資生堂が2月9日に発表した2020年12月期(20年1〜12月)通期の連結業績は、売上高が前期比18.6%減の9208億円、営業利益が86.9%減の149億円だった。最終損益は116億円の赤字(前期は735億円の黒字)に転落した。新型コロナウイルスの影響で、小売店への来店客数が減少。入国制限によるインバウンド需要の落ち込みも響いた。

 国内事業は、売上高が前期比29.7%減の3030億円、営業利益が86.3%減の105億円。Eコマースの売り上げは伸びたが、小売店の臨時休業や時短営業が続き、プレステージブランドやプレミアムブランドを中心に減収となった。

 第2の柱である中国事業は、3月下旬から感染者数の減少に伴い、回復基調が続いた。実店舗の拡大に加え、Eコマースが伸長し、売上高は9.0%増の2358億円だった。ただ、マーケティング投資の強化などで、営業利益は37.1%減の184億円にとどまった。このほか、東南アジアなどアジアパシフィック事業、米州事業、欧州事業でも減収減益だった。

●打開策は?

 21年12月期(21年1〜12月)通期の連結業績予想は、売上高が前期比19.4%増の1兆1000億円、営業益が2.3倍の350億円、純利益115億円を見込む。新型コロナの影響が続くが、下期以降は緩やかに回復すると想定。プレミアムスキンビューティー事業やデジタルを中心としたビジネスモデルへの転換など、成長が見込まれる領域への投資を強化する。

 一方、資生堂は2月3日、「TSUBAKI」ブランドなど、低価格帯の日用品を取り扱うパーソナルケア事業を、投資ファンドのCVC Capital Partnersに1600億円で譲渡すると発表した。今後はCVCと協力して運営する方針だ。

 量販店やドラッグストア向けの低価格帯ブランドは、他社との競争が激しい。資生堂は「今後さらに成長させるためには、商品開発や広告宣伝への重点的な投資が不可欠」としている。「当社の連結業績に与える影響は精査中」という。