ソニーモバイルの5Gスマートフォン「Xperia PRO」が、2月10日に発売される。Xperiaスマートフォンの新機種……ではあるのだが、一眼カメラやカムコーダーなどとHDMIまたはUSBテザリングで接続して映像を配信したり、写真をカメラから送信したりといった用途を想定しており、一般ユーザー向けというよりは、カメラマンや映像クリエイター向けのモデルに位置付けられる。

 5Gのミリ波受信や放熱のための専用設計や、ディスプレイを個体ごとにチューニングしていること、ミリ波の受信状況を可視化する独自アプリの提供などもあり、お値段は22万8000円(税別)と高め。一般ユーザーが手にする機会は少なそうだが、それでも”Xperiaの新機種”として気になる人は多いだろう。

 今回、短時間ながらXperia PROの実機に触れる機会を得たので、写真とともに本機の特徴をお伝えしていきたい。なお、カメラ機材との連携については別途レビューする予定だ。

 Xperia PROのスマートフォンとしてのスペックは「Xperia 1 II」がベースになっているが、外観は大きく異なる。まず、厚さが7.9mmのXperia 1 IIに対してXperia PROは10.4mmと分厚く、重量もXperia 1 IIの181gから44g増の225gとなっている。これは、ミリ波の電波を受信することで生じる熱を逃がすために空気層を設けたため(Xperia 1 IIはミリ波の通信には対応していない)。本体が発熱してパフォーマンスが低下すると、カメラ連携の操作にも影響が出る恐れがあるため、極力パフォーマンスが持続するよう配慮した結果といえる。

 背面の素材も、ガラスを採用しているXperia 1 IIと異なり、Xperia PROでは樹脂を用いている。といっても、他のスマートフォンでよく見られるツルッとした質感ではなく、ザラッとした質感。滑り止め加工が施されているので、握ったときに滑り落ちてしまう心配はなさそう。

 このような素材にしたことで、Xperia PROのカメラで撮影をする際に、外光が背面に反射することを防ぐ効果があるという。それによって反射光が被写体に当たらないこともメリットとなる。またボディーをフラットにしたことで、ミリ波をつかみやすくなるそうだ。樹脂なのでガラスに比べて割れにくく、ある程度ハードな環境でも問題なく使えそう。なお、裸で使ってもらうことを想定しているため、専用ケースは用意していない。

 本体の厚さが増した影響で、Xperia 1 IIでは出っ張っていたアウトカメラが、Xperia PROではほぼフラットに収まっている。よく見ると、カメラ周りがわずかにへこんでおり、机に置いたときなどにレンズが傷つかないよう保護できる。

 Xperia 1 IIにはない機能として、側面にショートカットキーを搭載した。「Xperia 5 II」ではGoogle アシスタントを呼び出せるキーを搭載しているが、Xperia PROでは好きなアプリを割り当てられる。ただし長押しや2度押しなど、キーの押し方によって割り当てる機能を変えることはできない。Xperia伝統のカメラキーは、Xperia PROにも引き続き搭載されている。電源キーと指紋センサーが一体となっているのもXperia 1 IIと同じだ。

 メインメモリはXperia 1 II(SIMロックフリー)と同じく12GBだが、大容量の映像や写真を扱うことを考え、内蔵ストレージはXperia 1 IIの256GBから倍増となる512GBとしている。ユーザー層を考えて、おサイフケータイ(FeliCa)とワイヤレス充電は搭載していない。ワイヤレス充電は、「プロは効率を重視して有線で充電をする」との考えから外したそうだ。

 Xperia PROの独自アプリである「Network Visualizer」では、5GのSub-6とミリ波、4G、Wi-Fiなど受信している電波の種類やスループット、ミリ波がどの方向から受信しているかが表示される。アプリは小窓にして常時表示することもでき、ショートカットキーへの登録ももちろん可能。映像配信や写真送付をスムーズにできるかは通信状況に左右されるため、電波の状況を簡単に確認できるのはありがたいだろう。

 外部接続端子はUSB Type-CとHDMIマイクロで、3.5mmイヤフォンジャックも備えている。HDMIマイクロ端子は昨今のスマートフォンでは珍しいカバー付きとなっている。HDMIマイクロ端子からHDMIケーブルで一眼カメラなどと接続して「外部モニター」アプリを立ち上げれば、カメラの外部モニターとして活用できる。外部モニターアプリをショートカットに登録しておくとスムーズに連携できて便利だ。撮影した画像はピンチイン、アウトで縮小、拡大もできる。

 独自の設定として「パフォーマンス持続モード」も用意した。こちらはUSBテザリングやHDMI接続しているときにのみ動作する。端末の温度が上昇すると、通常ならパフォーマンスを抑えるが、この設定をオンにすると高いパフォーマンスを維持できる(有線接続時はスマホに触れることが少ないためだと思われる)。高解像度の映像でライブ配信をしたい、高解像度の写真をいち早く送信したい、といったときに有効だが、バッテリーへの負荷が高くなるので、ここぞと言うときに使うのがよさそうだ。