日経HRと日本経済新聞社が12月2日に発表した副業に関する調査結果によると、調査対象者の約6割が副業に「関心がある」と回答し、新型コロナウイルス感染拡大後に副業をしようと考えた人は約3割だった。会社の業績が落ち込んだり、在宅勤務などが広まったりする中で、多様な働き方を模索する人が増えているようだ。

 現在の副業の実施動向について聞くと、「現在副業をしている」と答えたのは11.1%。一方、「副業をしたことはないが、現在探している」は4.7%、「副業をしたことはないが関心はある」は58.9%と、6割以上が副業に関心を寄せていることが分かった。特に、34歳以下の若年層では「現在探している」と「関心はある」が合わせて7割に達した。

 副業経験者の1カ月の副業収入は「1万円〜3万円未満」が19.9%で最多。「5万円〜10万円未満」が16.4%、「3万円〜5万円未満」が13.6%だった。

 副業経験があったり、副業に関心を持っていたりする人に、副業をしようと思った時期を尋ねると、最も多かったのが「2019年以前」で65.4%だった。一方、「2020年1〜3月」は6.8%、「2020年4〜6月」は11.8%、「2020年7月以降」は16.0%。緊急事態宣言が出された4月以降に副業をしようと思った人が約3割を占めた。新型コロナの影響が甚大な旅行業界勤務の人の中では、4月以降に副業に関心を持った人は約6割と高い比率だった。

 副業をする目的については、「収入確保のため」が70.6%と最多。「自分の能力を活かすため」(36.4%)、「スキルアップや成長のため」(35.2%)、「仕事の幅を広げるため」(35.1%)、「新しいことに挑戦するため」(34.7%)、「キャリアアップのため」(31.5%)と続いた。

●「関心があっても副業していない」理由は?

 一方、関心はあっても副業をしたことがない人が多い。副業をしていない理由について尋ねると、「勤め先の副業の規定で認められていないから」が最多の50.1%だった。副業を解禁する企業が増えているが、まだ禁止していたり、制度がなかったりする企業が多いようだ。他の回答では、「副業をする・副業を探す時間がないから」(25.6%)、「副業に関して詳しくないから」(17.3%)、「探し方がわからないから」(13.4%)などがあった。

 転職意向との関連をみると、転職活動をしていたり、転職したいと考えていたりする「転職希望者」では、「現在副業をしている」が12.0%、「探している」が8.6%、「関心がある」が64.9%となり、85.5%が副業に前向きだった。一方、「転職は考えていない」とする人では、「副業をしたことがなく、関心もない」が25.1%を占めた。

 日経HRは「在宅勤務に伴う通勤時間の削減などで生まれた時間を、自身の人材価値を高めるために使いたいと考える人が増えており、『転職に向けた自分磨き』『時間の有効活用』という欲求を満たす手段として副業に目が向いてきたといえる。コロナを機に、新しい働き方全般への関心が高まっており、転職希望者が副業にチャレンジする傾向は今後も続くと考える」と分析している。

 調査は、全国の20〜59歳の日経ID会員で会社員を対象に実施。Webサイト上で回答を得た。回答者数は4279人。