東急電鉄は11月10日、新型コロナウイルスの影響で変化した鉄道利用動向に対応するための事業構造変革を実施すると発表した。2021年春に終電時刻を15〜30分程度繰り上げるダイヤ改正を行うほか、運行ダイヤの適正化、ワンマン運転の拡大などを実施。利用者の新しいニーズに合った効率的なサービス提供を目指す。

 新型コロナの感染拡大によって、緊急事態宣言が出されていた4〜5月には前年と比べて最大75%利用者が減少。7月以降は30%前後の減少で推移している。20年4〜9月期の輸送人員は前年同期比38.4%減だった。

 特に、深夜時間帯の利用状況は激変。9月の午前0時台の武蔵小杉駅利用者数は、コロナ前と比べて55%減、溝の口駅では52%減だったという。また近年、ホームドアなどを設置した駅が大幅に増加しており、設備の保守点検のための深夜作業時間や人員の確保も課題となっていた。

 そういった背景から、21年3月のダイヤ改正で、こどもの国線を除く全線で終電時刻を繰り上げる。現在は各線で午前0時半から1時までに終電が発車しているが、それぞれ15〜30分程度早くなる。詳細は12月ごろに発表する。

 終電繰り上げに伴い、現在は約150分である夜間の実作業時間を、約180分確保できることになるという。作業時間を約2割拡大することで、作業の効率化などにつなげる。

 加えて、テクノロジーを活用した鉄道事業の効率化、高度化にも取り組む。現在、目黒線などで導入しているワンマン運転の拡大を検討。ホームドアや信号システムなどの設備を活用し、より高度な運行を目指す。また、保守業務にもセンシングなどのデジタル技術を導入していく。

 一方、成長に向けた取り組みも加速させる。日吉駅〜羽沢横浜国大駅の間に相模鉄道と直通する連絡線を新設する新横浜線事業をはじめとして、ネットワークの拡大に引き続き注力。また、有料座席指定サービスなど新しいサービスの拡充、運賃や乗車券など商品設計の見直しについても検討を進める。

 東急が同日発表した20年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比25.2%減の4340億円、純損益が271億円の赤字(前年同期は322億円の黒字)だった。