突然足などに激しい痛みが起こる痛風ですが、痛風発作の前には多くのケースで前兆が起こります。足の付け根のムズムズ感などの前兆がある場合は、早めに内科を受診することで痛風発作を予防できます。

今回は痛風の前兆や対策、今からできる痛風の予防法について解説しますのでぜひ参考にしてください。

痛風は誰にでも起こりうる生活習慣病

「風邪があたっただけで痛い」といわれるほど激痛が走る痛風は、中高年の男性だけでなく誰にでもおこりうる生活習慣病です。

痛風とは、血液中の老廃物のひとつである尿酸が結晶化することで関節炎などを起こす疾患のことをいいます。尿酸値が7mg/dlを超える状態(高尿酸血症)が長く続くと、血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶となります。

そして尿酸塩結晶が関節の中で剥がれ落ちると、白血球が異物として認識して排除しようとします。その結果炎症が起き、激しい痛みが生じるのです。

痛風の炎症は急激に発症するため「痛風発作」と言われますが、50〜70%が足の親指の付け根の関節で生じます。また足首やくるぶし、ひざなどで関節炎が起こることもあります。

痛風発作が発症するまでの期間

痛風は尿酸値が高くなるとすぐに発症するわけではありません。尿酸値が7mg/dlを超えた状態を高尿酸血症といい、高尿酸血症の期間が長く、尿酸値が9mg/dlである状態が続く場合、痛風発作がおきる可能性はかなり高い状態といえます。

痛風発作は午前0〜8時の時間帯に多く、激痛で目が覚めると床に足をつくこともできない状態というケースがよくみられます。その後痛みは半日程度でピークに達し、7〜14日間で自然軽快します。

なお、尿酸値が下がっても結晶が溶けるまでには時間がかかるため、定期的に検査を受ける必要があります。

痛風の前兆症状

関節に激痛が走る痛風発作が起こる前には、多くの場合で前兆症状がみられます。痛風の前兆症状としては以下のような例が挙げられます。

血液の尿酸値が高い状態が続く

尿酸値が7mg/dlを超える状態(高尿酸血症)が続くと、痛風を発症しやすくなります。高尿酸血症になると必ずしも痛風になるわけではありませんが、健康診断で尿酸値が高ければ主治医に相談しましょう。

手足の関節のムズムズとした違和感

痛風の前兆として多くみられるのが、手や足の親指の付け根がうずいたりムズムズするような違和感です。

足のしびれ・ピリピリ感

ムズムズ感のほかに、足のしびれやピリピリ感を感じることもあります。そのまま放置すると痛風発作が起き、激しい痛みが生じます。

痛風の前兆が起きたときの対策

ここでは痛風の前兆が起きたときの対策や、すぐに病院に行けないときに有効な市販薬について解説します。

まずは内科を受診

痛風の前兆を感じた場合はできるだけ速やかに内科を受診し、血液検査や尿検査を受けてください。前兆期に治療を開始できなかった場合、痛みが生じて24時間以内にピークに達します。

痛風発作はコルヒチンなどの薬で抑えられる

痛風発作が起こる前にムズムズ感などの前兆が生じている場合、内科で処方されるコルヒチンを内服すれば痛風発作を予防できるかもしれません。

なお、コルヒチンを1〜2回服用しても効果が現れない場合は、痛風発作と同じ治療に移ります。

痛みがある部分を水や氷で冷やす

すでに痛みが生じている場合は、患部を心臓より高くして水や氷で冷やし、安静にしてください。このとき、患部を温めたり揉んだりすると痛みが悪化することがあるので注意してください。

すぐに病院に行けないときは市販の薬も使える

痛風の前兆があってもすぐに病院に行けないときは、予防にはなりませんが痛風発作で使用する薬として市販の鎮痛剤も使用できます。

服用できる薬:イブプロフェン・ロキソプロフェン・ナプロキセンが配合された薬 (イブA・ロキソニンSなど)

服用できない薬:アセチルサリチル酸(アスピリン)が配合された薬 (バファリンなど)

ただし、病気を治療している、ほかに服用している薬がある場合は市販薬を服用する前に主治医に相談してください。

痛風の治療方法

痛風の治療は、炎症や痛みを抑えることを目的とした非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)を服用し、関節炎が軽快したら投与を中止します。通常はNSAIDsの服用から1〜2週間程度で緩和につながります。

なお、痛風発作が起こっている際に尿酸を下げると痛みが悪化してしまうため、発作中は新たに尿酸降下薬を使用しません。

痛風は再発するのか

痛風発作が緩和されて痛みがなくなっても、原因となった尿酸塩結晶を放置すれば関節炎が再発します。そのため、痛風発作が治まった後も尿酸降下薬を服用しながら、関節に沈着している尿酸塩結晶を少しずつ溶か素必要があります。

痛風の治療は長期に渡りますが、生活習慣を改善しながら最低5年は尿酸値6.0mg/dl以下の状態を保つことが重要です。

痛風の予防方法

食生活と大きな関わりがある痛風は、生活習慣を改善することで予防できます。ここでは痛風の予防方法を具体的に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

摂取カロリーを抑えて肥満を解消する

肥満は高尿酸血症、痛風発作のリスクになります。肥満を解消するだけで尿酸値は下がるので、食べすぎや飲みすぎに気を付けて摂取カロリーを抑えましょう。食事の量を少なくするだけでなく、高カロリー・高脂肪食を食べすぎないことも大切です。

プリン体やアルコールの摂取を控える

プリン体は細胞の核酸を構成する重要な成分ではありますが、代謝時に尿酸を作ります。そのため、プリン体を摂りすぎると血中の尿酸が増えて高尿酸血症を引き起こしてしまいます。

【プリン体を多く含む食品】あん肝・牛・豚・鶏レバー・イワシやアジなどの干物白子アンコウの肝牛肉・豚肉ビール・ワイン・紹興酒

また、アルコールの飲み過ぎはエネルギーの過剰摂取で肥満につながるだけでなく、肝臓での尿酸産生を増加させます。以上のことから、痛風予防にはプリン体やアルコールの摂取を控えることが有効です。

ストレスを発散させる

ストレスも尿酸値が上昇する原因となります。仕事や人間関係など何かとストレスを感じることが多い現代社会において、適度に気分転換してストレスをため込まないようにしましょう。

通風予防には生活習慣の改善と定期的な健康診断が必須

生活習慣病である痛風は、食生活の見直しや適度な運動によって予防できます。また、定期的に健康診断を受けて尿酸値が上がっていないかチェックすることも大切です。健康診断で尿酸値が高いことを指摘されたら、早めに主治医に相談して予防策を講じましょう。