ファミリーマートとセブン‐イレブンが「カレーパン」に注力している。

 セブンは6月28日の週から都内で「お店で揚げたカレーパン」(149円)を順次発売。現在は販売エリアを神奈川県と東海エリアに拡大している。店内調理をしているのが特徴で、レジ横という“一等地”のショーケースに並んでいる。

 セブンは袋に入ったカレーパンも販売しているが、広報担当者によるとパン生地や中の具は異なるという。通常のカレーパンは具がスパイシーなのに対し、お店で揚げたカレーパンはフォンドボーと野菜のうまみを訴求。生地もサクサクとした食感が楽しめるように工夫している。30〜50代の男性を中心に支持が広がっており、想定を上回る売れ行きだ。

 これまでもセブンは、実験的に一部エリアで店内で揚げたカレーパンを販売していたが「今回は期間限定ではない」(広報担当者)。定番商品として育てていくとともに、販売エリアの拡大を目指している。

 なぜ、カレーパンに注力するのか。カレーパンは商品としての認知度が高く「揚げたて」という付加価値が支持されやすい。また「揚げたてのカレーパンを購入できる場所はそれほど多くない」(広報担当者)という分析も背景にある。セブンの店舗網で「揚げたてのカレーパンを食べたい」というニーズに対応する。

●ファミマがカレーパンに注目した理由

 ファミマは7月20日〜8月9日、全国のファミマ店舗で初となる「ファミマ 夏のカレー祭り」を開催している。おむすび、総菜、弁当、ホットスナック、麺類、パン、菓子、サラダ、スープ、冷凍食品といった幅広いカテゴリーで、全23種類のカレー味の商品を用意している。

 カレーは、夏になると売り上げが伸びる傾向がある。そうしたトレンドを踏まえ、担当者は「カレーは夏の定番商品としてみんなに愛されている。『夏のファミマ=カレー』として、今後育てていきたい」と意気込む。ターゲットは絞らず、どんなシーンでも買ってもらうことを目指した品ぞろえとした。

 夏のカレー祭りに参加しているカレーパンは2種類ある。1つ目は「カレーハウスCoCo壱番屋監修 大きなチーズカレーパン」(150円)。ココイチが指定した原料のカレー粉を使用し、チーズカレーの濃厚でマイルドな味の雰囲気を再現した。もう1つは「ファミマ・ザ・カレーパン」(130円)で、21年の3月にリニューアルした商品だ。

 担当者によると、カレー商品の中でもカレーパンは年間定番でトップクラスの売り上げを誇るという。知名度の高いココイチのコラボ商品と一緒に展開することで「対決軸をつくる。食べ比べによる話題化、食べてみたくなる売り場作りで、さらなるカレーパンファンの獲得を狙っている」と語る。

●カレーパンを強化商品に選んだ理由

 ファミマは21年3月に、メロンパンとカレーパンをリニューアル。発売から2週間で累計販売数が400万食を突破した。同社のパンにおいては類を見ない異例のスピードだった。カレーパンは現在も定番商品として全国で販売しており、売れ筋上位の商品に成長している。

 リニューアルしたカレーパンは、ビーフと玉ねぎのうまみが溶け込んだ欧風カレー。ビーフを引き立てるスパイスにこだわった。もっちりとした食感も特徴だ。

 なぜ、数ある総菜パンの中からカレーパンを“強化選手”として選んだのか。担当者は「市場では人気メニューであるはず。しかし、強化前は総菜パンとして売れ行きは中位だった。商品を分析した結果、おいしくなる可能性を大きく秘めていたことが分かった。それが、強化商品に選んだ理由の一つだ」と説明する。リニューアル後、売れ行きは中位から上位になったので、狙いは的中したといえる。

●ローソンの動きは?

 ローソンでは、カレーパンを毎年リニューアルしている。21年2月に「スパイス香るビーフカレーパン」(130円)を発売した。ビーフと玉ねぎのうまみや甘みが味わえるように工夫したのが特徴だ。うまみ成分を加えるため、昆布だしを追加。また、スパイスの種類を増やし、味の深みが増すようにした。繰り返し買ってもらえるように、アンケートや市場のトレンドを参考に改良したという。

 リニューアル後の4〜5月は、売り上げが通常より伸びた。担当者は「カレーパンは日本でなじみがあるベーカリーだ。そのため、『新発売』『リニューアル』したカレーパンのトライアル・リピート率は比較的高い傾向にある。これも売り上げが伸長した理由の一つだと考えられる」と分析する。

 ローソンではカレーパンだけでなく、チルド弁当のカレーライス、店内調理のカレーライス、チルド・常温タイプのレトルトカレーなどさまざまなカテゴリーで商品を発売している。カレーは日本でなじみがあるため、これらの商品の売れ行きは比較的好調だという。

 夏の“カレーパン戦争”を制するのはどこか。