近年高まりを見せる「筋トレ」ブーム。「コロナ太り解消」を目指して運動を始めたり、食生活を見直したりする人が増え、2020年もプロテインパウダーなどのタンパク補給食品の市場が好調だ。調査会社の富士経済は10月26日、国内市場の状況をまとめた調査結果を発表した。

 2020年のプロテインパウダーの市場規模は、680億円(前年比17.0%増)まで成長すると見込んでいる。東京オリンピック・パラリンピックの延期や、新型コロナウイルス感染拡大による消費低迷で市場への打撃が懸念されたものの、富士経済は「コロナ太りや、運動不足解消のため自宅でトレーニングをする人が増えたことから需要が高まっている」と分析し、19年以上の伸び率で拡大するとみられるとした。

 スポーツをコンセプトにした「スポーツ用途型」商品は、00年代半ばまで一部のトップアスリートの利用に限られていたが、08年頃からライトユーザーにも広がった。15年以降はタンパク質摂取の重要性が理解されたことや、ローカーボ(低炭水化物食)の普及、体を鍛える人が増えたことなどから好調で、市場は2桁の成長を続けている。

 健康維持や栄養補助を目的とした「栄養補給型」商品は、会員制販売などを中心に展開されている。しかし、スポーツ用途型よりも割高である点や、ネットワーク販売企業の顧客離れによって一時苦戦していたが、近年はプロテインブームの影響で好調だという。

 プロテインパウダーやドリンク、サラダチキンなどを含んだタンパク補給食品の20年の市場は、1727億円(前年比11.8%増)になると見込む。コロナ太り・運動不足解消の目的や、テレビ番組で各種タンパク補給食品が取り上げられたことから需要が増加したとしている。

 ライトユーザーへの広がりを受け、近年各メーカーが「高タンパク」を売りにした商品を続々と発売している。

●ライトユーザー向けの商品続々

 雪印メグミルクは、9月からタンパク質10グラムを含んだ「PROTEIN10 BANANA&MILK」と、「PROTEIN10 CAFE LATTE」(希望小売価格税別165円)を発売。バナナ果汁やエスプレッソエキスを使用し、プロテイン飲料の味に満足していない一般ユーザー向けに展開する。

 また、明治が販売する「ザバス ミルクプロテイン」の19年度の売上高は、前期比2倍以上の134億円となり大幅に伸長した。3月からは新たに、手軽にタンパク質を摂取できる商品群として「明治TANPACT(タンパクト)」シリーズを展開。飲料、ヨーグルト、冷凍食品、アイスなどを取りそろえている。

 富士経済は「新規参入の増加や、引き続き新商品が発売されることから市場のさらなる拡大が予想される」と見込んでいる。

 この調査の対象品目は、「プロテインパウダー」「食事代替ダイエット飲料」「サラダチキン・ちくわ・ソーセージ類」「プロテインドリンク」「パウチプロテインゼリー」「プロテインバー」「経口栄養流動食」。7月〜9月の間、参入企業や関連企業・団体などへのヒアリング、関連文献や社内データベースをもとにまとめた。