帝国データバンクは、飲食店向けなど食材卸事業者の業績を調査した。

 その結果、2020年度10月までの決算が明らかになった約5000社のうち、8割超にあたる約4300社が前期比で減収となったことが分かった。売り上げの減少幅は平均で前期比約2割に達していて、飲食店だけでなく卸業者も厳しい経営環境にあることが浮き彫りとなった。

 減収した4300社のうち利益動向が判明した約1400社は、赤字が3割、減益は6割に及び、9割の企業は利益面で何らかの悪影響を受けている。

 業界別に見ると、最も影響が大きかったのは酒類の卸業者で、業態全体のうち9割超が前期比で減収となった。主な取引先だった居酒屋やバーが午後8時以降の外出自粛要請によって時短営業を余儀なくされ、受注が急減したことが業績に反映された。

 次いで、生鮮魚介卸が8割超の減収だった。20年4月〜5月の緊急事態宣言により受注が大幅に減少したほか、鮮魚の不漁に見舞われ供給体制が不安定だったことも影響した。また、食肉や青果類の卸業者でも7割以上の企業が売り上げが減少。10月時点ですでに業績の激しい落ち込みが鮮明となっている。

 20年はコロナ禍により、歓送迎会や忘年会などの宴会が自粛となったほか、音楽フェスのような大規模なイベントも軒並み中止に追い込まれた。一部の卸業者は、巣ごもり需要で好調なスーパーなど小売店やオンライン販売にシフトしたり、テークアウト業態に対応した商品の品ぞろえを強化したりと、さまざまな対策を進めている。

 だが、現在も事態の収束は見えておらず、今春の花見や歓送迎会による外食需要は期待できない。年度末にかけて影響はさらに深刻化するとみられていて、各方面からの迅速な支援策が求められる。