オーケーが、12年連続で顧客満足度が最も高いスーパーに選ばれた(2022年度JCSI第1回調査より)。オーケーは首都圏を中心に130店舗以上を展開する食品スーパーだ。運営元のオーケー(横浜市)は、高品質・低価格を掲げ、旬の知らせや価格変動に関する情報を発信するなど、売り場での情報発信を強化している。

 オーケーを訪れた際、青果売り場で興味深いPOPを見つけた。商品の状態を“正直”に伝えている「オネスト(正直)カード」だ。南アフリカ産のグレープフルーツには「フロリダ産に比較して甘みが不足しており、若干の酸味がある」と書いてあった。こんなに正直に商品のマイナス面を伝えて大丈夫なのだろうか? オーケー広報にオネストカードを実施する理由を聞いた。

●オネスト(正直)カードとは?

 オネストカードは、商品の状態や価格に対する“正直”な情報を利用者に知らせるもので、主に相場や天候の影響を受けやすい青果部門で掲示している。「天候不順の影響で、品質が良くない」など、販売にとって不利な情報も正直に伝えており、同社の広報担当者は「正直であるからこそ、オーケーを信頼いただけると考えています」と話す。

 過去に掲示したオネストカードは、2021年2月には長ねぎについて、「産地低温と干ばつの影響により、生育が悪く、例年の同時期に比べて、1.5倍と高騰しております。相場が下がり次第、速やかにお知らせ致します。回復までは、1本売り・加工品のご利用をおすすめします」、焼きいも(紅あずま・紅天使)について「出始めのため、熟成貯蔵がされておらず、甘みが不足しております。来年1月中旬頃よりおいしくなる見込みです。ご了承ください」などの情報を発信している。

●オネストカードを掲示する狙い

 同社はなぜオネストカードの取り組みを始めたのか。広報担当者に聞くと、青果物は天候によって価格や品質にばらつきがあるため、利用者に理解してもらうことを目的にオネストカードに商品の状態を正直に書き、掲示し始めたという。

 「天候不良などが原因で品質が悪い場合も、全く仕入れないということはできません。しかし、値段が高く品質が悪いとお買い上げいただけないので、たくさん仕入れるとロスを抱えてしまいます。そこで、『品質が悪く値段も高いのでおすすめしません』ということをそのままお伝えし、代替品をお薦めすることにしました。そうすることで、品薄、品切れの状況でも、お客さまには仕方ないとご了承いただけました」(広報担当者)

 オネストカードを掲げることで、仕入れ量を減らし、売れ残りを抑えられる場合もあるという。

●値上げも事前に告知

 同社は他にも、青果売場を中心に「旬のお知らせ」として「はしり(出始め)」「たけなわ(最盛期)」「なごり(販売終了)」に分けて季節の状況を伝えている。また、値上げ、値下げの事前告知も実施している。

 「加工食品の売場では、『値上げ前にお買い求めください』のお知らせを掲示しています。お客さまには、メーカーから値上げの発表(または当社への連絡)がある場合には、前広にお伝えしています。値上げ前にご購入いただくことをお勧めし、他社に先駆けての値上げはしない対応をとっています。一方で『値下げのお知らせ』も同様に実施。値上げの状況でも下げられる売価は引き下げています。現在では、前年に比べて相場が下がったお米や梅干しなど、値下げしている商品は積極的にお客さまにお伝えしています」(広報担当者)

●顧客満足度が高いスーパー 12年連続1位のワケ

 オーケーは日本生産性本部 サービス産業生産性協議会が実施した「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の調査で、顧客満足度が最も高いスーパーに12年連続で選ばれている。顧客満足度を高めるためにどのような取り組みを実施しているのか。

 オーケーは「高品質・Everyday Low Price」を経営理念に、常に低価格を心掛けており、毎日が特売だという。「万一、他店より高い商品がございましたら、お知らせ下さい。値下げします」のポスターを掲げ、ナショナルブランド商品で地域一番の安値を目指している。もしもオーケーの価格が競合店の価格(特売品・目玉品を含む)より高いことがあれば、「競合店に対抗して値下げしました」のPOPをつけ、値下げを実施する徹底ぶりだ。広報担当者は「オーケーで買って損をすることはない」と話す。低価格の徹底と積極的な情報発信が、オーケーが支持される要因だろう。