e-ラーニングに関するコンテンツを提供するイー・ラーニング研究所(大阪府吹田市)は、子どもがいる親を対象に「習い事に関する意識調査」を実施した。その結果、子どもにさせたい習い事の1位は5年連続で「英語」(224人)だった。

 2022年に保護者間で話題になった子どもの習い事を聞いてみると、「英語・英会話スクール」(176人)が4割以上と最も多く、「プログラミング教室」(124人)、「スポーツ系」(112人)と続いた。

 23年に子どもにさせたい習い事については、「英語・英会話スクール」(224人)、「プログラミング教室」(154人)が1位と2位になり、18年から5年連続で同じ順位となった。

 「英語・英会話スクール」の回答数が大きくリードしたことについて、同社は「海外渡航の再開、ウクライナ戦争や為替相場など世界情勢の動きを受けて、世界に関心を向ける親が増えたと考えられる」と分析する。

 子どもにさせたい習い事がある親を対象に、なぜ子どもにその習い事をさせたいか尋ねると、「将来のためになると思ったから」(270人)という回答が約8割と、圧倒的に多い結果に。一方で、「新しい習慣に対応するため」(145人)も4割以上と、時代の変化に対応できるようになってほしいという希望が高まっていることが見てとれる。

 将来子どもになってもらいたい職業は何か聞いたところ、1位は「経営者」(161人)、2位「プログラマー(SE)・ゲームクリエイター」(94人)、3位「公務員」(60人)と、前年の調査と変わらない順位となった。

 その他の回答として「自分のなりたい職業になって欲しい」「個性を生かせる職業」といった意見もあり、子どもの希望や適正を重視する傾向も見てとれた。

●6割以上が「金融教育」に関心。高校への授業導入が影響か

 小学校までの習い事を中学校以降の部活動でも継続してほしいと思うか聞いたところ、「はい」(270人)が約7割という結果に。

 23年に開始する部活の地域移行について賛成か聞いたところ、約9割が「はい」(342人)と回答。さらに、部活の地域移行について注目していることとして、1位が「指導者のレベル」(185人)、2位が「学校以外の友達との交流」(174人)、3位が「指導者の確保」(154人)という結果となった。

 専門性の高い人材から指導を受けられることや、学校以外にも人間関係を広げられる点で、親の期待値が高い一方で、指導人材の確保への懸念も感じていると考えられる。

 22年に特に関心が高かった教育関連ワードを尋ねてみると、「オンライン学習」(247人)が6割以上と最も多く、「金融教育」(212人)、「プログラミング教育」(143人)と続いた。

 一方で、23年に意識したい教育・学習については、「金融教育」(238人)が6割以上となり、「オンライン学習」(173人)を抜いて1位に。22年度から「金融教育」が高校で必修化されたことが、教育意識の変化につながったとうかがえる。

 今後の教育・子育てトピックで関心のあるものについて聞いたところ、7割近くが「教育のメタバース活用」(262人)と回答した。メタバースはリアルと変わらないコミュニケーションなど、より汎用性の高いオンライン学習の実現が期待できることから、家庭学習を変えるテクノロジーとして親の注目度も高まっていることが分かった。

 今回の調査は、子どもを持つ親395人を対象に実施した。調査期間は、22年12月3〜23日。