人事領域にデジタル技術を活用するHRテック企業Thinkings(東京都中央区)は5月24日、全国の採用担当者1094人に実施した「コロナ禍を含む直近3年程度における採用活動の実態に関する調査」の結果を公開した。

 デジタル環境の成熟、働き方改革、SDGsなどの社会変化に加え、2020年からは新型コロナウイルスの流行により、各企業の経営環境や採用現場には変化が求められている。そんな中、採用担当者1094人のうち490人が採用強化・業務効率化のため、新たな採用ツール(求人媒体、オンライン面接ツール、適性検査・web検査ツールなど)を導入したことが分かった。

 新しく採用ツールを導入した採用担当者に「新たに採用ツールを増やしたことにより忙しくなったか」尋ねたところ、36.7%が「忙しくなった」と回答。さらに「自社で採用した人材の質に変化はあったか」尋ねると、67.5%が「変化していない」「低下した」「分からない」と回答した。また「自社とマッチする人材の見極めが難しくなった」「本音や本質が見抜けなくなった」など、オンライン面接に苦戦する意見も多かった。

●約半数が「採用活動に不安を感じる」

 次いで「自社における現状の採用活動に不安を感じるか」尋ねたところ、全体の約半数(47.6%)が「不安と感じる」と回答。さらに「より質の高い採用活動を行う改善の余地はあると感じるか」と尋ねると、全体の6割(60.3%)が「改善の余地がある」と回答した。改善したいが「何をしてよいか分からない」「思い浮かばない」という意見も見られた。

 最後に「自社の採用活動において、あなたはどのように考えているか」といくつかの項目を尋ねたところ、改善の余地があると感じない(=採用がうまくいっている)採用担当者と、採用活動に改善の余地があると感じる(=採用がうまくいっていない)採用担当者には、各項目の回答に大きな差が見られた。

 特に「自社カルチャーにマッチした人材が採用できている」の項目に関しては、両者の回答に16.5%もの開きが見られた。また、「採用課題について社長・経営層と共有がしっかりできている」では14.7%、「自社の求める人物像・人物要件をはっきりと定義できている」では14.4%、「判断基準について採用担当者や面接官の間でズレを感じることはない」では13.8%の差があった。

 採用担当者が、自社の採用活動がうまくいっていると感じている企業ほど、採用基準や採用手法の精度が高いことが分かった。さらに「改善できない理由」としては「時間やリソース不足」「やり方がわからない」といった回答が多く、環境の変化やコロナの影響による採用環境の変化に対し、担当者が苦戦している実態が明らかとなった。

 当調査は2021年4月12日〜4月15日にかけ、全国の20〜90代男女・採用担当者1094人を対象にインターネット調査にて実施した。