iPhone 12シリーズの中でも最上位モデルに位置付けられる「iPhone 12 Pro Max」は、6.7型の大画面と「iPhone 12 Pro」からさらに強化されたアウトカメラが特徴だ。大画面でアウトカメラが特徴的なハイエンド5Gスマートフォンといえば、サムスン電子の「Galaxy Note20 Ultra 5G」や、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1 II」も挙げられます。

 これら3つのスマートフォンは何が違うのか、違いをまとめます。

●ディスプレイ/本体サイズと重量

 特に動画や電子書籍を楽しむ場合、ディスプレイの大きさは重要です。また、よりきめ細かい映像を追い求めるなら、ディスプレイの解像度も重要です。

 今回比べる3機種のディスプレイは、いずれも有機ELで、HDR(ハイダイナミックレンジ)コンテンツの再生にも対応します。サイズと解像度は以下の通りです。

・iPhone 12 Pro Max:6.7型/1284×2778ピクセル(458ppi)

・Galaxy Note20 Ultra 5G:6.9型/1440×3088ピクセル(496ppi)

・Xperia 1 II:6.5型/1644×3840ピクセル(643ppi)

 いずれの機種も、WQHD(2560×1440ピクセル)を超える解像度に対応しています。1インチ当たりの画素密度を表す「ppi」はXperia 1 IIが一番高く、iPhone 12 Pro MaxとGalaxy Note20 Ultra 5Gはおおむね同等です。

 ディスプレイの“形状”ですが、iPhone 12 Pro Maxは「TrueDepthカメラ(インカメラ+赤外線カメラ+赤外線照射ユニット)」、受話スピーカーや近接センターの収納部が大きく切り欠かれています。動画の再生時などは画面上端部を黒色(非表示)となるので目立ちませんが、気になる人は気になるかもしれません。

 Galaxy Note20 Ultra 5Gはインカメラ周辺に小さなパンチホール(穴)が開いています。これも動画再生時などは黒色(非表示)となりますが、目に入らないかといえばそんなことはありません。また、ディスプレイの左右端部が湾曲しています。「湾曲部分の映像はゆがむのではないか?」と思う人もいるかもしれませんが、実際に手にすると意外と気になりません。

 Xperia 1 IIは、ノッチ(切り欠き)やパンチホール(穴)が一切ありません。ただし、画面の四隅がカーブしています。

 ただ、画面が大きいとなると、ボディーも大きくなります。たくさんのデバイスを搭載することから、重量も増えがちです。ボディーサイズ(幅×高さ×厚さ)と重量はどうなっているのでしょうか。

・iPhone 12 Pro Max:約78.1×160.8×7.4mm/約226g

・Galaxy Note20 Ultra 5G:約77×165×8.1mm/約208g

・Xperia 1 II:約72×166×7.9mm/約181g

 片手で持つ場合、横幅は狭く重量は軽い方が有利とされています。その観点では、3機種の中でXperia 1 IIは一番有利です。ただし、高さ(縦方向の長さ)がやや大きいため、片手では画面上端まで指を届かせることは厳しいです。

●メインメモリ/ストレージ

 同時に開けるアプリやデータの数はメインメモリの容量に、保存できるアプリやデータの量は内蔵ストレージの容量に左右されます。3機種のメインメモリと内蔵ストレージの容量はどのくらいなのでしょうか。

 まず、メインメモリの容量を比べてみましょう。

・iPhone 12 Pro Max:非公表(開発ツールでは「6GB」)

・Galaxy Note20 Ultra 5G:12GB

・Xperia 1 II:8GB(ドコモ、au向けモデル)/12GB(SIMフリーモデル)

 iPhone 12 Pro Maxのメインメモリ容量は公式には“非公開”ですが、アプリ開発ツールを参照すると6GBだそうです。ハイエンドAndroidスマホと比べると容量は少なめですが、OSの設計の違いもあるため他の2機種とは単純比較は難しいです。ただし、Android向けアプリと比べると、iOS向けアプリはメモリ消費が少ない傾向にあります。

 Galaxy Note20 Ultra 5Gのメインメモリ容量は12GB、Xperia 1 IIのメインメモリ容量は販路によって8GBまたは12GBとなっています。12GBメモリは、Androidスマホとしては比較的大きな容量です。いずれにしても、普通にアプリを使う上では十分といえます。

 次に、内蔵ストレージの容量を比べてみます。

・iPhone 12 Pro Max:128GB、256GB、512GB

・Galaxy Note20 Ultra 5G:256GB

・Xperia 1 II:128GB(ドコモ、au向けモデル)/256GB(SIMフリーモデル)

 iPhone 12 Pro Maxは、ニーズに合わせて3つの容量から選べます。一度買ってしまったら増設もできないことは注意しましょう。既存のiPhoneからの機種変更(買い換え)であれば、元の容量と同じかより大きな容量のものを選びましょう。

 Galaxy Note20 Ultra 5Gの内蔵ストレージは256GB、Xperia 1 IIの内蔵ストレージはは販路によって128GBまたは256GBとなります。加えて、両機種共に最大1TBのmicroSDXCを搭載できます。音楽や動画のデータをmicroSDに置いておけば、内蔵ストレージの容量を節約可能です。

 ただし、Xperia 1 IIのSIMロックフリーモデル(デュアルSIM仕様)は2枚目のSIMカードとmicroSDが排他搭載となります。

●アウトカメラ

 アウトカメラは、どの機種も3眼(トリプル)構成で、レーザーを使った距離センサー(レーダー)も別途備えています。レーザー式の距離センサーは、暗所でのオートフォーカス(AF)速度の改善に役立ちます。iPhone 12 Pro Maxの「LiDARレーダー」は、AR(拡張現実)アプリでも活用できます。

 ……と、少し話がそれそうになりましたが、アウトカメラは3機種共に「広角」「超広角」「広角」という組み合わせです。3機種共にHDR動画の撮影に対応しています。

・iPhone 12 Pro Max:1200万画素(広角/F1.6)+1200万画素(超広角/F2.4)+1200万画素(望遠/F2.4)

・Galaxy Note20 Ultra 5G:1200万画素(広角/F1.8)+1億800万画素(超広角/F2.2)+1200万画素(望遠/F3.0)

・Xperia 1 II:1220万画素(広角/F1.7)+1220万画素(超広角/F2.2)+1220万画素(望遠/F2.4)

 特筆すべきは、Galaxy Note20 Ultra 5Gの超広角カメラ。1億画素超のセンサーを搭載しています。この画素の高さを活用した超解像ズームや、8K(7680×4320ピクセル)動画の撮影も魅力です。

 iPhone 12 Pro Maxは、兄弟機の「iPhone 12 Pro」と広角カメラと望遠カメラの特性が異なり、特に広角カメラではセンサーシフト式の手ブレ補正に対応しています。レンズ側に手ブレ補正機構を備える場合と比べると、特に動画撮影時のブレを抑制できることがメリットです。

 Xperia 1 IIは、人間の目にピントを合わせる「瞳AF」(※1)、薄暗い場所でノイズを抑制した写真を撮れる「低照度撮影」など、ソニーの一眼カメラ「α(アルファ)」の技術を取り入れたカメラエンジンを搭載していることが魅力です。アルファと同じようなユーザーインタフェース(UI)で撮影できるアプリ「Photography Pro」(※2)や、HDR動画を撮れるアプリ「Cinematography Pro」も使えます。

 なお、センサーやレンズの厚みから来る制約で、3機種共にアウトカメラの周辺部が出っぱっています。人によっては、気になるかもしれません。

(※1)超広角カメラで利用する場合、端末の出荷時期によってはソフトウェア更新が必要です(※2)端末の出荷時期によってはソフトウェア更新後にプリインストールされます

●その他の特徴

 その他、各機種ならではの特徴もあります。特に注目したいポイントを紹介します。

iPhone 12 Pro Max

 iPhone 12 Pro Maxは、nanoSIMカードと「eSIM」のデュアルSIMに対応しています(※3)。eSIMは本体内に内蔵されており、インターネット経由で契約情報を書き込めることが特徴です。日本ではIIJ(インターネットイニシアティブ)や楽天モバイルなどが発行しており、総務省の方針で今後普及が進むとみられています。

 インカメラでは、赤外線カメラを活用して精度の高いポートレート(背景をぼかした写真)撮影が可能です。

(※3)nanoSIMカードとeSIMカードの両方を有効にしている場合、5G通信を利用できません。5G通信を利用したい場合は、どちらか片方のSIMカードの通信をオフにする必要があります

Galaxy Note20 Ultra 5G

 Galaxy Note20 Ultra 5Gは、付属のスタイラスペン「Sペン」を使った操作が魅力です。Sペンの書き(描き)味は世代を経るごとに改善しており、遅延(レイテンシー)は9ミリ秒と精緻な絵描きにも利用できるレベルとなっています。音声を録音しながら手書きメモを取ることもできます。

 5Gスマホとして見た場合は、より高速な「ミリ波」での通信にも対応しています。ミリ波通信に対応しているエリアはまだ限られていますが、端末もまだ限られています。5Gの“真価”を体感できる場所に行く機会が多いなら、見逃せないメリットです。

Xperia 1 II

 Xperia 1 IIは、最近のハイエンドスマホでは省略されがちな3.5mmイヤフォンマイク端子が搭載されています。とりわけ、音声の遅延(レイテンシー)がプレイ感を左右する音楽ゲームをプレイする機会が多い人にはうれしい装備です。手持ちの有線イヤフォンや有線ヘッドフォンを使いたいという人にもありがたいはずです。

●価格はやはり高め……

 今回紹介した3つの5Gスマホは、いずれもハイスペックゆえに高価。割引前の税込み販売価格は販路を問わず12万円を超えます。

・iPhone 12 Pro Max(Apple直販):12万9580円(128GB)/14万1680円(256GB)/16万58880円(512GB)

・Galaxy Note20 Ultra 5G:14万5728円(ドコモ版)/15万9830円(au版)

・Xperia 1 II:12万3552円(ドコモ版)/12万2500円(au版)/13万6400円(SIMフリー版)

 高価ではあるものの、3機種共に少なくとも3年間は最前線で使えるスペックを備えています。大画面かつ性能の良いスマホを探している人は、ぜひチェックしてください!