液晶ディスプレイ大手のジャパンディスプレイ(JDI)は8月28日、主力の白山工場(石川県白山市)の土地や建物などをシャープに約412億円で譲渡すると発表した。同工場の生産設備は、米Appleとみられる顧客企業に約90億円で売却する。設備の一部は3月にすでに売却を決めており、譲渡額は総額約301億円となる。

 スマートフォン市場の成長停滞や、有機ELディスプレイの採用拡大に伴う、液晶ディスプレイの需要減などで、JDIは厳しい局面を迎えている。2020年3月期(19年4月〜20年3月)通期連結決算は、売上高が5040億円(前年比20.8%減)、営業損益が385億円の赤字(前年は272億円の赤字)、純損失が1014億円の赤字(同1065億円の赤字)だった。

 業績不振が続く中、JDIは20年3月期上期に、国内従業員の3割強に当たる人員を削減し、白山工場の稼働を停止するなどの構造改革を断行。今回、白山工場を売却し、固定費を軽減する他、建設時に顧客企業から受け取っていた「前受け金」の返済にも充てる。

 売却後は、有機ELディスプレイの生産拠点でもある茂原工場(千葉県茂原市)を中心に「高付加価値製品の生産を継続する」という。

 設備の適正化を図る一方、「『設備投資』から『研究開発』会社へ」を掲げ、超高画質ディスプレイやセンサーの開発にも注力。こうした技術はヘルスケア分野にも応用できるとし、ディスプレイに代わる収益源の確立も目指す。