ファーストリテイリングは1月14日、2020年9月〜11月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。それによると、売上高にあたる売上収益は6197億円(前年同期比0.6%減)、営業利益は1130億円(23.3%増)と大幅な増益となった。巣ごもり需要で部屋着などの売れ行きが良く、国内や中華圏のユニクロ事業や、ジーユー事業が好調だったことが影響した。

●国内ユニクロ事業 巣ごもり需要背景に増収、大幅増益

 セグメント別では、国内ユニクロ事業の売上収益は2538億円(8.9%増)。営業利益は600億円(55.8%増)と、大幅な増益となった。

 外出自粛により家で過ごす時間が増え、ルームウェアやヒートテック毛布など、在宅需要にマッチした商品の売れ行きが好調に推移。また、ウルトラストレッチアクティブパンツなどのスポーツユーティリティーウェア、羽織物、スマートアンクルパンツなどの秋冬コア商品の販売も好調だった。

 また、20年11月に発売した、デザイナーのジル・サンダー氏とのコラボ商品「+J」(プラスジェイ)や、ピーナッツとのコラボレーション商品、エアリズムマスクの販売も増収に寄与した。

 +Jの発売当日は、各地の店舗で行列ができ、一部の店舗では混雑状態が続くなどしてSNS上で話題に。オンラインストアにもアクセスが集中し、つながらない状態が続き人気商品は瞬く間に完売となった。

 既存店売上高は前年同期比7.3%増で、客単価は6.8%増。背景として同社は、10月に実施したEコマース20周年キャンペーンや、単価が比較的高い+Jの販売が好調だったことを挙げる。Eコマースの売上高は367億円(48.3%増)と大幅な増収となり、売上構成比は14.5%を占める。

●海外ユニクロ事業 中国・台湾は好調、韓国は減収も黒字化

 海外ユニクロ事業の売上収益は2606億円(7.2%減)、営業利益は414億円(9.5%増)と、減収増益となった。

 中華圏では増収、大幅な増益となった。要因として、中国大陸と台湾で防寒衣料の売り上げが好調だったことを挙げる。一方で、アジア・オセアニア地区、北米、欧州は、新型コロナウイルス感染症の影響が想定よりも大きく大幅な減益となった。Eコマースの売上高は、各国・各エリアで順調に拡大した。

 地域別に見ると、中国大陸は増収、大幅な増益。防寒衣料の販売や、在宅需要にマッチした商品の販売が好調で、既存店売上高は増収だった。一方韓国は、大幅な減収となったものの、在庫水準を適正化し粗利益率を改善。不採算店舗の閉店で経費コントロールを強化し、黒字に転換した。

 アジア・オセアニア地区は、大幅な減収減益。北米は、新型コロナウイルスの影響により一部店舗で臨時休業を行ったことや、外出制限の影響などにより大幅な減収。営業利益は赤字となった。

 欧州では、10月まで回復基調だったものの、11月に、英、仏、ベルギー、イタリアで全店舗が臨時休業となったことで業績が大幅に悪化。減収減益となった。一方、ロシアの業績は好調で、現地通貨ベースで大幅な増収増益となった。ダウン、ニットなどの冬物商品や在宅需要にマッチした商品の販売が好調で既存店売上高は2桁増収した。

●ジーユー事業 テレビCM商品が好調

 ジーユー事業の売上収益は765億円(4.9%増)、営業利益は136億円(9.9%増)と、増収増益になった。

 テレビCMで打ち出したスウェットライクニットや、トレンドのダブルフェイススウェットやシェフパンツ、在宅需要に適したラウンジウェアの販売が好調で、既存店売上高は増収となった。スウェットライクニットは、スエットのような伸縮性のある着心地と、ニットの質感を兼ねそなえた新感覚素材ニット。コーディネートによってあらゆるシーンで着用でき、幅広い世代で楽しめる点などが好評を得た。

 Eコマースの売上高は約4割増収。オンラインで注文した商品を店舗で受け取るなど、店舗とEコマースのサービスを融合した点が好調だったことや、アプリを通じた情報発信を強化したことを理由にあげる。

 同社は通期で、売上収益2兆2000億円(9.5%増)、営業利益2450億円(64%増)と見込む。第1四半期の業績が計画を上回る水準となったことで、上期の業績は、現時点では計画を上回る進捗であったことから、親会社に帰属する当期利益で過去最高となる1650億円(82.6%増)を目指す期初予想も変えなかった。