5G対応スマホの登場が新型コロナウイルス禍とかぶってしまって、なかなか大変な今日この頃だけれども、取りあえずシャープの「AQUOS R5G」である。

 ここではもちろん5Gの話ではなくてカメラの話。スマートフォンAQUOS初のトリプルカメラを搭載し、なおかつとうとう8K動画の撮影に対応したのだ。

 シャープらしいのがカメラの内訳。普通、最先端の技術を投入するのは、3つあるうちの「真ん中のカメラ」じゃない。一番使う広角カメラ。多くの端末はそこに最先端のセンサーやレンズや各種技術を投入している。

 シャープはちょっと違うのである。

●超広角カメラが4800万画素!

 4Kは「長辺が約4000ピクセル」という意味で、一般にはフルHD(2K)……つまり1920×1080の縦横2倍の3840×2160の動画である。縦横2倍なので面積は4倍。フルHDは約207万画素相当なので4Kは約800万画素相当。ヒトコマ切り出しても約829万画素の絵が得られるわけだ。静止画として十分使えるクオリティーですわな。

 じゃあ8Kは……というとさらに倍。7680×4320である。面積は倍の倍で4倍。1コマあたり約3317万画素である。すごいよね。これを秒30コマで録画するんだから。ヒトコマ切り出しても3000万画素越え。

 というわけで8K動画を撮るには3317万画素以上のイメージセンサーが必要になる。で、シャープは3つあるうちの「超広角カメラ」にその高画素センサーを積んできたのだ。それも4800万画素。

 内訳はこんな感じ。

 4つあるうち、一番下はToFカメラなのでまあ気にしない。残る3つのうち、中央のカメラが4800万画素の超広角カメラだ。35mm判換算で19mm相当でレンズはF2.9。

 残るは1200万画素の標準(広角)カメラ(26mm相当 F1.7)と1200万画素の望遠カメラ(52mm相当 F2.7)で、この2つには光学式手ブレ補正が付いている。

 何はともあれ8Kカメラである。8K動画を撮るときは撮影モードを「8Kワイド」にする。

 で、撮影する。8K動画時は手ブレ補正が効かないけれども、まあそれは気にしない。

 気になるクオリティーだけど、8K動画をそのままアップロードしても再生できる環境ないだろ(うちにもない)、と思うので「あとからキャプチャー」機能で切り出したものをどうぞ。

 という感じで1コマを静止画として切り出せるのだ。仕上がりはこんな感じ。

 室内のものもどうぞ。

 さすがに動画として記録したときに強く圧縮がかかっているので、ディテールはつぶれがちだけど、8K連写機能みたいに考えたらいけそうだ。

 さらに「AI」を使った「フォーカス再生」機能もある。超広角カメラだとどうしてもメインの被写体が小さく写りがちだけど、フォーカス再生を使うとAIが自動的に被写体を大きくして再生してくれるのだ。

 まあ再生してくれるだけで、フォーカス再生の様子をフルHD動画として書き出す機能がないのはちょっと残念だけど。(※編集注:フォーカス再生からフルHD画像への書き出し機能はアップデートで後日対応予定)

●トリプルカメラの画質はどう?

 8K動画を一通り見たところで、後はさくっといつものように画質をチェックしていこう。

 何はともあれガスタンクから。標準(広角)、望遠、超広角の順で。

 そして当然ながら、超広角カメラでは48MP(4800万画素)モードもある。8000×6000ピクセルである。

 すごいですな。まあ等倍で見ると細いワイヤーが解像できてないとかあるけれども、さすがの細かさだ。同じようなシーンでもカメラによってホワイトバランスがずれることがあるのは気になった。この辺はちゃんとチューニングしてほしいと思う。

 他のカットもざっと。料理自動認識は昔からシャープが得意とするところ。フライのよい色が出ております。

 もちろん猫も認識。

 人も認識。マスクをしていてもOK。

 残念ながら今トレンドの「夜景モード」はない。まあ普通に夜景は撮れるけど、普通の夜景だ。イマドキの連写+合成を駆使した夜景モードなら、普通じゃない夜景を撮れちゃうからね。

●背景ボカシの精度が向上

 もう1つイマドキのスマホに欠かせない背景ぼかしであるが、それは撮影モードの1つとしてメニューの中にある。

 トリプルカメラになったせいかToFカメラを搭載したせいか、以前よりレベルが上がっている。

 トリプルカメラ+ToFカメラまで付いたのだし、レベルも上がったのだから、すぐアクセスできるところに置いてくれればいいのに、と思う。

 シャープらしくて面白いのは、自動補正。例えば、カメラが傾いていると、自動的に傾きを補正したカットを作ってくれるのだ。

 下に並べてみた。左の方が元画像なのだけど、微妙に右肩下がりになっているのが分かるだろうか。右の方はそれが直っている(その分ちょっとだけ画像サイズが小さくなる)。

●シャープらしいAIを生かした機能

 もう1つ、シャープらしいのは動画を撮りながら自動的にAIが判断して静止画を撮ってくれる機能(AIライブシャッター)。超広角カメラで動画を撮りながら、標準(広角)カメラで写真を撮るという技だ。

 さらに相変わらずユニークな「AIライブストーリー」も健在。AQUOS R5Gではマルチフレームやズームにも対応した「Pro」に進化した。ある程度の長さの動画を撮ると、AIがそれを解析して「約15秒のBGM付ショートムービー」を、その場でさくっと作ってくれるのだ。面倒がなさすぎてびっくり。さくっとシェアするには短い方がいいし。

 もちろん元動画も記録してくれるので、派手なダイジェスト版を別途作ってくれるというたまらん機能なのだ。ちなみに寝ている猫を1分ちょっと撮っただけなのに気がついたら15秒のこんな動画になっていた。

 自動ダイジェストは、動画を公開するときに本編の前にこれをくっつけるという使い方もよさそうだ。予告編で見どころを全部見せちゃった映画みたいな感じになるかもだけど、その方が親切だし。

●8K動画の応用が広がると面白そう

 以前から動画には力を入れていたけど、今回はとうとう8K動画まで搭載するなど、静止画はトレンドに何とか追いつこうとしつつ、動画重視の設計を推進したという感じだ。

 今8K動画を撮れてもなあ、と思う人もいるかもしれないけど(私もそう思う)、そこから静止画をキャプチャーできるのはいいし、後は8Kで撮ったものの解像度を生かしてうまく4KやフルHD動画にしてやるアプリがつくなど、活用できれば面白い存在になりそうだ。

 なお、今回も作例は近所で撮ったもののみとなっております。ご了承を。

撮影協力:保護猫シェルターqueue