中小・零細規模の学習塾で倒産が続いている。2023年の学習塾の倒産は45件で、5年ぶりに40件を上回っていることが、東京商工リサーチの調査で分かった。過去20年では18年の42件を上回り、最多件数となった。資金力のある大手学習塾がIT化を進めてシェアを広げる一方、中小・零細規模の塾はリソース面の制約からニーズへの対応が難しく、市場からの撤退が加速している。

 新型コロナウイルスに関連した倒産は13件で前年を上回り、年次推移でも20年の3件、21年の6件、22年の11件、23年の13件と毎年増加している。ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保で融資を行うこと)などの資金繰り支援で21年の学習塾の倒産は21件と抑制されたが、支援効果が薄まっている。ニーズの変化に対応できなかった塾が脱落したことで22年以降、倒産は2年連続で増加した。

 破産を形態別に見ると、会社更生法や民事再生法による「再建型」ではなく、「消滅型」(41件、91.1%)が多数を占めた。販売不振から先行きを見通せず、消滅型の破産を選択せざるを得ない企業が大半を占めたことがうかがえる。

 地区別では「近畿」(18件、40.0%)が最も多く、次いで「関東」(13件、28.8%)、「中部」「中国」(各4件、8.8%)が続いた。件数が10件を上回ったのは関東と近畿のみで、大都市圏に倒産が集中した。

 学習塾に対して、指導方法や授業スタイルのニーズが変化しているとともに、受講料が年々上昇していることから、保護者の目は厳しくなっている。東京商工リサーチは「合格実績やSNS、口コミの評判で受講生数が左右されやすいだけに、生き残りをかけて他の塾との差別化がより重要になる」とコメントした。

 東京商工リサーチは、負債が1000万円以上の倒産から日本標準産業分類「学習塾」の倒産を抽出し、そのデータを分析した。