10月から始まった「Go To Eatキャンペーン」への対応に、大手飲食チェーンも苦慮している。ファストフード大手の日本マクドナルドと日本KFCホールディングスに取材したところ、キャンペーンでポイントが付与されるオンライン飲食予約事業への参加は難しいとして、基本的には食事券事業のみで参加することが分かった。

 両社ともフランチャイズ(FC)の店舗が多いことと、食事券事業の事務局が各都道府県に置かれ換金手続きなどが地域によって違うことから、食事券事業も全店では参加できないという。両社の対応を見ていく。

●オンライン飲食予約事業には参加できず

 同キャンペーンは、感染予防対策に取り組みながら営業している飲食店などを支援する制度で、10月1日に始まった。しかし、その仕組みの複雑さなどから、個人経営の飲食店だけでなく、大手チェーンでもキャンペーンへの全面的な参加が難しくなっている。

 特にファストフード業態は、予約システムを用意していない。そのため大手のファストフード各社は、予約・来店した消費者が次回以降に飲食店で使用できるポイントを付与するオンライン飲食予約事業(給付金額616億円)には参加できない。

 ハンバーガーチェーン大手のマクドナルドと、フライドチキンチェーンのKFCに対応状況を聞いた。すると、「予約システムを使っていないので参加は難しい」(日本マクドナルド広報)、「ポイントは仕組みとして難しく、基本的には参加できないと思っています」(日本KFCホールディングス広報)と、両社とも食事券事業のみで対応する方針だ。

●食事券事業も全店では実施できない見通し

 同キャンペーンの食事券事業は、販売額に25%のプレミアムを付けた食事券を販売し、登録した店舗で使えるもので、給付金額は868億円となっている。しかし、両社とも食事券事業に全店では参加できない見通しだ。

 食事券事業は全国の各都道府県別に事務局が置かれ、換金手続きの方法や、事業の開始時期もバラバラになっている。全国に展開する飲食チェーンにとっては手間がかかり、地域の事務局が設定した条件や手続きによっては参加できないケースもあるという。

●統一対応が難しい理由

 なぜ両社は難しい対応を迫られているのか。マクドナルドは全国約2900店舗のうち、FCが約2000店舗と、直営店よりも多い。一方のKFCも1100店舗あまりのうちFCが800店舗超となっていて、全店で統一した対応をとるのは困難なようだ。

 日本マクドナルドの広報は「自治体ごとに条件が異なっているので、全店で同じ対応はできません。店ごとに対応することになります」と話している。

 日本KFCホールディングスの広報は「フランチャイズの店舗に関しては、店舗を運営する企業単位で各地域の事務局に申し込みをすることになります。中には、入店しているショッピングモールの都合で、食事券事業に参加できない店舗もあります。基本的には参加する方針ですが、全国全ての店舗で参加するとは申し上げられない状況です」と説明した。

 ファストフード店に関しては、持ち帰りと店舗独自の宅配では「Go To Eat」の食事券は使えるものの、店舗以外の事業者による宅配では使えないという。食事券事業は今後全国で順次始まるが、仕組みが複雑なうえに、地域によって手続きも異なることから、各社とも状況確認に追われている。(ジャーナリスト 田中圭太郎)

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