サントリーが、熱中症対策として新しい「DAKARA給水所」のサービスを開始した。このDAKARA給水所、普通の自販機とは異なり従業員がきちんと水分補給をしているか確認できるという。その仕組みとは?

 仕組みはいたってシンプル。従業員が専用カードを自販機にタッチすると、飲料が1本無料で受け取れるというモノ。2021年10月から首都圏エリアでサービスを開始し話題となった「社長のおごり自販機」と同様の仕組みを採用した。設置企業は、カード情報を基に時間ごとの利用本数を確認できるという。

 これまでも、熱中症対策飲料やウォータージャグといった器具の貸し出しや産業医監修の無料セミナーなど、熱中症対策サービスを展開してきた同社。

 そうした中、事業所側の悩みとして「従業員に飲料が行き届いているか確認したい」「飲料の発注・保管・補充などが大変」といった課題があることが判明。それを解決する手段として着目したのが自販機だ。利用状況の確認ができ、簡単に冷えた状態で飲料配布ができる「DAKARA給水所」を開発した。

●目指すは“鉄の塊”からの脱却

 サービス名は「DAKARA」と付いているが、自販機内で販売する飲料は、「サントリー天然水 うめソルティ」「GREEN DA・KA・RA 塩ライチ&ヨーグルト」など、同社が展開する熱中症対策飲料や水分補給系飲料などを選べるようにした。また、カードで選択できる商品や1枚当たりの上限本数などの設定も可能という。

 6月末には、青森県八戸市のエプソンアトミックスが計5台を導入した。導入した背景には、飲料の発注、納品、在庫管理、払出といった「目に見えにくい負担」の解決があったという。エプソンアトミックスの担当者は、利用本数を確認できるため、全従業員に対し均等な福利厚生の提供ができる点も魅力だったと振り返る。

 飲料総研によると、ここ数年自販機市場は減少傾向にはあり、20年に始まったコロナ禍でその流れが加速。人が集まる場所に設置してある自販機を中心に売り上げが激減する結果となった。

 そんな中、サントリーが着目したのが企業のオフィスに設置する「法人向け自販機」だ。サントリー食品インターナショナル ジャパンVM事業本部の須野原剛マーケティング部長は、3月の記者会見で「これまで屋外に設置しているものなどと同じ機材・商品を展開していたが、今後、法人向けは切り分けて考えていく。“鉄の塊”から付加価値を持ったものに変化させていく」と意気込みを話していた。

 同自販機の導入費は専用カード代のみで、月額費は無料。電気代と飲料費用は事業者負担となる。サントリーでは、2023年までに全国で100台規模の導入を目指していて、熱加工のラインを持つ製造業など、高温になりやすい職場環境を持つ法人の需要を見込んでいる。

 例年になく早い梅雨明けとなった22年の夏、熱中症対策としての需要をどこまで取り込めるだろうか。