ワークマンは2021年12月、東京都板橋区に職人向けの新業態「WORKMAN Pro(ワークマンプロ)板橋前野本通り店」をオープンする。同社はこれまで一般客向けの商品の比率を高めた「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」への改装や「#ワークマン女子」の出店を加速していた。店名に「プロ」と付け職人が入りやすい店舗を目指し「本業重視」の姿勢を示す。

 ワークマンではここ数年、一般客向けの商品を買い求めるお客が増え、駐車場や店内の混雑が続きプロ向けの商品を買い求めるお客が入店できない事態が続いていた。そこで、ワークマンプラスや#ワークマン女子の出店を加速することで客層を分散し、職人が必要とする商品を常に買える環境を整える戦略を取っていた。

 しかし、20年の#ワークマン女子開店以来、SNSでは「悲報!俺たちのワークマンはどこへいった」「女性客が多く店舗に入りにくい」との声があがっていたという。そこであらためて「本業重視」の姿勢を見せるため、ワークマンプロの出店を決めた。店名に「プロ」と付けることで「職人向けの店舗である」ことを明確にし、職人がより買い物をしやすい店を目指す。

 なぜ1号店が板橋前野本通り店なのか、それにも理由がある。板橋区内には国内トップクラスの売り上げを誇る「ワークマン」がある。作業客の需要が高いエリアでプロ向け製品に特化した店舗を開設し、どこまで客層のすみ分けを図れるか検証するとしている。

 ワークマンプロの出店は、既存店の改装を中心に進める。特に首都圏のワークマンは、駐車時間の長い一般のお客が多く利用するワークマンプラスへの改装ができない。そこで「プロ」に改装し作業客の利便性を高めるとしている。また、ワークマンプロの出店に向け、若い職人客の取り込みを目指して素材や見た目にこだわった「スタイリッシュ作業服」に本格参入する。

●スタイリッシュ作業服はワークマンプロの“シンボル的製品”

 スタイリッシュ作業服はベーシックな製品と異なり、デザインの流行があるため在庫コントロールが難しい。そのため同社は今まで「参入をためらっていた」という。

 同社によると、先行している国内メーカーのスタイリッシュ作業服の年間販売数量は最大で10〜15万着。しかし同社は、ワークマンプロでの“シンボル的製品”として展開するため、シリーズ合計で120万着を生産する。同社のプライベートブランド(PB)作業服で最も売れた製品は年間60万着なので、120万着がいかに強気かが分かる。

 なぜ強気の姿勢で参入するのか、その理由について同社は作業服のスタイリッシュ化と、アウトドアや女性客の需要が見込めるためと説明している。

 近年は作業服の「スタイリッシュ化」が進み、同社が強みとしてきた汎用型の作業服では35歳以下の若い客層のニーズを取り込むことが難しくなっていた。また、ジャケット、パンツとセパレートで展開することでファッション性が高まり、普段着やアウトドア時の着用も想定できるとしている。

 スタイリッシュ作業服のPBブランド、「PRO CORE(プロコア)」シリーズでは「ブラストデニム」「スーパーストレッチ」「ブラックエディション」「ヒータージャケット」を展開する。

 8月下旬に発売するブラストデニムは、20年にテスト販売し好評だったデニムを採用。ジャンパー3900円、ジョガーパンツ2900円の価格設定とし、50万着を生産する。

 またストレッチ性を強化した「PRO CORE SUPER STRECH」は、市場価格の3分の1となるジャンパー2900円、カーゴパンツ1900円で展開。シルエットにこだわり、日常使いできる商品として一般のお客や女性客にも訴求する。

●最上位モデルの「ブラックエディション」

 10月下旬に発売するブラックエディションは同シリーズで最上位のモデルとなる。価格はジャンパー4900円、カーゴパンツ3900円とした。同社が展開するPB商品の価格帯のボリュームゾーンは1900〜2900円であるものの、他社製品に比べると価格を抑えた形だ。

 生地や付属品をブラックで統一し、スタイリッシュさにこだわった他、動きやすさや機能性を高めた。ブラックエディションは、テスト販売の位置付けで10万着を生産する。

 これまで同社は、汎用作業服「G Next」シリーズ7種類を展開し、各製品とも年間で40〜60万着を販売してきた。同シリーズの売り上げは年間10〜15%の成長を続けているという。新たに、スタイリッシュ性にこだわった商品を展開し、新たな需要の取り込みを目指す。