NTTドコモは4月1日から、5G通信サービス用の新料金プラン「5Gギガホ プレミア」の提供を開始しました。従来の「5Gギガホ」とは異なり、テザリング(インターネット共有)を含む全てのデータ通信に月間容量制限が設けられていません。「5Gデータプラス」「データプラス」を契約する子回線の利用分や海外ローミング中の「パケットパック海外オプション」利用時には月間30GBの容量制限はあるものの、他キャリアの「容量無制限プラン」と比べると制限は少なめです。

 月額料金は税込みで5Gギガホよりも1100円安い7315円で、月間通信容量が3GB未満となった場合は自動的に1650円引きの5565円となります。ドコモの料金プランでは、オンライン専用の「ahamo(アハモ)」が注目を集めている所ですが、個人的には、国内の自回線での通信容量に制限がない≪5Gギガホ プレミアの方が“本命”です。

 今回の5分で知るモバイル通信活用術では、5Gギガホ プレミアを使う中で気が付いたドコモの5G通信サービスに「足りないもの」を見つめます。

●5Gエリアが徐々に広がる筆者の生活圏 一部離島にも5Gが

 ドコモの5Gサービスは、エリア展開的にまだまだで「いつでもどこでも5G」にはまだ遠い状況にあります。これは、au(KDDIと沖縄セルラー電話)やソフトバンクのも同様です。

 それでも、筆者の生活圏(東京23区内)では、主要な鉄道駅や繁華街だけでなく、子どもと遊びに出かける公園、ショッピングモールの店内はもちろん、自宅付近もドコモの5Gサービスの圏内となりました。それほどトラフィック(通信量)の多いとは思えない住宅街や、新築ではない(≒営業の合間に5G対応工事を進めなければいけない)ショッピングモールもカバーしたことは、さすがにビックリです。

 「エリア化が早いのは大都市部(東京23区内)だけでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、場所によっては離島にも5Gエリアが出現し始めています。

 筆者は先日、沖縄県の宮古島に滞在しました。エリアマップを見てみると、宮古島は6月末までに西側(中心街付近)が5Gエリア化する予定……なのですが、既に5G通信ができる場所が存在します。自動車で移動しながら確認してみると、結構広い範囲をカバーしているようにも思えます。

 筆者の推測ではありますが、マクロ局によって5Gエリア化されたのだと思われます。

 ドコモの5Gギガホ プレミアは、拡大中の(とはいえ現時点では限られている)5Gエリアだけでなく、全国のXi(LTE)エリアでも月間通信量に制限がありません。既に全国に広がっているXiエリアでも通信容量や速度制限を気にすることなく、モバイルインターネットが使い放題になるメリットは非常に大きいものがあります。

●ドコモには「据え置きルーター」がない

 ドコモの5Gギガホ プレミアは、「料金プランの設定」「通信速度」「Xiエリアを含むネットワークの充実」の3点において優れていることは間違いありません。しかし、auやソフトバンクと比べると“足りない”ものがあります。それは、ずばり自宅に据え置いて使うためのルーターです。

 auでは、自社のau 4G LTE回線と、UQコミュニケーションズ(KDDIの子会社)が提供するWiMAX 2+回線に対応する据え置きルーター「Speed Wi-Fi HOMEシリーズ」を販売しており、専用の料金プランも用意しています。ソフトバンクでは、Wireless City PlanningのAXGP回線と自社のSoftBank 4G LTE回線(一部機種)に対応する据え置きルーター用通信サービス「SoftBank Air」を提供しています。

 これらの据え置きルーターは、モバイル(可搬性の高い)ルーターと比べると以下のメリットがあります。

・携帯電話/BWA(※)回線側のアンテナの感度が良い→携帯電話/BWA回線の電波の弱い所でも通信できる可能性がある

・Wi-Fi(無線LAN)の電波の出力が強い→部屋の奥までWi-Fiの電波が届きやすい

(※)Broadband Wireless Access(無線ブロードバンド)

 モバイルルーターでは電波的に通信が厳しい環境でも、同じ場所に据え置きルーターを置くと通信できるということもよくあります。自宅など屋内でモバイルインターネットをする場合、据え置きルーターには大きなメリットがあるのです。

 先日の旅行で、筆者はドコモの5Gルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」とASUSの小型メッシュWi-Fiルーター「Zen WiFi AX Mini(XD4)」を使ってみました。

 「SH-52AもWi-Fi 6に対応しているよね?」と思った人もいるかもしれませんが、部屋を移動した際も通信品質を高めるために、あえてSH-52AのWi-Fi機能は使わずに、別途Wi-Fiルーターをつなぐことにしたのです。

 モバイル通信の電波をしっかりとつかむため、SH-52Aは窓際に置きました。しかし、それが“あだ”となって、SH-52A自体の発熱によって通信が不安定になるというハプニングが発生……。特に天気の良い時間帯は、太陽光による熱も加わって不安定さが増しました。

 通信の不安定さは、単純に通信速度が遅いことよりも大きなストレスを覚えがちです。元々通信速度が遅いと分かっていれば、大容量ファイルのやりとりを控えたり、動画や音楽は出かける前にオフライン保存したりといった対処もできます。しかし「速いと思ったら急に遅くなった」を繰り返すと、イライラがどうしても増してしまうんですよね……。

 結局、SH-52Aに刺していたSIMカードを、予備機材として持ってきていた据え置きルーター「Speed Wi-Fi HOME L02」に移して使うことにしました。L02は5G非対応ですが、家に据え置いて使うことを前提にした設計です。そのおかげか、通信は非常に安定し、イライラも収まりました。

 ドコモの5Gギガホ プレミアは、スマートフォン、タブレット、ルーターといった端末の種類を問わず“共通”のプランとなっています。デバイスを問わず使えることが何よりのメリットですが、ドコモ自身が据え置きルーターを用意していないため、自宅に据え置いて使うニーズを逃してしまっているような気がします。

 もっとも、ドコモの井伊基之社長は、各種メディアとのインタビューで固定回線代わりとなる無線通信サービスの提供に前向きな姿勢を示しています。SoftBank Airに対する「docomo Air(仮)」的な、据え置きルーターを使ったサービスの開始に期待したいです。できれば、その際に投入する据え置きルーターは5Gギガホ プレミアでも使えるもので……。