KDDIは7月9日、タクシーによる相乗り通勤の実証実験を、自社社員を対象に東京都内で始めると発表した。通退勤時、満員電車など混雑した公共交通機関の中で「3密」状態になることを回避する。新型コロナウイルス対策が日常化しつつある「アフターコロナ」を見据え、新たな通勤スタイルを模索する。

●配車アプリで相乗りをマッチング

 KDDIなどによると、都内の大企業でコロナ禍を機にこうした相乗り通勤の取り組みを行うケースは珍しいという。

 実証実験の運用には国際自動車と未来シェア(北海道函館市)が参加。7月13日〜8月7日の平日、KDDIの社員延べ約2000人が対象で、都内の一部エリアから飯田橋・新宿・虎ノ門近辺の事務所までの区間の通退勤で実施する。国際自動車がミニバンタクシー約10台を運用する。

 未来シェア側はタクシーの相乗り配車システムを提供する。利用するKDDI社員は、出勤の前日夜までに(退勤の場合は当日昼まで)専用アプリで希望の乗降場所・時刻を指定、配車を予約する。乗降場所には自宅の他、職場近くのコンビニエンスストアといったスポットを指定することも可能。

 予約の締め切り後に配車システムが相乗りの組み合わせをマッチングし、タクシーの運行ルートが確定。社員は予約した乗車場所に向かい、タクシーで相乗りしながら通勤・帰宅することができる。

●感染者出た場合は濃厚接触者の特定も可能に

 タクシーの車内は少人数での利用、ユーザーが密接しづらい座席設定、換気やアルコール消毒などで新型コロナ対策を取る。加えてユーザーの社員に感染が発覚した場合は、出退勤の移動データを元に濃厚接触者を特定・隔離する処置を取ることも可能になる。

 未来シェアは2月にも石川県で三井住友海上火災保険の社員を対象に同様の実験をスタートするなど、タクシーの相乗り通勤の取り組みを進めている。