最近の若い世代の人たちは自宅に戻ってもスマートフォンしか使わない、なんて話もよく聞きます。しかし今のご時世のように家にこもる時間が長くなると、中古や安いノートPCを買ってきて多人数でオンライン飲み会をやるとか、あるいはゲーム専用機でネット経由の対戦ゲームをする、なんて機会も増えるでしょう。そのためにも自宅に光回線などがあると便利ですが、室内工事が必要など契約するのも面倒です。

 今では4G回線を使った据え置き型のWi-Fiルーターも多数あるのでそれを使うのも手ですが、通信速度は光回線には及びません。しかし5Gが実用化されれば高速なギガビット通信が手軽に使えるようになります。

 日本ではドコモが5G対応のWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」を発売予定で、これがあればもう光回線の契約は不要になるかもしれません。とはいえ、まだ5Gが使えるエリアが少ないので、一般的な商品になるにはまだ時間がかかりそうです。

 一方、2019年に5Gを開始した海外のキャリアはサービスエリアを広げており、据え置き型やモバイルタイプの5G Wi-Fiルーターも既に販売されています。

 この分野でも真っ先に製品を開発したのはHuaweiで、例えば大型バッテリーを搭載した「5G Mobile WiFi Pro」が中国などで販売されています。通信方式は5G NRと4G LTEのみ対応、3G(W-CDMA)には非対応です。5G開始国では4Gのカバレッジエリアも広いでしょうから、3Gをサポートする必要もないのでしょう。

 本体サイズが72(幅)×148(高さ)×12(奥行き)mmとやや大柄なのは、4000mAhの大型バッテリーを内蔵するためと、NRのアンテナを収納するためでしょう。4Gのルーターは薄型化や小型化が進んでいますが、5G対応となるとまだサイズは大きめです。

 また、米国ではInseegoが5G Wi-Fiルーターを出していますが、サイズは約88(幅)×72(高さ)mm とやはり大柄です。楕円(だえん)形でポケットに入りそうですが、実物は手のひらでしっかりつかまなくてはならないくらい大きいのです。

 この形状にしたのはやはりNRのアンテナ感度をよくするためと考えられますが、持ち運びにくいのも事実。そこでInseegoはHuawei製品のように細長い形をした製品も開発しています。これならカバンの中でも納まりがよさそうですし、スーツの内ポケットに入れて持ち運ぶこともできます。

 米国ではSprintが、HTCのディスプレイ内蔵型の小型据え置き5G Wi-Fiルーターを出していますが、今後はスマートスピーカーに5Gを内蔵した製品も出てくるかもしれません。HTCはスマートフォン事業で苦戦していますが、VRや5Gルーターで生き残りを模索しています。この5Gルーターは他国のキャリアでも採用が進んでいます。

 日本も5Gエリアが広がれば、いずれは今のWiMAX 2+やLTEルーターの代わりに、5Gのルーターが数多く出てくるでしょう。自宅にネット環境のない人には5Gルーターでも高速環境を簡単に利用できますから、需要は十分にありそうです。