大日本印刷(DNP)はこのほど、英国のMUSO社と連携し、漫画の海賊版サイトを発見し、削除要請などを行うサービス「DNPコンテンツ海賊版対策サービス」の提供を開始した。

 同サービスは、出版社などから依頼を受けて、海賊版サイトの発見、海賊版サイトへの削除要請、状況監視、結果把握を行うもの。また、海賊版サイトの閲覧状況を分析し、閲覧者の国・地域、年代・性別などを把握し、正規コンテンツを流通させるためのマーケティング支援につなげる。

 海賊版サイトは海外向けのものも多いことから、DNPが展開する漫画を多言語で制作するサービスや、スマホ表示に適した縦スクロールへの変換、カラー化などのサービスとも連携。正規ルートでの海外市場の拡大を支援する。

 集英社の協力を得て実施した実証実験では、海賊版対策を行う同様のサービスの削除率の平均と比べ、2倍に近い削除率を達成したという。

 DNPは「多様な漫画作品を適正な環境で世界に配信する仕組みを構築することで、海賊版の違法アップロードや閲覧の防止と正規コンテンツの流通支援に努めていきます。また、本サービスの対象をマンガだけではなく幅広いコンテンツに広げていくための開発などを進めていきます」とコメントしている。

 海賊版サイトをめぐっては、2018年にそれまでアクセス数最大であった「漫画村」が閉鎖。運営者4人が逮捕され、21年までにそれぞれ有罪となっている。一方で、新規の海賊版サイトも出現し、海賊版サイトが削除されては増えるいたちごっこ状態が続いている。

 出版社などの業界団体ABJによると、2021年の海賊版サイトを通じた漫画の“タダ読み”による被害額は、約1兆19億円にのぼる。これは直近の漫画の市場規模とされる約6000億円を上回る額だ。

 DNPが打ち出す新サービスは、この市場を変えることができるか。