帝国データバンクが2月15日に発表した調査結果によると、2021年度に賃金改善を見込む企業は42.0%だった。前年と比較すると11.3ポイント減少。新型コロナウイルスの影響で業績が低迷した企業が多く、低水準に落ち込んだ。

 賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)の増加による賃金上昇。21年度の動向について同社が意識調査を実施したところ、賃金改善が「ある」と見込む企業が42.0%、「ない」が28.0%、「分からない」が30.0%だった。20年度は賃金改善を見込んでいた企業が53.3%、実際に賃金改善を行った企業が56.1%だった。21年度は、14年度見込み(46.4%)以来、7年ぶりの低水準だという。

 業界別では、賃金改善を見込む割合が高いのが「建設」で47.8%。「製造」「農・林・水産」がそれぞれ44.7%と続いた。前年度見込みと比べた減少幅は「運輸・倉庫」が最も大きく、18.5ポイント減の36.7%だった。

 賃金を改善する理由・改善しない理由(複数回答)に関しては、改善する理由は「労働力の定着・確保」が78.7%で最多。一方、改善しない理由は「自社の業績低迷」が76.7%を占めた。改善しない理由として「自社の業績低迷」を挙げた割合は、前回より18.6ポイント増加。さらに、改善しない企業全体の69.4%が「新型コロナの影響による自社の業績低迷」を理由としていた。

 21年度の総人件費についても、「増加」を見込む企業は54.2%と、前回よりも14.7ポイント減少した。「減少」は15.7%となり、7.7ポイント増加している。総人件費見通しの増加率は平均1.54%増となり、16年以降で最も低くなった。

 調査は1月18〜31日に実施し、1万1441社の回答を得た。