すねの外側にある「前脛骨筋」という太い筋肉が張ると、ズキズキとした痛みが生じます。すねに痛みが生じる原因はいくつかありますが、放置すると疲労骨折したり再発したりすることがあるため、適切な対処が必要です。
そこで本記事ではすねの外側が痛くなる原因や対処法、痛みを予防する方法を解説します。すねの痛みが気になる方はぜひ参考にしてください。
すねの外側が痛くなる原因
すねの外側が痛くなるおもな原因を解説します。
ウォーキング・ランニングすねの外側が痛くなる原因として多いのが、ウォーキングやランニングによって前脛骨筋(ぜんけいこつきん)に負担がかかることです。とくに以下のような特徴がある方は足が着地したときの衝撃吸収がうまくいかず、すねの外側が痛くなりやすいです。
・扁平足(足の裏が平ら)・足首・前脛骨筋が硬い
・前脛骨筋を包む筋膜が硬い
・ハイアーチ(足の甲が極端に高い)
すねの外側に痛みがあるとき、「冷やす」などの一時的な対策でウォーキングやランニングを続けると悪化しやすいため、根本的な対策をとることが大切です。
運動不足慢性的な運動不足によって足首の筋肉が硬くなると、小さな衝撃でもすねに痛みが出やすくなります。この症状は「シンスプリント」と呼ばれ、歩いたりつま先をあげたりするとすねが痛くなります。
シンスプリントの症状・すねの内側・外側・前面がズキズキと痛む
・腫れや熱感を伴う
・足を着地する瞬間に痛む
・患部を押すと痛みが強くなる
・安静にすると痛みがとれ、運動を始めるとまた痛む
症状が進行すると安静にしていても痛みを感じて歩けなくなってしまうため、症状が軽いうちに対処することが重要です。
腰部脊柱管狭窄症腰椎には下肢に分布する神経が通っています。この神経の通り道が狭くなるのが腰部脊柱管狭窄症で、下肢の様々な場所に痛みが生じます。脛の外側はもっとも頻度の多い場所の1つです。患部を押してもいたくない場合はこの疾患の可能性がありますので整形外科を受診しましょう。
ハイヒールハイヒールを履くとつま先に体重がかかって前脛骨筋が伸びた状態のままになります。すると前脛骨筋がうまく機能せずに硬くなり、すねの外側が痛くなります。歩きにくいハイヒールの着用はできるだけ避け、自分の足に合う靴を選ぶことが大切です。
歩き方歩くときの重心移動がスムーズにできずにバランスが外側に傾くと、すねの外側の負担が大きくなって痛みが生じてしまいます。とくに、靴底が外側からすり減っている場合は外側重心になっている可能性が高いでしょう。
すねの外側が痛いときの対処法
すねの外側が痛い場合は、まずは安静にして運動を控えましょう。以下では、すねの痛みを和らげる方法を紹介します。
ストレッチをする運動後や入浴後に簡単なストレッチを行うと、すねの外側の痛みが和らぐことがあります。ストレッチは無理をせず、痛くない範囲で行いましょう。
座りながらストレッチ1.ベッドの上、もしくは床にヨガマットなどを敷いて正座する
2.両手をうしろについて上半身を後方に傾ける
3.片方のすねを持ち上げ、外側の筋肉を30秒間のばす
4.反対の足も同様に行う
段差を使ったストレッチ
1.かかとを床につけ、10cm程度の段差に片足のつま先を乗せる
2.膝を伸ばしたまま、すねの外側をのばすように重心を少し前に移動させる
3.そのまま30秒キープする
4.反対の足も同様に行う
テーピングをする
すねの外側が痛いときは応急措置としてテーピングで患部を固定し、安静に保つのも有効です。テーピングによって動きを制限したり圧迫したりすることで一時的に痛みが和らぐことがあります。ただ、テープの粘着部分でかぶれることがあるため、皮膚に異変を感じた場合はすぐにはずしてください。
インソール・シューズを替えるすねの外側が痛いときは、インソールやシューズが足に合っていないことがあります。とくにサイズが大きい場合は靴の中で足が動いて筋肉が緊張し、すねの痛みが発生しやすくなります。したがって、靴は「自分の足の幅や長さに合うもの」「クッション性のあるもの」を選ぶことが大切です。また、指先側の靴ひもが緩いとすねの筋肉を駆使してしまうため、足の甲から指先側までしっかり締めましょう。偏平足や回内足の方はインソールを使用し、体の負荷が一部に偏らないようにしてください。
すねの痛みを予防する方法
すねの痛みを予防する方法を3つ紹介します。
姿勢・歩き方を改善する姿勢や歩き方が悪いと、すねの筋肉に負担がかかって痛くなってしまいます。日頃から猫背にならないように注意し、歩き方を見直してすねの痛みを予防しましょう。
正しい歩き方1.膝を伸ばし、かかとから着地する
2.土踏まずの外側から小指の付け根に重心を移動させる
3.親指の付け根に重心を移動し、つま先で地面を蹴る
肥満気味の場合は減量する
体重が重いとすねに大きな負担がかかってしまうため、肥満気味の方は減量することをおすすめします。極端な食事制限や激しい運動をすると体に負担がかかるだけでなくリバウンドもしやすいため、決して無理をせず少しずつダイエットしましょう。
前脛骨筋を柔らかくするストレッチをするストレッチによってすねの筋肉を柔らかくすると血流がよくなり、痛みが出にくくなります。
前脛骨筋を柔らかくするストレッチ1.正座をして片方の足を両手で抱える
2.膝を胸に引き寄せ、上半身を後ろに倒す
3.そのまま20秒キープし、ゆっくり戻す
4.反対側の足も同様に行う
痛みが続く場合は整形外科の受診を
すねの外側の痛みが軽度の場合は、安静にしたり冷やしたりすることでよくなることもあります。しかし、痛みが続いているのに放置すると症状が悪化し、何もしていないのに痛むようになることもあるため注意が必要です。
などの症状がある場合は、放置せずに整形外科を受診しましょう。