すべての製品やサービスにはプライシング(値決め)が行われるが、これまで国内では属人的に行われることが多かった。この値決めに、ITやAI(人工知能)、ビッグデータなどを利用し、最適な価格を決めるのがプライステックだ。

 ネットプロテクションズ(東京都千代田区)と空(東京都千代田区)は8月29日、プライステック業界のカオスマップを作成し発表した。

 「航空券やスポーツチケットでは自動で価格が決まり変動するのが普通。ほかの製品やサービスでも、何が最適な価格なのかという点に伸びしろがある。今日の売り上げを最大化するのか、長期でリピーターを増やすのか。次のテクノロジーとして期待が集まっている」(空の松村大貴CEO)

 例えば、利益率20%の製品だと、価格を1%アップできれば利益は5%向上する。また、価格を5%引き下げることで、顧客数が10%伸びれば、総売上は5%上昇する。こうした価格の調節を、テクノロジーを活用して行う。

 カオスマップでは、プライステックを大きく3つのカテゴリーに分類した。

 1つは、需給や競合価格をもとに、動的に価格を最適化する「ダイナミックプライシング」だ。航空券などではすでに一般的で、空もホテル向けにダイナミックプライシングを実現するMagicPriceというサービスを提供している。

 2つ目は、定価がなく、購入前に価格を決定する「プレプライシング」。ヤフオクなどのオークション形式が代表的だが、購入時に配送手数料を自由決定できるZOZOの仕組みなど、いくつかのバリエーションがある。

 3つ目は、製品購入やサービスの利用後にユーザーが価格を決定する「ポストプライシング」だ。3つのジャンルの中で最も新しく、本日発表されたネットプロテクションズの「あと値決め」などがあたる。

 プライステックは、取引のIT化やAIの発展などで実現可能になってきており、また利益や成約率への影響が大きいために市場規模が大きい。ネットプロテクションズのあと値決め主担当の専光建志氏は、「広告や決済市場に匹敵するポテンシャルが予想される」と話す。

 空の村松氏は、「すべての売買には価格が付いており、適用範囲が広い。人口も需要も伸びない時代に、今あるアセットの中でどう利益を増やすかが重要。経営戦略も、価格をコントロールして利益成長するように変わってきている」としている。