●仕事に役立つ調査データ:

消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。

 コンサルティング事業を行うタバネル(大阪市)は、全国の20〜34歳の若手社員500人を対象に「若手社員の心理的安全性調査」を実施した。自分の所属するチームは、自分の考えや気持ちを誰に対してでも発言できる状態にあるか尋ねたところ、「発言できる」と答えた人は18%だった。

 心理的安全性とは、「あなたのチームは自分の考えや気持ちを誰に対してでも発言できる状態である」という意味の心理学用語で、チームの生産性や業績を高める要因として注目されている。

 「発言できる」「どちらかと言えば発言できる」の両方を合わせると、67%が安心して発言することができる環境にあり、心理的安全性が高いことがうかがえる結果となった。

 自分のチームにいると成長できるか尋ねたところ、「成長できる」に「近い」「どちらかと言えば近い」と答えた割合は「心理的安全性(高)」群で88%だった。一方で、「心理的安全性(低)」群では37%と、心理的安全性の高いチームほど、若手社員は成長できると感じていた。

 チーム目標の理解、進捗共有、振り返り――といった取り組みについて尋ねたところ、心理的安全性の高いチームほど「実施している(あてはまる)」と答えた割合が高かった。

 また「あなたはチームの目標が達成されると嬉しいし、達成できないと悔しい」の問いに、「あてはまる/ややあてまる」と答えた割合は「心理的安全性(高)」群で85%、「心理的安全性(低)」群で42%と大きな差が見られた。

 チームの業績は関係性以外にもさまざまな要因が影響するが、「あなたのチームの業績は良い」の質問でも、心理的安全性の高いチームほど「あてはまる/ややあてまる」と回答した割合が高くなった。

●信頼される上司の行動は?

 チームの上司について尋ねたところ、心理的安全性が高いチームの上司ほど、部下を信頼し、支援し、指示し、公平に扱うことが分かった。タバネルは「このような上司の行動によって、自分の考えや気持ちを誰に対してでも発言できる安心感が高まる」と分析する。

 一方で、心理的安全性が高いチームの上司ほど、部下にフィードバックや言動一致などができていると思われていることが分かった。

●心理的安全性が高いチームほど互いに感謝

 自分のチームメンバーはお互いに感謝しているかどうかについて、「あてはまる/ややあてまる」と回答した割合が「心理的安全性(高)」群で84%、「心理的安全性(低)」群で34%と、大きな差が生まれた。

 同様に、チームメンバーは困ったときに助けてくれるかについても、「心理的安全性(高)」群は85%、「心理的安全性(低)」群は48%と大きな差があった。心理的安全性が高いチームほど、チーム内での感謝や助け合いが行われていることが分かった。

 また、心理的安全性が高いチームの上司は、部下から「あなたの上司は、さらに上の上司に必要な意見を言っている」「あなたの上司は、あなたの部門以外に社内の仲間がいる」と思われている割合が高いことも分かった。

 タバネルは「一般的には心理的安全性が高い土壌があることで、目標達成への取り組みが行われ、業績に結び付くと言われている。チーム目標達成を目的にすることで、心理的安全性を高める好循環が結果として生まれる」とコメントした。

 調査は、直属の上司がおり、部下がいない20〜34歳の正社員を対象に、インターネットで行った。期間は5月20〜21日、有効回答数は500人(男女各250人)。