2022年卒業予定の学生に人気の企業はどこか。就職人気ランキングの総合トップは損害保険ジャパンだったことが、採用・就職のアウトソーシング事業を行うディスコの「キャリタス就活2022就職希望企業ランキング」調査で判明した。

 損害保険ジャパンは前年の2位から1つランクを上げて1位を獲得した。2位は伊藤忠商事で、前年3位からのランクアップ。3位の東京海上日動火災保険は、前年1位から順位を落とした。順位は変動したものの、上位3社は安定した人気を博している。

 一方、インターンシップの満足度が高かった企業ランキングは、前年に続いてニトリがトップとなった。これは、就職希望ランキングで前年の30位から5位へ躍進したことにも影響したとみられる。金融企業も高い評価を得た。

●日本人の海外留学生に人気な企業は?

 また、日本人で海外に留学している学生の就職活動を支援する情報サイトCFN(Career Forum.Net)を通じ、海外大学に在籍する学生を対象に、就職希望企業ランキング調査と就職意識アンケートを実施した。

 文系学生の希望ランキングは、ディスコの就職人気ランキングでも2位だった伊藤忠商事が1位となった。2位は三菱商事、3位はデロイト トーマツ グループとPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の2社、5位は三井物産だった。上位10社のうち、前年はコンサルティングファームが半数を占めた一方、今年は総合商社とコンサルティングファームが3社ずつ、IT系や消費財メーカーなど幅広い業界の企業がランクインした。

 理系学生では、1位がアマゾン、2位グーグルと、アマゾンがグーグルの4年連続1位を阻(はば)む形となった。3位はマッキンゼー・アンド・カンパニー、4位はP&G、5位はゴールドマン・サックスだった。上位10社には幅広い業界の企業が入り、特に10位のソニーは、前年23位からの躍進となった。

 文系理系の総合ランキングでは、1位に伊藤忠商事、2位にデロイト トーマツ グループ、3位にPwC が入った。上位20社に入った企業の多くは外資系企業で、グローバル採用を積極的に実施している。このことが海外で学ぶ留学生に対して魅力的に映っているようだ。

●就職先として意識した時期は?

 次に、就職したいと回答した企業について、就職先として意識した時期やきっかけ、企業のイメージを集計し、全体と上位3社を比較した。就職先として意識した時期をみると、上位3社を希望した学生はいずれも「就職活動を始めてから」が最も多く、特に2位のデロイト トーマツ グループでは6割を超えた。

 1位の伊藤忠商事は、「就職活動を始めてから」が4割、「留学前から」「留学してから」が3割前後と、比較的分散している。業界やビジネスモデルの違いにより、意識する時期にも差が出ているようだ。

 就職先として意識したきっかけについても上位3社で共通していて、「就職情報サイト」が最も多い。就職活動を始めてから、サイトで知った企業を志望する学生が多いことが分かった。2位のデロイト トーマツ グループは「就職情報サイト」に集中している一方、1位の伊藤忠商事、3位のPwCは、「家族・友人・知人」からが約2割に上り、きっかけも分散している。

 企業イメージについて問うと、3社とも「グローバル企業である」「一流である」「有名である」という声が多く、海外の大学生に共通した就職先選びの軸となっている。3社を比べると、伊藤忠商事は「企業規模が大きい」「企業理念やビジョンが優れている」、デロイト トーマツ グループでは「将来性がある」が上位に入った。

●海外大学生の職業観は?

 次に海外に留学している大学生はどのような職業観をもっているのか、理想の働き方について聞いた。「個人に大きな裁量がある仕事をしたい」と考える留学生は6割強に上り(68.2%)、「決められた範囲の仕事をしたい」(31.8%)を大きく上回った。異国の環境下での経験から、若いうちから大きな仕事を任されたいと考える留学生が多い。

 働く場所について尋ねると、「海外で働きたい」(70.5%)が多く、「国内で働きたい」は約3割(29.6%)であった。留学経験を生かしてグローバルに働きたいと考える学生が多いことが読み取れる。

 仕事の捉え方も、6割強(66.7%)が「仕事は自分の夢をかなえる手段」と答えている。仕事は安定した基盤を作るためではなく、スキルアップや経験を積み、夢をかなえるためのものという視点で取り組みたいと考えていることが分かった。このような職業観が、人気企業ランキングにも反映されている。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、就職活動は大きく変化し説明会やインターンシップはオンライン開催となるケースが増えた。企業側も学生側も対面する機会が少ない中、人数制限をして来場型の説明会を開くなど、新しい採用活動を模索している。また、経営の先行き不透明感が増し、採用計画の見直しを余儀なくされた企業もある。今年の就職活動の方向性にも注目が集まる。

 「キャリタス就活2022 就職希望企業ランキング調査」は、調査対象大学に在籍する大学3年生と修士1年生の5245人を対象に実施。期間は20年10月30日〜21年3月15日。「海外大生が選ぶ就職希望企業ランキング調査」は、就職情報サイト「CFN」会員のうち、海外大学に在籍する学生の715人を対象に実施。期間は20年8月12日〜10月21日。