人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人・マーサージャパン(東京都港区)は、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey(以下、TRS)」の2021年版レポートを発表した。

 その結果、職種別に日系企業・外資系企業の年収(手当・賞与込み)を比較すると、「営業/マーケティング」「データアナリティクス」「法務」の報酬は全職種の中央値を上回り、特にデータアナリティクスについては人材市場における獲得競争が激しいことが明らかになった。

●日系と外資の報酬水準比較

 まず日系企業、外資系企業の年収水準額を2020年水準と比較したところ、いずれも前年並だった。昇給予算の平均は20年が1.8%、21年が2.0%。昇給を凍結した企業の割合も20年が22%、21年が9%と減少していることから、新型コロナウイルスが報酬に与える影響は限定的なことが明らかになった。

 日系企業における賞与込み年収については、課長は1032万円(昨年比-1%)、部長は1362万円(同0%)であった。

●職種別 日系企業・外資系企業の年収は?

 次に職種別に日系企業・外資系企業の年収(手当・賞与込み)を比較すると、営業/マーケティング、データアナリティクス、法務の報酬は全職種の中央値を上回っていた。

 特に職種別報酬差は日系企業よりも外資系企業の方が大きく、日系企業でも獲得競争が激しいデータアナリティクス職種では入社1〜5年目の報酬で全職種と7%程度の報酬差が生じていた。なお日系企業のデータアナリティクス職種の年収を20年水準と比較すると、市場昇給予算平均(1.8%)を超え5〜8%上昇した。

参加企業数

 本年度の調査における参加企業数は863社(昨年比126社増)で、過去最多となった。うち日系企業は302社(同98社増)と、全体の約3分の1を占めている。

 金融業界調査がローンチし、初年度の21年は銀行・証券・生損保・フィンテック企業などから47社が参加。さらにハイテク業界、金融業界、化学業界を中心に日系企業の参加率が上昇した。外資系企業(日本法人)と比較して、日系企業(本社)は組織規模が大きいため、参加企業における大規模組織の参加割合が増加した。

 同社は以下のようにコメントしている。

 「近年、社会・経済構造の変化やコロナ禍でのリモートワークの導入により、関心が高まっていたジョブ型雇用は、人事制度への導入に踏み切る日本企業が相次いだことで一過性のブームの域を脱して確実な潮流となった。これに伴い、“ジョブ型雇用”という言葉はバズワード化し、企業にとって事業・人材戦略に沿った “自社が目指すべきジョブ型雇用”を定義することの重要性が高まっているといえる」