●仕事に役立つ調査データ:

消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。

 JTBコミュニケーションデザイン(東京都港区)は、企業組織の中核を担う課長層を対象に、DX推進の取り組みについて聞く「DX時代の課長調査」を実施した。課長層に自分の仕事とDXとの関わりを聞いたところ、25.4%が「自分の仕事の性質上、DXは関係がない」と回答した。

 具体的に携わっている仕事を聞くと、営業や人事、総務、教育や医療などの回答が多かった。

 一方で、「業務の中でDXを推進している」と答えた割合は60.7%、「DX推進のための部門やプロジェクト・委員会などに自分が所属している」は13.9%だった。DXはさまざまな業種、職種に関連するが、組織の中核の課長職でも4人に1人は「自分には関係ない」と認識している実態が浮かび上がった。

●課長層の DXに関する困りごとは?

 課長層の DXに関する困りごとを尋ねた。1位は「DXに関する知識やスキルを身につけていない」で38.1%、2位は「DX推進を具体的にどう進めればいいかがわからない」が25.2%と、いずれも知識の不足に関する声が挙がった。

 JTBコミュニケーションデザインは「自分の仕事の性質上、DXは関係がないという回答が25.4%あったのも、こうした『わからない』ことが背景にある可能性がある」とコメントした。

 3位は「DXの知識やスキルを持った人材が不足している」で24.6%、4位は「本来の業務で忙しくDXまで手がまわらない」で24.1%、5位は「部門によって温度差があり足並みがそろわない」で16.2%という結果であった。

 自由回答には「DXとは何? というレベルでついていけない」(50代男性)や、「若手に置いて行かれそうで怖い」(50代男性)といった本音、「決裁者の認識が古く、結局システム化しても運用姿勢がオールドスタイルのまま変わらなく、費用対効果に乏しい」(30代男性)や、「どこの部署で何が行われていて、全社戦略としてどうなっているのか打ち出されていない」(40代男性)など、社内の決裁者や情報共有の課題を嘆くコメントが多かった。

●困りごとへの対処法は?

 困りごとへの対処法を聞いた。最も多かったのは「インターネットで検索して解決策を見つける」で44.6%、次いで「社内のDXやデジタル関連の部門に聞く」が30.3%、「DXやデジタルに詳しい部下や同僚に聞く」が22.6%が挙げられた。社内の専門部門や同僚よりも、自分でネット検索する割合が多い現状がうかがえる。若い課長ほど「本や専門雑誌などを読む」「上司に相談する」も多く、解決策の間口が広いようだ。

 調査を実施したJTBコミュニケーションデザインは、課長の4人に1人が「自分の仕事はDXと関係がない」と認識している現状について、「『関係ない』『わからない』という感覚は、関心の欠如や自己効力感の低下により、モチベーションを低下させる大きなリスクとなる」と指摘。「DXを推進する際には課長を始めとした社員に対して、DXの知識やスキルを学習できる環境や気軽に質問できる仕組みを整えることが必要」としている。

 調査は全国の従業員数100人以上の企業に勤務し「課長」または同等の職位にある男女を対象に、インターネットで行った。期間は3月3〜4日、有効回答数は1000人。