新型コロナウイルスによる航空機利用の需要激減の悪影響が続いている。LCCのエアアジア・ジャパン(愛知県常滑市)が11月17日に破産開始手続き開始を申し立てるなど航空業界は大打撃を受けている。加えて経営悪化が如実になっているのが空港ターミナルビルの運営会社だ。東京商工リサーチの調査によると、主要空港ビル会社のうち約半数が、20年3月期決算で減収となった。

●来期は打撃さらに拡大も

 20年初め、コロナ禍序盤で既に入国制限によるインバウンド需要の消滅の影響を受けていた点に加え、国内旅行や出張の減少も響いた。東京商工リサーチは「年間を通して影響を反映する21年3月期は各社とも大幅な赤字計上を避けられない状況。全国的に広がりを見せる空港ビル会社民営化の流れに水を差しかねない」と分析している。

 同社の集計によると、空港ビル会社48社の20年3月期決算は売上高で計約3002億8000万円で、前期比4.4%減となった。減収した企業は25社に上り、増収は22社。インバウンド需要が順調だった前期は37社が増収だったことを考えると、コロナ禍の影響が20年3月期にも既に大きく出ていたと言えそうだ。実際、48空港のうち40空港で乗降客数が前期を下回った。

 売上高の首位は羽田空港を運営する日本空港ビルデングで1742億6900万円。ただ、同社を含め売上高トップ10社のうち7社が前年同期を下回った。

 経常損益に注目すると、判明した45社の合計額(経常利益)は132億9017万円で、前期より半減する結果となった。青森空港ビル、旭川空港ビル、壱岐空港ターミナルビルの3社が経常赤字になっている。

●空港・ビル運営一体型企業も苦境

 空港ビル会社とは別に、民営化の一環で空港とビルを一体で経営している空港運営会社についても集計した。11社(12空港)のうち経常損益が判明したのは9社で、4社が赤字、4社が減益となった。

 コロナ禍による訪日客の消滅などで、航空需要の激減は長期化が避けられないとみられる。