ソニーが4月14日、スマートフォン「Xperia」の新モデル「Xperia 1 III」を発表。2021年初夏以降、日本を含む国と地域で発売する。

 Xperia 1 IIIは、2020年に発売した「Xperia 1 II」のデザインや機能を継承しつつ、カメラ、ディスプレイ、オーディオ面を強化した5G対応のフラグシップモデル。カラーはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色を展開する。

●望遠レンズは70mmと105mmの切り替えが可能に

 背面には1200万画素の広角レンズと超広角レンズに加え、新たに可変式望遠レンズを搭載している。可変式望遠レンズでは、ペリスコープレンズが動いて焦点距離を調整することで、従来の70mmに加えて105mmにも切り替えられ、より遠くの被写体もカバーできるようになった。ユーザーは超広角の16mm、広角の24mmと合わせて、4つの焦点距離を切り替えて撮影できる。より高速にピントを合わせられる3D iToFセンサーも搭載している。

 4つの焦点距離全てが「コンティニュアスAF」に対応しており、動きの速い被写体でも追従可能としている。さらに、タップした被写体が動いたり物陰に隠れたりしても、ピントを合わせ続けられる「リアルタイムトラッキング」にも対応。人や動物に加え、クルマやバイクなどの物を追尾することもできる。Xperia 1からおなじみ、人物の瞳にピントを合わせ続ける「リアルタイム瞳AF」も継承している。

●カメラアプリを「Photo Pro」に統合

 従来のXperiaからの大きな変更点として、通常の「カメラ」アプリを廃止し、Xperia専用の「Photo Pro」アプリに統合した。Photo Pro(Photography Pro)では、ソニーのデジタル一眼カメラ「α」の操作性や機能をスマートフォン向けに再現したものだが、Xperia 1 IIIのPhoto Proアプリでは、従来のカメラアプリと同様にシンプルな操作で撮影ができる「BASIC」モードを用意した。このモードでは縦向きでも撮影でき、画面上のシャッターボタンやぼけモード、セルフィーなどを利用できる。

 Xperia 1 IIでもおなじみ、最大60回/秒のAF/AE(自動露出)演算処理による、20コマ/秒までの高速連写も利用できる。Xperia 1 IIIではさらに、連写の際に画像を複数枚重ね合わせることでノイズを低減し、薄暗い場所で高速連写をしても、より明るく記録できるようになった。

 AIを活用して、デジタルズームでの画質劣化を抑える「AI超解像ズーム」、被写体を際立たせた一枚を残せる「ぼけ機能」も用意した。インカメラは800万画素だ。

 動画撮影時には手ブレ補正を強化。より高速で読み出しができるイメーセンサーと、ソニー独自のアルゴリズムにより、暗所で歩きながらでもより手ブレを抑えた撮影が可能になるという。

 映画のような動画を記録できる「Cinematography Pro」も継承。8種類のLook(色相や画作り)や、風切り音のみを除去する「インテリジェントウインドフィルター」を用意している。また4K HDR画質で120fpsのスローモーション撮影もできる。

 Xperia 1 IIと同様にZEISS(ツァイス)のレンズを採用しており、レンズ内の反射を抑えるT*(ティースター)コーティングを施している。側面のシャッターキーにはエンボス加工を施すことで、手にしっかりと引っ掛かり、より押しやすくなった。

●4K 120Hz HDR対応有機ELディスプレイを搭載

 21:9のアスペクト比、6.5型の4K HDR対応有機ELディスプレイはXperia 1 IIと同じだが、Xperia 1 IIIはXperia 5 IIと同様、120Hzのリフレッシュレートに対応した。スマートフォンで4K、120Hz、HDRに対応したディスプレイは、世界初(ソニー調べ)をうたう。さらに、ディスプレイの個体ごとに発生する色のバラツキを補正するキャリブレーションを実施している。

 ディスプレイ面には、強化ガラスとして、Corning Gorilla Glassの最新世代「Corning Gorilla Glass Victus」を採用している。上下左右のベゼルを狭め、それぞれのベゼル幅を均一にしたシンメトリーなデザインも特徴だ。IP68の防水・防塵(じん)もサポートしている。

●Xperia 1 IIから音圧がアップ、ソニーの立体音響技術にも対応

 ディスプレイの上部と下部に搭載したステレオスピーカーは、Xperia 1 IIから約40%音圧が向上している。立体音響技術の「Dolby Atmos」もサポートしており、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと協業した独自のチューニングを施している。3.5mmイヤフォンジャックも搭載しており、有線ヘッドフォンを使用した際の最大音圧が、こちらもXperia 1 II比で約40%向上している。

 ソニーの立体音響技術「360 Reality Audio」を、世界で初めて(ソニー調べ)スマートフォンのスピーカーで再生可能になった。これは独自のハードウェアでコード処理に加え、スピーカーのバーチャライザーを新規開発したことで実現したという。ただし現時点で対応しているサービスは、日本では利用できないストリーミングサービス「TIDAL」のみ。一方、イヤフォン接続時に立体的な音響を楽しめる「360 Spatial Sound」にも対応しており、こちらはさまざまな音楽サービスで利用できる。

●3年使っても劣化しにくいバッテリー搭載

 プロセッサはSnapdragon 888 5Gを搭載しており、5GはSub-6に加えてミリ波にも対応。メインメモリは12GB、内蔵ストレージは256GBまたは512GB。ミリ波対応とストレージ容量は地域によって異なる。

 容量4500mAhのバッテリーを内蔵しており、30W以上の充電器を使えば約30分で50%の急速充電が行える。従来のXperiaから搭載している「いたわり充電」の制御技術に加え、より劣化しにくいバッテリーの素材を採用することで、3年使っても劣化しにくいバッテリーを実現したという。ワイヤレス充電に加え、他のデバイスにワイヤレスで給電する機能にも対応した。

 120Hz駆動のディスプレイに加え、黒画像を挿入することによる240Hz駆動にする残像低減技術、240Hzの高速タッチ検出により、ゲームも快適にプレイできるよう注力した。

 サイズは71(幅)×165(高さ)×8.2(奥行き)mm、重量はSub-6のみ対応するモデルが186g、ミリ波対応モデルが188g。

●純正アクセサリー

 純正アクセサリーとして「Style Cover with Stand」を用意しており、本体色に合わせた3色から選べる。抗菌素材によりコーティングを施しており、ソニーの独自基準をクリアした耐久性を確保。横置きを可能にするキックスタンドも付いている。