今、キャンピングカーが売れています。

 日本RV協会が7月に発表した「キャンピングカー白書2022」によると、2021年のキャンピングカーの売上総額(日本RV協会会員の売り上げ)は、前年比109.1%の約635.4億円でした。前年よりも1割近く伸びています。

 11年は約211億円だったことを考えると、この10年で市場は3倍に拡大したことになります。また、販売だけでなく、国内の保有台数も順調に伸びており、21年は前年比107%の13万6000台に。10年前となる、11年の保有台数7万5600台の2倍に迫ろうかというほど増えています。

 ちなみに、日本RV協会の調べによると、日本と国土面積の近いドイツのキャンピングカー保有台数は約150万台。代数的にはまだドイツの10分の1以下で、日本のキャンピングカー市場の伸びしろは、まだまだたっぷりあるのではないかというわけです。

●どんなキャンピングカーが売れている?

 では、日本では、どんなキャンピングカーが売れているのでしょうか?

 年間売上635.4億円の7割以上を占めるのが新車販売です。キャンピングカー専用となる8ナンバー仕様の新車が412億円、8ナンバー以外の新車が56.4億円で、あわせて468.4億円。中古車は8ナンバーが149.5億円、8ナンバー以外が17.4億円の計166.9億円で3割弱となります。

 新車販売のうち国産車が8165台、輸入車は627台。国産のキャンピングカーは前年の7434台に比べて1割近くも増加していますが、輸入車の新車は前年の690台から1割近くも減少しています。

 輸入車の販売は、18年が763台、19年が636台、20年が690台、21年が627台というように残念ながら頭打ち状態。一方、国産車は18年5637台、19年6445台、20年7434台、21年8165台と順調に伸びています。国内のキャンピングカー市場の大きなけん引者は、国産のキャンピングカーといえる状況です。

●ベスト3の「バンコン」「キャブコン」「軽キャンパー」

 そんな国産キャンピングカーでベスト3の人気を誇るのが、全体の37.2%を占める「バンコン」、23.9%の「キャブコン」、そして13.5%の8ナンバーではない「軽キャンパー」です。

 「バンコン」とは、「ハイエース」などの1BOXのバンをベースに製作されたキャンピングカーで、正式には「バンコンバージョン」と呼びます。「キャブコン」とは「キャブコンバージョン」の略で、キャブ(キャビン)=運転席がある小型トラックなどのシャシーに、客室を架装したものを指します。一般的に「バンコン」よりも、「キャブコン」の方が大きな室内空間を確保できます。そして「軽キャンパー」は、軽自動車をベースにしたキャンピングカーです。軽キャンパーのうち、8ナンバー登録は全体の3.6%、それ以外が13.5%で、8ナンバー以外が主流となります。

 そして、その8ナンバー以外の軽キャンパーは、前年比149.7%と目立って増えています。また、同じように増えたのが「キャンピングトレーラー」です。総数としては、キャンピングカー全体の1.2%に過ぎませんが、伸び率は前年比170.2%。「キャンピングトレーラー」は、別のクルマに牽引してもらうため動力源が必要なく、価格が抑えられるのが特徴です。固定しての利用もでき、災害時のシェルターや隔離施設、プライベートルームなどの利用が可能となります。コロナ禍の影響が人気の理由かもしれません。

 新車が売れれば、中古車の流通も増えるのが自明の理。18年の中古車販売売上は125.4億円、19年は154.5億円、20年は155.1億円、21年は166.9億円と右肩上がりに増えています。数でいうと、国産の中古車の販売数は3822台。一方、輸入車の中古車販売は、わずか463台にとどまります。

 中古車の内訳としては、国産中古車で多いのが「バンコン」で、次いで「キャブコン」。この2車種で国産中古車の7割を占めます。数が少ないながら、前年よりも伸びているのが「バスコン」と8ナンバーではない「軽キャンパー」とか。「バスコン」は、名称の通り、マイクロバスなどのバスをベースにしたキャンピングカーです。中古輸入車では、全体の4割が牽引式の「キャンピングトレーラー」を占めますが、数自体は減少傾向。その代わり「クラスA(フルコン)」と呼ぶ大型モデルと、「クラスB(バンコン)」が増加傾向です。

●価格帯は400万〜500万円台

 「キャンピングカー白書」では、日本RV協会に所属する販売側だけでなく、ユーザー側のアンケート調査も掲載されています。それを見ると、ユーザーが購入するキャンピングカーの購入金額は、400万〜500万円が全体の26.3%とトップ。次いで、21.5%の600万〜700万円、19.2%の800万〜900万円、15.7%の200万〜300万円と続きます。400万〜700万円の予算での購入が約半数という実態のようです。

 ちなみにキャンピングカーのオーナーに「車中にトイレはあるのか?」とたずねたところ、「装備されている」は46.2%、「されていない」は53.8%。最近では「トイレなし」という車両が増加中だそうです。

 そんなキャンピングカーで、最後に気になるのが納期です。最近では、普通のクルマでも新車の納期が延びていることが話題となっています。キャンピングカーの場合でいえば、販売店への調査結果では、半年以内と答えたのは、わずか20.4%。7カ月〜1年以内は40.9%。1年1カ月〜2年以内は35.7%。2年以上が3.1%でした。つまり、1年以下というのが約6割、2年までなら約96%。長くても2年以内には手に入ることになります。

 過去10年、右肩上がりに増えてきたキャンピング業界は、コロナ禍にあってさらに成長を続けています。国内のニーズもまだまだ高いということ。これからも要注目の業界と言えるでしょう。

(鈴木ケンイチ)