化することがあります。
コーヒーのほかに紅茶や緑茶、エナジードリンクにもカフェインが含まれるため、生理中はできるだけ控えましょう。
生理中の眠気を予防する4つの方法
生理中に眠いときは寝た方がいいものの、仕事や勉強が忙しく仮眠を取れない人もいると思います。そんなときは、以下の4つの方法で生理中の眠気をあらかじめ予防しておきましょう。
睡眠の質を上げる普段から7〜9時間の睡眠時間を確保するのはもちろん、睡眠の質を上げることも眠気予防に効果的です。
【睡眠の質を向上させる方法】
◆日中に適度な運動をする◆アルコールを飲み過ぎない
◆就寝2〜3時間前までに夕食をすませる
◆寝る前はスマホやパソコンの画面を見ない
◆寝る1〜2時間前に38度〜40度のお湯に浸かる
ぐっすり眠れるよう睡眠環境を整えることで睡眠の質が上がり、日中に眠気を感じにくくなります。
鉄分を摂取して貧血を改善する貧血になると血中酸素が不足して眠気を誘ってしまうため、日頃から鉄分をしっかり摂取して貧血を改善・予防しましょう。鉄分を多く含む食品は煮干しや豚レバー、しじみ、牛レバー、小松菜、枝豆、水菜、ほうれんそうなどが挙げられます。
また、ブロッコリーやピーマン、イチゴ、キウイなどに多く含まれるビタミンCを一緒に摂取すると鉄分の吸収率が上がります。
生活リズムを整える生理中の眠気を予防するには、毎日規則正しい生活を送ることも大切です。
◆就寝/起床時間を固定する◆決まった時間に朝食・昼食・夕食をとる
◆起床直後に太陽の光を浴びて体内時計を整える
生活リズムを整えると、体のリズムが整って強い眠気を感じにくくなるだけでなく、精神的にも安定します。
ストレスを溜めすぎないストレスが溜まると副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」の分泌が促されますが、コルチゾールが増えると自律神経が乱れて覚醒状態が続きます。
その結果睡眠が浅くなって疲労が溜まり、生理中に眠いと感じやすくなります。そのため、日頃からできるだけストレスを発散させ、蓄積させないことが大切です。
日常生活に支障をきたすほど眠い場合は婦人科の受診を
ホルモンバランスの影響で眠気を感じやすい生理中は決して無理をせず、自分に合う対処法で乗り切りましょう。
ただ、上記で紹介した対策法や予防法を試しても「生理中は日常生活に支障をきたすほど眠い」「異常なほど体がだるい」と感じている場合は一度婦人科に相談してみることをおすすめします。婦人科で治療を受けるときは、普段の睡眠時間や睡眠の質、眠気を感じる時間帯などを医師に説明しましょう。