74.0%の社員が「現場は社員に任せて社長は自分の仕事に専念してほしい」と考えていることが、経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する識学(東京都品川区)の調査から明らかになった。社長が現場に出ることの弊害としては、「社員が萎縮して生産効率が下がる」(48歳男性)、「現場の実態に合わない指示で部下が混乱・疲弊する」(50歳男性)などの意見があった。

 そのほか、「社長対応のため時間を割かなくてはいけない」(39歳女性)、「距離が近くなりすぎて社長の威厳がなくなる」(25歳女性)などのコメントが寄せられた。社長と現場の認識のズレや現場の手を止めてしまうといった問題が見受けられる。

 社長が現場社員に対し、直接指示を出したりアドバイスしたりすることがある職場は7割以上あることが分かった。また、社長が現場に出ることについて、会社や社員の成長にとって良いことだと思っている人は72.7%に上った。

 しかし、管理職に絞って調査したところ、部下に対する影響を懸念している意見も見られた。

●管理職は社長のせいで「部下を管理しにくい」と感じている

 一方、管理職の64.7%が、社長が現場に出ることで部下を管理しにくくなると感じており、部下にも悪影響があると考える人が54.0%いた。実際、一般社員の34.0%は社長と直属の上司から異なる指示やアドバイスを受けて困惑した経験がある。

 直属の部下が社長を含む自分より上層の上司に相談などをしたら、管理職はどう感じるのか。最多回答は「部下に対して不信感を抱く」(32.7%)。次いで「自分が頼りないのかと自信をなくす」(22.7%)、「相談を受ける上司に対し不信感を抱く」(21.3%)の順。頭越しの相談を不快に思う管理職は7割以上に上った。

 識学は、社長が現場に出ることで社員が混乱するのは「社長の指示だから失敗しても自分の責任ではないと錯覚してしまう」「社長の指示と上司の指示が食い違っていたときに、どちらを優先するか社員が迷ってしまう」ことが原因だと分析。

 社長が現場に出るべきではない理由について、現場に権限を移譲することで社員の成長が促進される、社長にしかできない戦略策定に時間を使えると指摘している。

 調査は、全国の従業員数5人以上で自社保有または賃貸オフィスのある企業に勤める20〜59歳の男女を対象にインターネットで実施した。調査日は10月21日で、有効回答数は300人(管理職150人、一般社員150人)。