ビットコインに逆風が吹いている。週末の10日から始まっていたビットコインの下落が加速し、6月14日10時の時点で300万円を割った。現在は283万円前後で推移している。300万円を割るのは2020年12月以来、約1年半ぶりとなる。

 株式相場も乱高下しているが、仮想通貨は輪をかけて値動きが激しい。ビットコインは21年10月に付けた高値、729万円からの下落率は60%を超えた。

●まだ下げたりないビットコイン

 「ビットコインはまだまだ下げ足りない印象もある」とビットバンクの長谷川友哉マーケットアナリスト。

 ビットコインの相場の大底にはハッシュレートの大幅低下がつきものだ。22年は相場の下降トレンドが続く中でハッシュレートと採掘難易度(ディフィカルティ)が逆行高となっていて、マイナーの収益性は低下基調だったことが示唆されると長谷川氏は言う。マイナーから取引所へのビットコイン送金が増加しており、マイナーによるビットコイン売りが相場の重しになっていると長谷川氏は指摘する。

●セルシウスショック

 下落が続いているのはビットコインだけではない。時価総額2位のイーサリアムも一段と下落し、15万3400円台に。直近1カ月の下落率は42%を超えており、21年12月に付けた高値53万5800円からは71%の下落率となっている。

 背景にあるのはレンディングサービス「セルシウス(Celcius)」で6月13日に発生した取引の一時停止だ。

 現在、イーサリアムはアルゴリズムをPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと変更する大きなバージョンアップ、「The Merge」の準備を進めている。そんな中、DeFiプラットフォーム「Lido Finance」が発行するstETHは、ユーザーがイーサリアムを預けると受け取れるトークンで、イーサリアムを運用しながら流動性を確保できるという利点がある。

 ところが「The Mergeが終わらないとstETHからイーサリアムを引き出せない」(bitFlyerの金光碧アナリスト)ことから、stETHとイーサリアム(ETH)の価格かい離が広がった。stETHは多くのDeFiプラットフォームで担保として使われており、価格かい離によってポジションが精算されるリスクが高まる。そのためセルシウスはすべての出金、スワップ、コイン転送を一時停止した。この「セルシウスショックが大きな影響を与えた」(金光氏)わけだ。

 一方で、円安も加速しており13日には1ドル135円まで円は下落した。そのため、ドル建てのビットコイン価格の下落はさらに激しくなっている。直近の価格は2万1300ドル前後となっており、3万ドルを超えていた10日からわずか4日で1万ドル下落した。この期間の下落率は30%近い。

 仮想通貨全面安の様相となり、市場全体も縮小した。21年の年末には仮想通貨の時価総額は約2兆9000ドル(約390兆円)まで上昇したが、直近の価格下落で1兆ドルを割り込んでいる(約126兆円)。規模感としては21年年初の水準まで戻った形だ。