偽痛風は、なぜ長引く?繰り返す痛みに治療・予防方法はあるのか?
関節のツラい痛み。これがいつまで続くのかと思うと気持ちも沈みがちになります。本来は2週間ほどで痛みや炎症が改善する偽痛風です。しかし、再発を繰り返して症状が長期化するケースもあります。この記事では、偽痛風の原因や治療方法、偽痛風を予防する知識について解説します。今一度、偽痛風の知識を深めて痛みのない生活を取り戻しましょう。
偽痛風とは?
ピロリン酸カルシウムが結晶化し、関節の内部に溜まることで起こる炎症のことです。痛風に似た症状が起こることから「偽痛風」と名付けられています。また、ピロリン酸カルシウムが軟骨に沈着し、石灰化することから軟骨石灰化症やピロリン酸カルシウム結晶沈着症とも呼ばれます。
偽痛風の症状と診断偽痛風は、前触れもなく突発的な痛みが関節や関節周辺を襲います。患部の腫れ、赤み、熱感が見られるのが特徴です。
【偽痛風】
原因 :ピロリン酸カルシウム
部位 :膝関節
年齢・性別:60歳以上の男女
【痛風】
原因 :尿酸
部位 :足の親指の付け根
年齢・性別:30〜50歳の男性
偽痛風と痛風には、このような違いがあるため症状を見分ける参考にしてみてください。いずれにせよ、痛みを放置することはせず医療機関を受診して、適切な処置・治療を受けるようにしましょう。
偽痛風の治療について
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の服用
非ステロイド系抗炎症薬は、我慢できない関節の痛みや炎症を抑えるために服用します。効果は数十分程度で現れるため速やかに症状を止めるために用いられます。その後、患部を安静にして冷却。時間の経過とともに回復を待ちます。
関節液の排出とコルチコステロイドの注射内服薬だけでは偽痛風の症状が改善しないときは過剰な関節液を排出して、コルチコステロイド懸濁液を注射する方法が用いられます。コルチコステロイドは、非常に強い抗炎症作用を持っているため速やかに炎症と痛みを軽減します。
発作の予防のためにコルヒチンの服用体内に侵入した異物を攻撃する白血球は、関節内のピロリン酸カルシウムを異物と認識して攻撃するため患部に炎症が起こります。コルヒチンは、白血球が関節内に集まるのを阻害し、偽痛風の発症を抑えます。
まとめ
「ピロリン酸カルシウム」が関節内に沈着して、炎症を起こす偽痛風は、前触れもなく痛みが起こるため不安になるかもしれませんが、薬の服用によって痛みや炎症は抑えることができます。また、適切な処置をすれば数日から1週間ほどで快復します。違和感や痛みを感じたときには放置することはせず、医療機関を受診して、適切な処置・治療を受けるようにしましょう。