軽い水ぼうそう(水疱瘡)なら気づかないことも多い?水ぼうそうの症状や気づかない原因を紹介

水ぼうそう(水疱瘡)症状には個人によって強弱があり、症状が軽い場合には、保護者が気が付かない場合もあります。しかし、水ぼうそうは感染力が高く、たとえ軽症であっても保育園などへの登園は禁止されているので、医師の判断なく症状が軽いからと勝手な行動をしてはいけません。そこで今回は、水ぼうそうの症状や気づかない原因を紹介し、もしも水ぼうそうにかかった時の対処について解説します。 

水ぼうそうの症状とは?

水ぼうそうの症状としてよく現れるのは次の3点です。
・発熱・頭痛・倦怠感
・水疱疹(水ぶくれのような発疹)
・鼻水や咳などの風邪症状

子どもの場合、初期症状は発熱と発疹であることがほとんどですが、大人の場合は発疹の前から全身の倦怠感や発熱が出てくることもあります。それぞれの症状について詳しく見てみましょう。

発熱・頭痛・倦怠感

水ぼうそうの症状として発熱・頭痛・倦怠感が挙げられますが、とくに大人の方で症状が顕著に現れます。個人差はありますが、発熱は3日〜4日程続き、場合によっては40度の高熱を伴うこともあるため注意が必要です。

頭痛や倦怠感は発熱に伴って発生し、熱が上がると頭痛や倦怠感も強くなり、熱が下がると軽くなります。ただし、頭痛や発熱が長く続く場合はまれに髄膜炎や脳炎などの合併症を起こしている可能性もあるので、早めに病院を受診するようにしてください。

水疱疹

水疱疹は水ぼうそうの症状として大人や子どもにも見られます。個人差はありますが、小さい赤い水を持ったような発疹が場合によっては数百個出現します。

多くの場合、水疱疹の出現が水ぼうそうの最初の症状となります。重症の場合は水疱疹の数も多いためすぐ気づかれますが、軽症の場合は発疹の数も少なく、また、小さいため典型的な水ぶくれにならないこともあります。保護者が虫刺されと思っていたら軽症の水ぼうそうだった、などということも起りえます。

水ぼうそうの発疹は皮膚だけでなく、鼻やのどの粘膜、目の結膜と角膜、膣粘膜などにも出現することがあります。

典型的な水ぼうそうの発疹は、まず赤い発疹が見られ、数時間以内に透明な液体を中に含んだ直径1-4mmの水疱となります。透明な液体の中には、水ぼうそうの病原体のウイルスが含まれています。きょうだい間でのバスタオルの共用は避けましょう。また痒いからと掻きむしってしまうと、治癒した後も痕が残る可能性があるので注意してください。

お子さんが水疱疹やかさぶたをひっかいてしまわないように、小児科では外用薬が処方されます。ちくちくしないゆったりした衣類を着て過ごすのもおすすめです。お風呂で温まると痒みが強くなる場合がありますので、入浴はシャワー程度にしておきましょう。

水疱が数日以内に自然に破れ、乾燥してかさぶたができます。ほぼ1週間ですべての水疱がかさぶたになれば、感染力は消失します。登園や登校には医師の許可(治癒証明書)が必要です。

すべてのかさぶたがはがれおちるのには数週間かかりますが、痕になる可能性もあるので、なるべくかさぶたはめくらないようにしてください。

すべての瘡蓋が剥がれ落ちるまで3週間は見てください。

風邪症状

多くの場合、水ぼうそうには軽い風邪症状を伴います。多くは軽症のまま治癒しますが、水ぼうそう肺炎といって、発疹出現後1週間以内に発熱・咳・多呼吸・呼吸困難などが急速に進行する場合があります。ご自宅でしっかりと注意して観察してください。

軽い水ぼうそうは気づかないことが多い?

水ぼうそうが軽症の場合、発疹の数も少なく、発熱も出ないことがあります。そのような場合には気づかない場合も少なくありません。虫刺されと思っていたが、少しずつ数が増えてきた、発疹に痒みがあるなど、水ぼうそうかどうか、はっきりしない場合は、発熱がなくても念のため病院を受診してください。

軽い水ぼうそうに気づかない理由

軽い水ぼうそうに気づかない理由として、以下の3つが考えられます。

・予防接種で症状が抑えられている
・熱が出ないことがある
・虫刺されと勘違いする

それぞれ詳しく見てみましょう。

予防接種で症状が抑えられている

水ぼうそうは2014年10月1日から定期接種対象疾患(A類疾病)となり、生後12—36か月に至るまでの児を対象に2回の定期接種が開始されました。

お子さんが予防接種を受けていると水ぼうそうに対する免疫を持っているため、症状が出ないケースや軽く済む場合があります。定期接種化される前に生まれたお子さんの中には、水ぼうそうの予防接種を済ませていない方がいます。

水ぼうそうに対する免疫を持っていない場合、お子さんが大きくなっていても水ぼうそうにかかる可能性があります。水ぼうそうは大人になるほど重症化しやすいため、母子手帳を確認し、水ぼうそうの予防接種を受けていない場合は、ぜひ受けるようにしてください。

予防接種後はウイルスに感染しても発症を抑制することができるため、発症しても軽い症状のみで重い副作用はほとんどないとされています。

ただし予防接種をしたからといって、絶対にかからないわけではないため慢心は危険です。

熱が出ないことが多い

水ぼうそうに罹っても必ずしも発熱するとは限らず、高熱が出ないので気づかない場合もあります。とくに子どもの場合は発熱しない水ぼうそうの可能性もあるため注意が必要です。

熱がなくても発疹や水疱が出てきた場合は、水ぼうそうを疑う必要があります。予防接種を受けておらず、身の回りで水ぼうそうにかかった人がいるとき、発疹や水疱が出てきたときは水ぼうそうの可能性を疑ってください。

虫刺されと勘違いする

水ぼうそうがごく軽症の場合は、発熱もなく、発疹も小さく、また発疹の数も10個以下と、非常に少なくなることがあります。赤く虫に刺されたような発疹が1つ2つ出てくるため単なる虫刺されと勘違いする場合があります。

また発疹は痒みを伴うため、余計に虫刺されと思ってしまうかもしれません。お子さんが水ぼうそうの予防接種を済ませている場合にも軽症となるため、虫刺されと勘違いする場合があります。虫刺されのように見えても徐々に数が増えてくる場合は、念のため病院を受診するようにしてください。

軽い水ぼうそうならうつらない?

軽い症状だからといっても水ぼうそうに変わりはなく、人にうつす可能性があります。そのため子どもの登園や登校をさせてはいけません。ごく軽症であっても水ぼうそうは感染の恐れがないと認められるまで出席停止とされています。

大人でも水ぼうそうになる?

水ぼうそうは子どもだけでなく大人でもかかる可能性があります。とくに大人になるまで一度も水ぼうそうに感染していない場合、大人になってから感染するリスクがあるので注意が必要です。

また、昨今は水ぼうそうの予防接種率が高くなっているため子ども時代に自然感染する機会が非常に減ってしまいました。その結果、免疫を持たないまま大人になった人が感染・発症・重症化するという事例も見られています。

大人になって水ぼうそう瘡に罹ると、重症化して脳症や肺炎を発症する可能性が高くなると言われています。特に水痘(水ぼうそう)肺炎は、喫煙者で重症化することが知られています。予防接種はこれらの重症化のリスクを下げることができますので、大人の方でも水ぼうそうにかかった記録のない方は予防接種をされることをおすすめします。

大人の方が水ぼうそうにかかり、高熱が続く、頭痛や吐き気を伴う、呼吸が苦しいといった症状がある場合は早急に病院を受診してください。

水ぼうそうに気づかないで登園してしまった場合は?

もしも水ぼうそうに気づかず登園してしまった場合は、以下2点を行ってください。

・病院に行って水ぼうそうの検査を受ける
・保育園に水ぼうそうの感染を報告する

気づいたら水ぼうそうだったというケースですが、保育園に通う他の園児たちに迷惑を掛けないためにもしっかり報告をしなければなりません。水ぼうそうは感染症法の5類感染症として指定されており、小児科定点からの届出対象疾病になっていますので、園や病院に報告をしてください。

ここでは、水ぼうそうに気づかず登園させてしまった場合について詳しく見てみましょう。

病院に行って診察を受ける

子どもの感染を確認し、もし水ぼうそうだった場合は病院を受診し、医師の診断を受けましょう。水疱疹をひっかかないようにするための外用薬、また重症度によっては水ぼうそうを軽く終わらせるための内服薬が処方される場合もあります。

水ぼうそうに罹ると目安としては1週間から10日間は登園禁止です。それでも登園させてしまった場合は保育園の対応のためにも医師の診断が必要です。

水ぼうそうは非常に感染力が強いため、1人感染したら多くの人にうつす可能性があります。保育園が状況を把握するためにも、病院(できれば小児科)を受診し、医師の診断、指示を仰ぐようにしてください。

保育園に水ぼうそうの感染を報告

医師の診断によって水ぼうそうが判明した場合、保育園に連絡し水ぼうそうにかかったことを必ず報告してください。登園(接触)した日が明らかな場合、感染の恐れのあるお子さんに対し水ぼうそうの予防接種(水痘ワクチン)、または水ぼうそうの予防内服を行うことで、水ぼうそうの発症を予防したり、重症化を防ぐことができる場合もあります。(保険適応外の場合があります。詳しくは医師にお問い合わせください。)

水ぼうそうから回復したらすぐに登園しても大丈夫?

水ぼうそうの症状が治まったとしても、登園に際しては医師からの登園許可をもらうようにしてください。法律上、水ぼうそうは医師からの登園許可がないと登園できません。

水ぼうそうの期間は、個人差はありますが、1つの判断基準として水疱がすべてかさぶたになったら、医師の判断を仰ぐといいでしょう。

発症予定日(きょうだいの発症から7〜10日前後)が近くなったら、登園を控えたほうが望ましいです。そして水疱疹や発熱などの症状が出てこないか、毎日確認をするようにしてください。

水ぼうそうにかかっても病院に行かなくても大丈夫?

症状が軽くても水ぼうそうの疑いがある場合は、必ず病院を受診しましょう。痒みが発生するとどうしても子どもは掻いてしまいますので、跡を残さないためにも病院で薬をもらうようにしてください。

もしも症状が悪くなってしまったら完治に時間を要するだけでなく、合併症などの危険もあります。毎年10人以上の方が、合併症などを起こし水ぼうそうで亡くなっています。合併症を起こさないようにするためにも必ず病院を受診するようにしましょう。

まとめ

水ぼうそうの症状や気づかない原因について解説しました。症状は個人差があるので、場合によっては軽くて水ぼうそうではないとこともあります。しかし、保護者が勝手に判断することは非常に危険です。もしも感染が疑われた場合には、病院を受診してください。症状が治まった後は、医師から許可をもらってから登園を開始しましょう。