リクルートマネジメントソリューションズの専門機関、組織行動研究所が「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査」を実施した。キャリア形成をする上で会社に求めることを尋ねた結果、「学習支援」「副業許可」「柔軟な働き方」といった声が多くあがった。

 若手・中堅の会社員613人に自律的・主体的キャリア形成の意味を尋ねた。その結果「自分のキャリアの責任は自分にあると考えること」(64.6%)、「自分の価値観に基づいて、自分でキャリアを選択すること」(61.3%)との声が多くあがった。

 また、自身のキャリアを考える上で重要だと思うことは、「自分の価値観に基づいて、自分でキャリアを選択すること」(29.7%)、「自分に合った働き方を主体的に選択すること」(27.6%)が多い結果となった。

 さらに分析を進めると、「自分に合った働き方を主体的に選択すること」は、20代後半に比べて30代前半の選択率が高く、「社外でも通用する専門性を身につけること」「新しい経験にチャレンジしながら、自ら成長機会を作っていくこと」は、専門知識・技術の更新スピードが速い仕事をしていると認識している群の選択率が高くなった。このことから、自律的・主体的なキャリア形成における優先順位は、ライフステージや職務特性によって異なる可能性も示唆された。

約3分の2は「自律的・主体的キャリア形成」に関する会社からの期待を感じている

 「現在勤めている会社は、従業員の『自律的・主体的キャリア形成』を期待するメッセージを出しているか」という問いには、約3分の2にあたる66.1%が「期待を感じている」と回答。

 会社が求めていることとして「何事も成長機会ととらえて、目の前の仕事に主体的に取り組むこと」(43.7%)、「新しい経験にチャレンジしながら、自ら成長機会を作っていくこと」(41.5%)、「キャリア形成のために必要な学習を、自ら継続的に行うこと」(33.3%)があがった。

● 自律的・主体的キャリア形成求める一方「ストレスや息苦しさ感じる」

 「自律的・主体的なキャリア形成」に関する考えを聞いたところ、約8割が「自分自身は形成したい」と前向きな意思を示した。

 また、「これからは、多くの人に自律的・主体的なキャリア形成が求められる」(84.3%)、「自律的・主体的なキャリア形成を支援してくれる会社の方が、働きがいがある」(76.2%)、「自律的・主体的なキャリア形成が進めば個人と会社がより対等な立場になれる」(72.6%)といった選択が見受けられる一方で、「自律的・主体的なキャリア形成を求められることに、ストレスや息苦しさを感じる」(64.8%)と回答する声も多かった。

 自律的・主体的キャリア形成への意欲が変化した理由やきっかけを尋ねると、「複数の職種、職場を経験することにより、より自らのキャリア形成を考えることができた」(20代後半/事務)、「保守的な会社で、離職率も低く、目の前の仕事ができれば成り立ってしまうため」(30代前半/事務)など、配置・異動、評価・処遇や個人的なライフイベントを通して変化したとのコメントが寄せられた。

 キャリア形成支援について、企業が導入している仕組みや制度、さらにそのうち役立っているものを尋ねると、「資格取得の金銭的補助」(現在導入されているもの54.8%/役立っているもの50.3%)、「必要なとき、必要な知識・スキルを学べる機会や仕組み」(同46.7%/44.8%)が多かった。また、導入率が低いなかで役立っているのは「学びの時間をとれるような柔軟な勤務体系(フレックス、テレワークなど)」(同25.8%/57.0%)という結果になった。

 会社・職場への要望や支援を得たいことについての自由記述内容を分類したところ、学習支援に関するものが184件と多くを占めた。

 具体的には、学習支援については「資格取得などの金銭的な補助/自己研さんのための金銭的援助」「仕事をする上で必要な資格を取得する時間を設けて欲しい」といった声があった。また、「副業を許可してほしい」や、「育休や介護休暇の延長」「テレワークの制度化」など、柔軟な働き方を求める声が多くあった。

 「自律的・主体的なキャリア形成」行動は「良い機会があれば転職したい」という意識を高める影響があると同時に、「組織コミットメント目的愛着」を高め、それが「良い機会があれば転職したい」という意識にマイナスの影響を及ぼすことが分かった。社員が自律的・主体的なキャリア形成をすると会社を辞めてしまうのではないか、という懸念に対しては、勤務先企業の目的や理念への共感や情緒的なコミットメントがあれば転職意識は抑制される可能性があるようだ。

 調査は、9月16〜21日にインターネット上で実施した。