IIJ(インターネットイニシアティブ)が、4月1日から新料金プラン「ギガプラン」を提供する。

 大手キャリアがオンライン専用で2000円台(税別、以下同)の新料金プランを提供し、それに対抗する形で、日本通信やオプテージなどのMVNOも新料金プランを発表した。IIJも、こうした市場動向にキャッチアップすべく、料金プランを一新した。

 現在、IIJmioでは月額1600円(税別、以下同)で3GBの「ミニマムスタートプラン」、月額2220円で6GBの「ライトスタートプラン」、月額3260円で12GBの「ファミリーシェアプラン」を提供している(いずれも音声SIM)。新プランでは容量を2GB、4GB、8GB、15GB、20GBの5種類に増やし、これまでオプション扱いだった大容量帯のプランもカバー。音声SIMの料金は2GBで月額780円〜20GBで月額1880円と大幅な値下げとなった。

 現行プランと比較すると、ミニマムスタートプランに80円を足すだけで15GBの通信が可能になる。ミニマムスタートプラン比で、2GBプランは820円の値下げ、4GBプランは620円の値下げ、8GBプランでも220円の値下げとなる。

 大手キャリアが月額2480円〜2980円に設定しているオンライン専用20GBプランと比較しても、IIJmioの方が(現時点では)600円〜1100円安く、競争力のある内容となっている。

 ギガプランの提供にあたってIIJが重視したのは「シンプルであること」と「自由度が高いこと」の2つ。

 ギガプランでは期間限定の割引や複雑なオプションを極力なくし、シンプルな設計としている。どのプランもドコモ回線とKDDI回線を選択でき、現在は別プランとして提供しているeSIMとも組み合わせられる。

 データシェアの方法も見直した。現行プランでは、各プランの中でSIMを増やしてデータ容量をシェアする形を取っていたが、ギガプランでは、同一契約内でデータ容量をシェアする形に変更した。IIJ MVNO事業部 事業部 コンシューマサービス部長の亀井正浩氏はその理由について「既存ユーザーだと3GBにSIMを1枚追加し、12GBのファミリーシェアプランにSIMを10枚追加するという利用形態だったが、最近格安スマホをご検討いただいている方々だと使い方が難しい面があるため」と話す。足りなくなったデータ容量を、1契約の中でシェアする方がシンプルだと考えた。

 例えば夫が20GB、妻が2GBのプランを契約して、余った夫のデータ量を妻にシェアをするという使い方を想定する。20GBプランを契約しているものの、月によって使用するデータ量にムラがあっても、その分を妻にシェアすれば、無駄なく使えるというわけだ。1人で使う場合も、スマートフォン、タブレット、ルーターなどデバイスごとに契約し、余ったデータ容量を他のデバイスに分けるという使い方もできる。

 プランのデータ容量を2GB、4GB、8GB、15GB、20GBに区切った理由について亀井氏は、既存ユーザーがお得に乗り換え、新規ユーザーにとっても魅力的なプランにするためと説明する。「既存プラン(3GB、6GB、12GB)のお客さまが3GBから4GBに、6GBから8GBに移る際に不都合のない料金に設定した。コロナ等で利用形態が変わって容量を使わなくなった場合、3GBから2GBに、6GBから4GBに移るような価格設定でも十分魅力に感じてもらえるようにした」

 20GBプランについては、大手キャリアのオンライン専用プランをはじめ、競合サービスと容量をそろえた形。その中で8GBと20GBのギャップが大きかったため、15GBプランで埋めた。現行の3プランよりは数は増えるが、より多くのニーズを満たすことを重視したようだ。

 データ容量の繰り越しも、現状はSIMやサービスの種類によってできたりできなかったりで、例えばeSIMだと繰り越せないが、ギガプランではSIMの種類を問わず、翌月末まで繰り越せるよう統一。さらに、足りなくなったデータ容量のチャージも、現状は100MBあたり200円で追加クーポンを購入する形だが、ギガプランでは1GBあたり200円と大幅に値下げした。細かいところでは、低速時の通信速度を現行の200kbpsから300kbpsに上げている。

 5Gに対応したことも新たなトピックだ。しかもオプション料金は無料としている。5Gはこれからエリア拡充が進む状況ではあるが、「5Gスマートフォンの購入とともにプランを変更したものの、(4G SIMが対応しておらず)4Gスマートフォンに差し替えるという不都合が出ている」ことから対応を決めた。一方で「せっかく5Gの機能が付いているのに、アンテナ(ピクト)が4Gのままというのは寂しいので、オプションで無料とした」と亀井氏は話す。5G端末についても「4月以降、メーカーと商談しながら準備をしていきたい」(同氏)とした。

 現行プランから大幅な値下げとなるギガプランだが、これはデータ接続料の低廉化を織り込んだことで実現したという。「競争環境、卸料金、接続料を巡る社会情勢などを鑑みて、チャレンジングな価格設定をした」と亀井氏は説明する。仮に想定よりも接続料が下がらなかった場合も「(総務省の)アクション・プランで接続料は中長期で値下げをするため、悪くても中長期で解消できる」(IIJ MVNO事業部長の矢吹重雄)と見立てている。

 なお、日本通信が提供している、プレフィックスサービスを使わない音声定額サービスは、現在のところ予定していない。ギガプランでも、現行プランと同様に、プレフィックスサービス「みおふぉんダイアル」を使った3分と10分のかけ放題サービスを提供する。