外国人客が日本を訪れるタイミングとして、夏休みなどと並んで近年注目されているのが、間もなく訪れる4月前後のお花見シーズンだ。インバウンドで大きなパイを占める中国人客の間でも、専用のツアーが組まれているほどの人気を誇っている。

●SNS上で「お花見でのマナー」気にする中国人

 中国人の消費動向を分析しているトレンドExpress(東京都千代田区)は、2018年に投稿された中国人向けSNSや個人ブログなどでの、「日本のお花見」に関する書き込みを分析した。特に「お花見時期の訪日で気にしていること」について調べたところ、多くが「(自分たちの)マナー」とつぶやかれている傾向があることが判明。メディアなどから中国人客に批判があったことを受けてか、日本でお花見中の自分たちのマナーを気にしている姿が浮き彫りになった。

 同社は18年中に中国人向けSNS「Weibo」や、「WeChat」のパブリックアカウント、掲示板などに投稿された、日本のお花見に関する書き込みを3万件規模で収集。その中から各テーマに該当する項目に関連した口コミを抽出・分析した。

 日本のお花見に関する口コミ件数は17年の倍以上に増加しており、中国人訪日客の“お花見熱”の高まりを示した。同社の担当者は「桜は日本のイメージが強く、『インスタ映え』のように中国人の間でもSNS映えすると思われている。お寺などと一緒に撮ることで『日本っぽさ』をより楽しんでいるようだ」とみる。

●メディア報道でマナー気にするように?

 さらに、「お花見時期の訪日で気にしていること」について触れた18年の投稿約1000件を分析したところ、「(自分たちの)マナー」という項目が45.2%を占めて1位となった。前年と比べて倍以上の比率になった。

 トレンドExpressの担当者によると近年、日本のメディアが「枝を折る」「大声を出す」といったお花見での中国人客のマナー違反を報道。それを受けた中国メディアや中国大使館などが注意を呼び掛けていたことから、マナーを気にする中国人が増えたとみられる。

 また、「お花見シーズンに行きたい日本のスポット」に関する口コミ分析では、1位の「京都」や2位の「清水寺」など、京都関係の地名や観光地が上位に並んだ。古い寺や町並みと桜との取り合わせが、中国人客の求める「日本旅行らしいイメージ」を強くかきたてているとみられる。

 「お花見シーズンの訪日観光の予算」についても口コミから分析したところ、17年には22.2%しか占めていなかった「5001元〜7000元(約8万円〜約11万円)」が、18年には46.9%と急浮上してトップになった。同社の担当者は「リピーターの中国人訪日客が増え、団体ツアーから個人旅行にシフトすることで旅行予算が上がっているのでは」と分析する。