マイナビ(東京都千代田区)が運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、「正社員の平均初年度年収推移レポート」と「正社員求人件数・応募数推移レポート」について、2022年の総評を発表した。その結果、転職1年目の正社員の平均年収は454.2万円(未経験者求人:423.7万円、経験者求人:514.2万円)だった。

 調査を開始した18年平均から26.0万円増加し、経験問わず全体的に賃金が上がっている結果に。また、22年の推移を3カ月ごとに見ると、大きな増減はないものの、経験者・未経験者求人ともに10〜12月で微増していることが分かった。

 求人件数は18年比平均38.0%増で、20年以降の求人件数は増加傾向にある。22年の推移を3カ月ごとに見ると、18年以降最高値を更新し続け、企業の採用意欲は、新型コロナウイルス感染拡大前以上に高まっていると考えられる。

 求人の経験者、未経験者の募集比率は、未経験者求人が66.3%、経験者求人が33.7%だった。経験者求人は21年平均まで増加傾向にあったが、22年平均では未経験者求人が増加に転じている。

●「IT・通信・インターネット」(513.8万円)が最も高い結果に

 正社員の平均初年度年収を業種別に見ると、「IT・通信・インターネット」(513.8万円)が最も高く、次いで「金融・保険」(501.7万円)、「コンサルティング」(493.4万円)となった。また、全ての業種が18年平均より増加している。

 18年平均から増加額が最も高かったのは「金融・保険」(63.3万円増)だった。次いで「IT・通信・インターネット」(34.2万円増)、「公的機関・その他」(31.9万円増)と続いた。

 求人件数について、18年平均から最も増加している業種は「環境・エネルギー」(181.7%)となった。次いで「金融・保険」(153.9%)、「メーカー」(151.4%)と続き、その他の全ての業種で件数が増加し、企業の採用意欲は高まっていることが分かった。

 経験者、未経験者の募集比率は、12業種中11業種で未経験求人の割合が半数を超えた。そのうち「運輸・交通・物流・倉庫」(84.2%)がもっとも未経験者求人の割合が高く、次いで「サービス・レジャー」(83.1%)、「公共機関・その他」(79.5%)となった。

 未経験者求人の割合は、18年平均から20年平均では、すべての業種で減少している一方で、21年平均から22年平均では、すべての業種で増加。増加した業種は「IT・通信・インターネット」(5.7ポイント増)、次いで「公的機関・その他」(5.4ポイント増)、「マスコミ・広告・デザイン」(4.5ポイント増)と続いた。同社は「採用意欲の高まりから、経験の有無を問わず、幅広い要件の人材を求める企業が増えている」と推測している。

 調査期間は22年1月1日〜12月31日。「マイナビ転職」に掲載開始された求人情報、応募数から、雇用形態が正社員以外とした人のデータを除き集計した。