選考や内定を辞退する決定的な要因は「面接官の印象が悪い」こと――そんな結果が、採用支援事業などを行うインタツアー(東京都港区)の調査によって分かった。

 同社は2023〜24年卒の学生を対象に行った、「内定承諾・辞退の決定要因調査」の結果を発表した。内定辞退の経験の有無、内定の承諾・辞退の決め手となった理由を聞き、データにまとめている。

 選考や内定を辞退する要因について聞いた。決定的な要因が「ある」と回答した学生は59.7%に達し、その要因で最多を占めたものは「面接官の印象が悪い」(55.8%)だった。

 同社はこの結果を踏まえ、「選考中の面接官の印象や採用担当の対応が悪い印象を与えた場合には、その他の条件が合致していても辞退を誘発する」と指摘する。

●志望企業を決める要因で最も重視されているのは「業種・職種」

 就活の際に重視している項目は、「業種・職種」が最も多く、「勤務条件(年収・福利厚生・ワークライフバランス/働き方・勤務地など)」「社風(社員の人柄・会社の雰囲気・価値観など)」が続いた。

 その他の自由回答では、「勤務地や転勤」「成長環境」「会社の雰囲気」「価値観との一致」を挙げる回答が目立った。

 同社は学生の職業観について、「ジョブ型や転職を意識したキャリア形成を重視する傾向が見て取れる」と考察する。

●選考参加や内定承諾の決定要因は「自分の希望と合っている」こと

 内定を辞退した経験がない学生に、選考参加や内定の承諾を決めたポイントについて聞いた。選択式の回答では「自分の希望と合っている企業だと感じたから」(46.5%)が最多で、次いで「もともと、この企業に入りたいと思っていたから」(24.3%)が続く。

 自由回答では「人柄、雰囲気」と回答した学生が多く、社風などのカルチャーが自身に合うかどうかが、ある程度の決定要因となっていることが分かる。

 本調査は23・24年卒業予定の大学生1万2746人(文系学生11550人、理系学生1196人)を対象にインターネットで実施。回答数は676人、調査期間は1月16〜23日。